プロローグ2 職業決定
マイ・ナンバー・オンラインがインストールされたヘッドギアをつけて、いざログイン!
『初回ログインありがとうございます。サポートAIのマイナと申します』
「うわっ! びっくりした!」
何にもない白い空間で一人ぼっち。めっちゃ寂しいと思ったのも束の間、すぐにAIの機械音声が流れてきた。
『早速ですがマイナンバーの登録をお願いします』
「はいはい。えっと12桁の番号と、パスワード。OKっと」
今やマイナンバーは住所並みに暗記必須になっている。カードがなくても余裕で打ち込めた。
『交信中……認証完了しました。ようこそ佐々木小雛さん。あなたをマイ・ナンバー・オンラインへご招待します』
サポートAIのマイナさんのひと声で、何もない空間から緑と赤レンガ鮮やかな町の風景に移り変わった。まるで異世界アニメの始まりの町みたい!
『ようこそマイ・ナンバー・オンラインへ。ここは第一層。大きな町と広い草原がいくつか、そして冒険用の洞窟ダンジョンがいくつかある初心者向けステージです。現在はこの第一層と、現代の街並みを再現した第二層の2エリアが開放されています』
「すごい……これってどれくらいの広さなんですか?」
『第一層・第二層ともに名古屋市くらいの大きさです』
「微妙にわかりにくい!」
『九州なら福岡市、関東なら相模原市、近畿なら舞鶴市くらいの大きさです。東京で表すなら、23区の半分くらいの大きさです』
「なるほど多方面への配慮ありがとう!」
よくできたAIだ。お母さんが高校生くらいの時からAIに何かを学習させるのが流行っていたみたいだけど、ここまで進化するんだね。便利な反面ちょっと怖い。
『それではマイ・ナンバー・オンラインの世界についてご説明します。まずこのゲームには他のゲームによく見られるレベルというものは存在しません。ですので小雛さまも、レベル上げをなさる必要はございません』
「ふむふむ」
レベルがないっていうのは事前情報でわかっていた。何しろかなりの話題作。一応ゲームが趣味な私の耳にはそこそこ情報が入ってきているのだ!
にしてもレベルなしって思い切ったよね。何を目指せばいいんだろう。
『その代わり、このゲームではスキル獲得を目指すことになります。与えられた唯一無二の職業に合ったスキルを、その手で勝ち取るのです。スキルはモンスター討伐、ダンジョン攻略、イベント報酬、ギルド戦報酬など、様々な方法で獲得可能です。中には運の良さも必要になってきます』
「どこでスキルに出会えるかわからないんだね。それはワクワクするかも」
『イベントは不定期に開催されます。メニューのinformationを定期的に確認されることをオススメします。またギルドは3人以上のメンバーから結成可能です。ギルド戦は毎週土曜日の午後20:00〜22:00の間に開催されます。詳細は第一回ギルド戦にてお知らせします』
土曜日かぁ、今水曜日になったタイミングだから、由鶴以外にもメンバーを集めないとだね。まぁ元から出会い目的だし、そこはガツガツ行けばいいか!
『以上が初回アナウンスです。何かご質問はありますか?』
「えっと、私の職業をまだ聞いていないんだけど……」
このゲームで1番大事なもののはずだ。ここで告げられる職業で、今後を大きく左右されるゲームなはずだもん。
『そうでしたね。それでは告げましょう。あなたに与えられた職業は……』
ドキドキする……!
聖騎士、ドラゴンライダー、奇術師にビーストテイマー! あとは大盾使いにネクロマンサーなんかもカッコいいよね。どんな職業が私に振り分けられるんだろう!
『【サンタクロース】です。ご武運を』
「え、…………ええええっ!?」
私の視界が、淡い光に飲み込まれた。
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