表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぼくはねこまたまたぞう  作者: 猫又亭 麻太
あまいものはおすきでしょ
8/14

あまいものはおすきでしょその1

さて、「ぼくはねこまたまたぞう」2しようです。

あまーいおかしをめしあがれ♡

「またぞう!いるの!?」


きょうのゆうがた、あかりがきゅうにおみせに入ってきた。


「わ!」


ゴロンゴロンと、ゆかにまるまってころがるまたぞう。


「あーびっくりしたー。どしたの?」


ゆうはんのしょくりょうをかいにそとへいこうとしていたまたぞうは、ピンクのかいものカゴをもったまま、あかりがはいってきたいきおいでひっくりかえっている。


「どしたの?じゃないよ!いままでどこいってたのよ」

「ちょっとそのへんの山までおしごとにいってたんだよ」

「みせごと?」

「ひつようなときにはね」

「あかりちゃんこそ、なんかようだった?」

「べ、べつに、ようなんてないけど」

「あ、まちがえた。なんかようかい?」

「つまんない」

「えーようかいがいってるのに?」

「ばか!」

「しんぱいしてくれてたんだ」

「……まあ、ね」

「ありがとう」


あかりは、すこしくちをとがらせたまま、うでをくみこたえた。


「かいものいくけど、いっしょする?」

「いくっ」


あかりはまたぞうのおみせのきんじょにすむ、16さいのにんげんのこうこうせい。またぞうとあかりの2人はともだちだ。


うみとやまがちかくにあるまちに、ふたりはすんでいる。そこまで田舎いなかというわけではないが、すごくさかえているわけでもない。こじんまりとしたまちである。

 またぞうのみせは、いつもはしょうてんがいのはじっこのまちはずれにある。「いつもは」というのは、たまにまたぞうのお店はいどうするからだ。

※くわしくは、『きらきらひかる』の章をよむとわかりやすいぞ。


「きょうはどこいくの?サトさんのとこのやさい?にく?さかな?」

「せいじさんのお店」

「やっぱりもういってるのね」

「まあね」

「せいじさんもみえる人だもんね」

「あ、しってたんだ」

「もちろん」


またぞうはようかいなので、にんげんではみえるモノはすくない。またぞうのことをみえる人がやっているおみせじゃないと、かいものができないのだ。

 2人がはなしている『せいじさんのお店』は、いぜん、せいじのおばあちゃんがやっていたおみせだった。おばあちゃんが亡くなったので、まごのせいじがあとをつぎ、おみせをつづけているのだ。そのおばあちゃんは、ようかいがみえる人だった。まごのせいじも、そののうりょくをついだらしく、ようかいがみえる。またぞうはひきつづきおかいものができることになったので、たすかったのだった。


「こんにちはー」

「またぞうさん!いらっしゃい!あれ?あかりちゃんもいっしょだ!」

「どーもー」

「2人しりあいだったんだ、っていうか、あかりちゃんも!?まさか?」

「そのまさかです。わたしもまたぞうがみえるの。だまっててすいません。なんか、いうタイミングがなくて……」


えへへと、あかりはなんとなくごまかした。


「いや、なんか、うれしいっていうのかなこれ。あはは!またぞうさんは、人のともだちもおおいんだね」

「あはは、おばあちゃん、せいじくんにありがとうって言ってたよ」

「なんで?オレばあちゃんになんかしたっけ?」

「お店をついでくれてうれしかったって」

「そんなことか!オレがやりたくてやってんだからいいのにね」

「うふふ。じゃあかいものしていいかな?」

「いいとも!」


またぞうは、あらじお、おさとう、むえんバター、こむぎこ、ベーキングパウダー、こしょうをかった。


「あ!わすれるところだった。せいじくん、おながいしていたアレとどいているかな?」

「あ!アレね、わすれてた!もってくるよ」

「あれ?」

「うんアレ」

「ごめんごめん、はいよっ」


またぞうがせいじからうけとったのは、バニラエッセンスだった。あかりがきいた。


「これどーするの?」

「おかしつくるの」


またぞうは、りょうりがすごくすきなのだ。


「せーじさん、おかしづくりすごくくわしいんだよ。ボク、おかしにきょうみはあったんだ。いつもりょうりはするけど、きほんはおさけのみだから、おかしはなかなかつくることがなくて。いいきかいだから、レシピおしえてもらったんだ」

「へー」


すると、せいじは小さなつつみをもってきた。


「じつはさ、これ、オレがつくったクッキーなんだ!たべてみてよ」


みると、すごくきれいなクッキーだ。あかりは、ひとつつまんでくちに入れた。


「ん!すごくおいしい!」

「でしょー?オレやっぱ天才だな」

「よっ!ししょう!」

「おぅよ!」

「あはは!」


2人はをふり、せいじのお店をあとにした。


「せいじくん、ゆくゆくはお店にようがしコーナーをつくりたいんだって。ぼくもわかいもんにまけてらんないなー」

「またぞう、222さいだもんね」

「あのねー、ねこまたのせかいでは、200さいくらいなんてまだわかいんだよ?ぼくもまだまだこれからさ!」

「いちばんとしうえのねこまたで、なんさいなの?」

「わかんない。ながいきすぎて、じぶんのとしをわかっていないねこまたにしりあいがいるけど、ねこだったころは、きょうりゅうがいたとかいないとか」

「はぁ?」

「ほんにんがそう、100ねんまえにはなしてたんだけど、さいきんおなじこときいたら『そんなことわすれたわ』だって。だから、きょうりゅうのはなしは、ほんとうかどうかはわからないけど、いろんなはなしをきくかぎり、ぼくのよそうでは、4000ねんくらいはまえだとおもうよ」

「4000ねん!?」

「さんごくしはしっている?ちゅうごくにすんでいた、『しょかつりょうこうめい』っていうすごくあたまのい人が、そのねこまたとこどものときにいっしょにあそんだっていうはなしは、ねこまたたちのあいだではゆうめいなはなしだからね」

「ごめん、スケールがおおきすぎてついていけないや」

「そのうちなれるよ」

「なれなくていいわい」

さて、「さんごくし」しってる子いるかなぁ?しらない子は、おとうさんやがっこうの先生にきいてみよう!

「しょかつりょうこうめいってしってる!?」って。

すごい人しってるねぇ!っていわれちゃいますよー!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ