あまいものはおすきでしょその2
さて、じょしこうせいあかりとのおはなし「その2」です。
どんなおいしいおはなしでしょうか?
「にゃっ!!」
バン!!
またぞうは、かけ声とともに、ほうきをたたきつけた。
「ギュゥ」
みると、あしもとに、くろいへんなねずみのようなものがつぶれている。
「げ!なにこれ!?」
あかりはとびあがった。
2人は、またぞうのお店の『ねこまたてい』のまえにいる。せいじのお店でかいものをしたので『ねこまたてい』にかえってきたのだった。お店にはいろうとしたとき、またぞうがきゅうに立てかけてあったほうきで店のドアのまえを、たたきつけたのだった。
「アンクニクロネズミだよ。アクマとなかがいいようかいさ」
「こ、これ、つぶしちゃっていいの?ようかいだから、お店のお客さんじゃないの?」
「お客さんなんかじゃないよ。アクマようかいのなかでも、とびきりわるいヤツさ」
「そうなんだ」
「ほら、おむかえがきたよ」
「え?」
みると、つぶされたネズミとおなじすがたのヤツが5ひきほどきて、つぶされたネズミをひっぺがし、またぞうにモンクをいってるようなかんじでキーキーいいながらつれてかえっていった。
「あれは、人やようかいのさいふからだいじなおカネをぬすむ大悪党などろぼうようかいさ。みた目がかわいいでしょ?すごくなかよさそうにちかづいてきて、たのしいファンタジーなゆめをみさせているあいだに、たくさんのお金をサイフからぬきとっていってしまうんだ」
「なにそれ!やだ!」
「みんなきづかないうちにたのしくおかいものとかにいって「やだ!こんなにおかねつかったっけ!?」なんていうときない?それは、このネズミのしわざなことがあるから、きをつけたほうがいいよ」
「わ、わかった!」
「さて、ぼくはせいすいをもってくるからちょっとまっててね」
またぞうは、お店にはいり、ビンに入ったとうめいなお水をもってでてきた。
「これはまんげつのときにボクがかならず作るムーンウォーターさ。あらじおをいれてあるんだよ」
「ふーん」
またぞうがビンのお水を、ネズミをつぶしたばしょにかけると、シュウといって、ゆげのようなものがあがった。
「わ!なんかゆげがでてきた!」
「あのようかいのエネルギーさ。これをのこされちゃうと、あいつらがここから、じゆうにわいてでてくるようになってしまうんだ。だから、しっかりけしておかないといけないんだよ」
「なんか、いろいろたいへんなのね」
「ふふふ、しっかりキレイにしておけばこんなのぜんぜん大丈夫だよ。でも、人もおなじだよ。やつらがみえてもみえなくても、いえとかをきたなくしていると、ああいうわるいやつらが家にすみついてしまうんだ。おそうじってそういうのもあってだいじなんだよ」
「そーなのね」
またぞうはそうあかりにはなすと、ネズミをたたいたほうきにも水をジャアっとかけた。ほうきからもすこしゆげがでた。
「さて、おまたせ!きょうのほんだいにはいろうか」
「オッケー」
2人は店にはいると、キッチンにむかった。
おそろいのかっぽうぎをきている。
「テレテテッテッテッテ♪テレテッテッテッテッテ♪テレテッテッテッテッテッテッテッテッテッテッテ♪」
「ボウおりょうりばんぐみのテーマ曲はいいから、はじめるわよ!」
「えーきぶんだよ、きぶん♡だいじでしょ?」
「ほんと、にんげんがやってるくだらないことすきねぇ。それになに?これ?かっぽうぎ?エプロンじゃないの?」
「かっぽうぎじゃないと油がとんであついし、ふくもよごれるでしょ?」
「へんなところで、いろんなことしってるのねぇ」
「222ねんいきてますから!くだらなくないこともすきなんだよ」
「さ、いいからやりましょ!」
「あかりちゃんて、じょしこーせーらしくないよね、ほんと、かわいいのに、ぜんぜんキャピキャピしてないの」
「うるさいっ」
「ニャア」
きょう、2人はいっしょに、せいじからもらったレシピのおかしづくりをするらしい。
ざいりょう
こむぎこ
きびざとう
バニラエッセンス
しお
ぎゅうにゅう
きぬごしどうふ
ベーキングパウダー(アルミフリー)
「おとうふいれるの?」
「ほかにもレシピもらったんだけど、きょうは、あかりちゃんがいるから、すこしヘルシーなドーナツにしたんだ♪ぼくも、ダイエットちゅうだし」
「おなかでてるもんね」
「これは、ゆめときぼうがつまってるの!」
「にんげんのおっさんみたいなこといってないでよ。ようかいのくせに」
「ようかいさべつ、はんたーい」
2人はやいのやいのいいながら、ざいりょうをボールにいれ、まぜまぜ♪
「おいしくなーれ、おいしくなーれ♪」
おとうふもまぜて、バニラエッセンスふりかけて。
「おいしくなーれ♪おいしくなーれ♪」
もっちりした生地ができあがった。
「わぁ♡もうすでにいいにおい!」
メープルシロップ
ココア
プレーン
あじを3しゅるいにわけ、油でじっくりあげる
ジュワァー♪プチプチ♪
「このおといいよねぇ。いつもあげものするとき、ワクワクしちゃう」
「わかるー♪」
ジュワァーパチパチパチパチ♪
「ひっくりかえして」
ジュワァー♪
「よーし!でーきた!」
あがったドーナツの油をきり、お皿にならべる。
「かんせーい!」
おいしそうなドーナツができました!!
「ねえ、あかりさん?」
「もちろん、きくまでもありませんよ。あじみしますよ、またぞうさん」
「そうこなくっちゃ」
2人は、あげたてをパクリ。
「ハフハフ」
「んんーーー♡」
ふたりはおなじようなおいしいかおをしている。ほんとうにおいしそうだ。
でも、ドーナツは50こもある。
「で、おいしいのはいいけど、こんなにつくってどーすんのよ」
「いつもおせわになってるサトさんとか、せいじくんとか、おにくやさんと、はぎわらさんにもおすそわけしようかと」
「なーるほど。って、はぎわらさんてだれ?」
「ボクがいつもコーヒーのマメをかっているコーヒーやさん」
「へー。そのひともまたぞうがみえるの?」
「そう」
「ふーん」
「コーヒーはドーナツにあうんだよあかりちゃん」
「さ、またぞうさん、そのコーヒーやさんにいきましょうか」
「そういうときは、はなしがはやいね」
「まあね」
またぞうとあかりは、またぞうがよういしていたかみぶくろにドーナツをつめ、まずは、コーヒーやさんにいった。
カランコロン♪
ツバクロコーヒーというお店にきた2人。すこし古いそこのおみせは、『めいじ』というじだいにつくられたたてものらしく、しぶいおみせだ。すごくふんいきがカッコいいと、あかりはおもった。
「いらっしゃい」
「こんにちは、はぎわらさん」
お店もしぶいが、マスターもおなじくしぶくてかっこいいと、あかりはさらにおもった。
「きょうはなんだ?こねこをつれてきたんじゃないのか」
「はい。ともだちとドーナツたくさんつくったからおすそわけにきたんです」
またぞうはそういって、ドーナツが入ったつつみをわたした。
「それはうれしいな。いただくよ。いつものでいいか?」
「はい、あかりちゃんはどーする?きょうはつきあってくれたおれいにおごるよ」
「いいよ、ありがとう。バイトしておこずかいももってるから」
「そお?」
「うん。アイスのカフェオレください」
「OK」
またぞうはここでいつも『ツバクロブレンド』というコーヒーをのんでいる。
「おまたせ」
「んーいいかおり♪いただきます」
あかりは、となりからただよってくる、またぞうの『ツバクロブレンド』の香りがすごくいいかおりだったので、おさとうがはいらない『ブラックのコーヒー』はにがてだが、うまれてはじめて、あれものんでみたいとおもった。
「こちらもお待たせ」
「ありがとうございます。いただきます」
ひとくちゴクンとした。
「おいしい!なにこれ?こんなのはじめてのんだ!」
あかりはあまりのおいしさに、おもわずさけんでしまった。
はぎわらさんがだしてくれた、カフェオレ。
あまりのおいしさにおもわずさけんだあかり。
きっさてんのメニューって、みんなおいしいですよね。パフェや、サンドイッチや、カフェオレ。
みんなも、おとうさんやおかあさんにつれていってもらいましょう!
そして、ドーナツおいしそうでした!
ドーナツの中にはゆめときぼうがつまっているんですよー(たぶん)