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ファーストキスの仕方  作者: 松 宏幸
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第4話 雅也と美佐

オレこと藤堂雅也と彼女となった山田美佐

すぐに会って何かすることは、しばらくなかった。すぐにデートを誘いたい気持ちもあったが、何故か大事に行かなければと思い、慎重な行動となった。何故かは後ろに話す。

正直、彼女が出来た事実に酔ってしまったのと、また、その次はどうしたら良いかが、初めての経験で全く思いつかなかったのだった。

美佐は、勉強もそこそこ出来て、学校から帰って、復習をするようなタイプだったので、あまり迷惑を掛けちゃいけないなとか、

なんか汚しちゃいけないなのような気持ちがあった。

やはり頭の片隅でオレは片親で貧乏で、工業地に住んでいて、美佐とは、違う環境にいる。地域は近かったが、美佐が住んでいる所は一丁目の住宅街で、オレは川沿い線路沿い工場だらけの四丁目で、同じ学区域でもかなり違った。

美佐は一軒家で、屋根が三角の白い綺麗な三階建ての家。勿論お風呂もあって、姉妹3人の5人家族。姉妹が皆んな二文字の似た名前で、由美、美佐、美由。美佐は2番目で次女だ。

オレはボロアパートの四畳半と3畳の畳み部屋。開け閉めするときしむ窓。風呂は無く銭湯に通っていた。ひとりっ子なので二人家族。

明らかに違う環境の人間だった。

なので、どうしても卑屈な気持ちになってしまっていて、美佐とウチは水準が違う。美女と野獣、富豪と貧民、そういうことが頭に離れずいた。

でもだからこそ、美佐が彼女になったことが自慢だった。貧乏でも不幸でも、こんな良いお嬢さんはオレと付き合ってるぜ!と。

それもあってか、オレは美佐には迷惑を掛けたくなかったため、嫌われたくなかったため、あまり会わない、かたちだけ付き合っているような仮面恋人のような付き合い方になってしまっていた。


ぼくらの通っている学校は、部活の入部率が高く、ほぼ全員何らかの部活に入っていた。不良も、勉強しかできなそうな真面目っ子もみんな部活動をしていた。体育系のみではなく文化系も、無線部、軽音部などもあった。

オレは小学校から背が高かったので、6年生の終わりの頃から、バスケ部の先輩がスカウトに来た。中学校に来たらバスケ部に入ってと。中学校に行ったら何かしろの部活をやるのは常識なことは、小学校の頃から認識していたので、皆小学校の卒業前には、オレ野球部入る!とか、○部入ろうかとか何部入る?とかの会話が増える。

中学校に入学してから仲良くなった友達が、サッカー部に入ると言っていて、そこで一度どうしようかなと悩んだ。美佐はテニス部に入った。テニスも楽しそうだったが、(あとモテそうだし)彼女と同じ部というのも恥ずかしいし、藤堂という名前が、「エースを狙え」みたいでこれも恥ずかしいのでテニス部はやめた。そしてやはり最初に決めていたバスケットボール部に入った。最後まで気になっていたのが、ユニフォームが、ランニングのようで、シュートのとき、脇毛が見えちゃうこと。が嫌だなと考えていたのだが、どうやら下にTシャツを着て良いことを聞いたので、決定した。あと、小学校の低学年のときによくあそんでくれたお兄さん岩田くん、岩田けん何とかという名前だったので、イワケンくんと呼んでいたカッコ良い先輩が、バスケ部にいた理由もあった。


オレは体育館で、美佐は体育館前にあるテニス場。時々美佐がボールを取りに来るときに、体育館の出口のところに涼んでるオレと目があったりして、ニコッと顔だけ合図したりした。


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