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第2筆 文化祭前夜

 「あ、机そっち並べて」 

 部長である武田彩菜が部員に指示する。今日は文化祭前日なので、その準備をサークル員みんなでしているところだ。うちのサークルでは、部誌の販売ともう一つ、『古本市』というのを毎年企画している。『古本市』とは、その名の通り、各部員がいらない漫画やら小説やらを持ってきて、廉価で販売するという企画である。どこぞのチェーン店のように、古本だけでなく、ゲームソフトやカードゲームまで持ってくる部員もいる。

 「だいたい、これで終わったんじゃない?」

 俺は机の上に置いてある本を整理して並べ、部長に確認する。

 「そうかな・・・そうだね、こんなもんかな」

 部長が教室を見渡して言う。

 「じゃあ、来てくれた人、ありがと。これで解散にします。シフトはこの机の上にファイルに入れて置いとくから、シフトに当たってる人は各自忘れないように教室に来てね!」

 部長が最後に明日からの注意事項を説明して、各自解散となった。これで前日にやることは終わった。帰る者もいれば他のサークルに顔を出す者、また教室に残って部員同士で喋る者もいた。

 「お疲れ様です」

 後輩である2年生の村上君が話しかけてきた。

 「お疲れー」

 俺は挨拶を返した。

 「言葉(ことは)さんって部誌に小説出しました?」

 「うん」

 「後で読みますね!タイトルなんて言うんですか?」

 「『釈迦の流儀』」

 「へえ・・・全然想像できねえ」

 村上君は少し唇を前に突き出して、考えるような顔になった。

 「村上君はなんか作品出した?」

 「はい。『花咲か兄さん』っていうのを出しました」

 「全然想像できねえ」

 俺は村上君の口調と顔を真似てみた。

 「ですよねー。まあ、お互い楽しみに読みましょう!」

 彼は鷹揚に笑った。快活な好青年である。

 「じゃあ、俺ちょっとボードゲームサークルの方に顔出してくるわ」

 俺はボードゲームサークルと兼サークルしているので、そちらの方に行くことを彼に伝えた。

 「あ、はい!お疲れ様でした!」

 彼は一礼して、見送ってくれた。


 俺はボードゲームサークルの方を手伝いに行った後、自転車で30分ほど離れた場所にある家に帰った。

 明日から、文化祭か。去年よりも客が来てほしいものだ。今回書き上げた『釈迦の流儀』は、深いテーマを取り扱っているので、読み応えがあるのではないかと思う。せっかく書いたのに、仲間内で終わるのは寂しい。

 俺は明日、早番なので、日記を書いて11時20分に布団に入った。

 

 

 

 

 

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