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あなたと最初で最後の恋を  作者: 原案:武 頼庵(藤谷 K介)様 作者:本羽 香那
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真実を告げた後は


 その後は彼と近くにあるカフェで普通に話し合ってデートをしていた。

 今までずっと心の片隅に引っかかっていた罪悪感がほぼなくなり、黙っている事への強い罪悪感を感じていた時と比べて、この時は気も楽になりとても楽しい時間。取り敢えずずっと抱え込んでいたあの悩みについてはもう考えてなくても良いのだと思うと自然と笑みを浮かべていた。

 彼も私の余命を知っていて、私と同様に隠して付き合っていたことに罪悪感を抱えていたのか、いつもよりも無邪気であり、今までよりも楽しそうな姿が見ることが出来ている。そう思うと余命のことをしっかりと告げて良かったと思う。

 

 こうしてお互いに幸せを感じる1日を過ごしたのだった。



 いつも家に帰る際には、親に何か聞かれるのではないかと怯えながら重い足でトボトボと帰っていた。しかし、今日の私はいつもよりも足が浮き立ちながらスキップでもしそうな身の軽さで笑顔になって家に帰る。


「ただいま」


 いつもなら小さな声なのだけど、今回はとても元気な声で言っていた。


「「お、お帰り……」」


 いつもとは違うトーンに驚いたのか、少し戸惑いながらも声を揃えて言葉を返してくれた。

 流石にこのことを報告するか少し迷ったけど、やはりここは話しておかなければと思い、両親に今日の出来事を話した。

 話しているうちにとても顔が熱くなってくる。自分が笑顔になっているのがよく分かった。


 その話を聞き終えた母は、「さっきまで言ってなかったの?」と呆れられたが、その表情は優しい笑顔だった。それに対して父は良かったなと言ってくれたものの、何故か少し寂しそうな顔をしていた。


 二人に話してよかった……。心からそう思う。

 父が少し寂しそうな顔をしているのが少し気掛かりだけど……。

 それでも認めてくれた事にも安堵するとともに、『彼とのこれから先の事』を考えて、ちょっとだけだけど楽しんでいる自分に気が付いた。


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