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ファーストキスの仕方  作者: 松 宏幸
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第1話 ファーストキスのこと覚えてますか?

ファーストキス

この小説を開けたあなた、ファーストキスは終わっていますか?

オレはかれこれ40年ほど前に終わりました。というか50代のおじさんが終わっていなかったら怖いものがあるが。ちょっとその頃のこと思い出して読んでいただけたら幸いです。

今オレ、なぜか病室のベッドに寝ている。右腕には点滴が刺してあり、胸にはモニターの線みたいのが数本付いている。頭の上の方で、「ピッ、ピッ、」と何か鳴っている。下の方は、何か管がつなげられている。

そうか、数時間前に、家に帰る途中にめまいがして、何とか家までたどり着こうと歩いたのだが、家までの道がわからなくなり、迷子になって、どこかわからぬまま坂道で力尽きてしまった。「まずい」と思いスマホを上着からむしり出し、妻に電話をした。「ちょっとオレおかしくなって。ハー、ハー、今、駅からの帰り道なんだけど、○✖▽※」と、今の居場所がわからないが、一生懸命説明した。うまく話せず、とうとう尻をついてしまったところで、記憶が消えた。

「そうか、帰りに気を失ったのか。それでここは病院だな。」

しばらくすると、先生と看護士さんと思われる方々に囲まれて、

「藤堂さん!頭に脳梗塞が見つかりました。あと、脳に内頚動脈に乖離が見られるので、明日検査と一緒に手術します。大丈夫ですから。」

と、人生初めてものすごいショックな言葉を、浴びせられた。

先生らしき人が「大丈夫」と言っていたが、オレは本当に大丈夫なのだろうか。

先生はそう言っていたが、実は気休めに言っただけで、実は、もう死ぬ寸前ではないだろうか。と自分の状況が恐ろしく、不安になった。

その後、テレビのドラマに出ていそうな名女優の看護士役のような人がそばに来てくれて、「足の付け根の動脈からカテーテルというのを使って手術というか治療しますので、検査と同時に行い、時間もそんな掛からないですよ」と教えてくれた。

「ふー、どうやら、助かるのかな」と思って、少しほっとした。

「まだ死にたくない。」「まだやり残したことはあるし、まだまだ行きたいとこもあるし、息子、愛娘もまだ若く、二人の行方もまだ見届けていない。」

半身不随でもなんでもいいから、「生き延ばせてください」と心から心から祈った。

それから、おそらく7時間か10時間かの間だと思う。眠ってしまった。そして長い旅に出かけたような気持ちになった。

「あれ?1回天国に行ったか??なんか母ちゃんみたいな人も出てきたような、、」

母ちゃんは8年前に亡くなっている。

夢だったのか?さだかではないが、少し素敵な映画を見た後の感情も感じる。

なんだ?病院だよな?手を触ってみる。うん、生きてるよな。

脳の病気で一時的にトリップして、何か想うときに、タイムバックしたようだった。。


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