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あなたと最初で最後の恋を  作者: 原案:武 頼庵(藤谷 K介)様 作者:本羽 香那
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お楽しみ前の勉強会


 彼は高校3年生であるため、本来なら受験勉強しているところだが、彼は推薦でもう進学する大学が決まっていた。それも私が通っている大学で、しかも同じ学部。

 しかし、受験勉強を終えている彼でも定期試験は関係なく、赤点は取ってはいけないため、彼とデートする時間はなかった。


 でも、彼は1歳年下で、自分は現在大学を休学中。

 また、自分は体育以外の科目は、結構どの科目も勉強出来るため、彼の苦手な所や分からない所を教えて一緒に時間を過ごしていた。彼は本当に真面目で、少しでも分からない所や不安があるところがあると、すぐに質問しに来て解決しようとする。その上にめり込みが早いためこちらも教えがいがあった。


 彼が問題を解いている間に質問がどんな問題があるのか見てみるが、たまにどんな問題だっけとなってしまい、つい解説を見てしまうこともある。そして、そうだこんな解き方だったとか、ここの意味がこうだから記述ではこんな風に書かなければならないんだとか、つい彼と同じように問題を無意識のうちに解いて楽しんでいた。ここ暫く勉強なんてしていなかったため、この感覚は久しぶりだと感慨深く思ってしまう。


 昔から医師に20年も余命がないと宣言されているのにも関わらず、私が勉強したいとか友人と遊びたいなどの理由で、親に甘えてバイトなどもせずに大学に通わせてもらっていた。大学生活も楽しいため通えているのは本当に嬉しい。それに大学に通うことはこのまま卒業して、そしてみんなと同じように就活して就職し、普通の生活を送れるかもしれないという希望でもあった。


 しかし、休学している今、その希望はもうほとんど残されていない。退学ではなく、休学にすることでほんの僅かだけど希望を残していた。今は大学に通って勉強しているわけではないけど、彼と勉強をすることでその希望がほんの少しだけど湧いてきたような気がした。


 数日後――。

 彼の試験期間がようやく無事に終わった。予想はしていたけど、彼は見事トップクラスの成績を残して無事終了。


 そしてもうクリスマス・イブを迎えてようやく久しぶりのデートである。


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― 新着の感想 ―
[良い点] >退学ではなく、休学にすることでほんの僅かだけど希望を残していた。 ここの部分、すごく分かります。 やっぱり生きる希望があると違いますよね。
2024/05/02 10:28 退会済み
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