きらきらひかるその3
さて、いたはずのケモノはどこへ?
そして、ゆずととあおいはぬけだしたのがバレてしまうんでしょうか?
ぜんかいのつづきです!
うそ!さっきまであそこにいたのに!?ゆずとはキョロキョロした。
いた!!
いつのまにかあのケモノはとおくをあるいている。
2ほんあしで歩き、2ほんのシッポをフリフリしながらザルをもって、やまみちにはいっていくすがたがむこうにみえた。
「あおい!あいつみえる?」
「あいつって?」
「あそこ歩いているケモノみたいなやつ!」
「どこ?」
「やまみちあるいてるじゃん!」
「はぁ?なんもいないじゃん。それよりそろそろキャンプ場にもどらないと!バレたらやばいよ!」
「そうか、あ、でも…」
「ほら、いこう!」
ゆずとは、あのケモノのことがいろいろ気にはなったが、それでもかえらなければいけないのは本当なので、うしろがみをひかれるおもいで、2人はいそいでキャンプ場にもどっていった。
ハァハァハァ
キャンプ場にもどると、たくさんのこどもたちがあつまりだしていた。タイミングがよく、これからなにかイベントをやるようだ。もう少しおそかったらあぶなかった。
あおいにつれられて、ゆずともそのなかにまぎれてはいりこんだ。どうやら、2人がぬけていたことはバレてないようだ。
キャンプのイベントは、ゆずとがおもっていたよりもとてもたのしく、にぎやかなじかんをすごした。みんなで森のいりぐちふきんをたんけんし、カブトムシやコガネムシやトンボをみつけたり、川でカニを見つけたり、夕方には近くのおんせんまで歩き、みんなでいっしょにはいった。おふろのあとには、キャンプ場にもどってみんなでカレーを作った。ゆずとはにんじんをきり、はんごうでごはんをたき、レタスときゅうりをドレッシングであえてサラダも作った。
キャンプがはじめてだったゆずとには色んなことがしんせんで、外でつくったごはんもおいしくて、たのしいことばかりだったが、やはり、ひるまにみたケモノのことがきになった。
あのケモノはどこにすんでいるんだろう。なんで、あおいはあのケモノをみつけられなかったんだろう。
ゆずとは、ごはんをたべながらいろいろなことを考えていた。
キャンプ1日目がおわるころ、おなじテントにいるあおいが、ねぶくろにくるまりながら、まわりの子にきこえないようにはなしかけてきた。
「ねぇ、ひるま、オオムラサキみつけた?」
「にたようなチョウチョはいたけど、ちゃんとみれてなかったから、オオムラサキかどうかわからないよ」
「じゃああしたのハイキングで、みつけようよ!ぼくもさがすから」
「また、きゅうにどっかいかないでよね」
「もういかないよ、大丈夫だって。やくそくする」
しょうじき、あまりしんようできない。ゆずとはだまってジロリとあおいをみた。
「だいじょうぶだって」
あおいはわるびれたようすもなくニッコリしてもういちどいった。
まあ、あしたはおとなもいっしょだし、あおいもあまりかってはできないだろう。それに……
もしかしたらまたあえるかもしれない。
ゆずとはそう思うと、すこしワクワクした。
「まだおきてるの?もう、ねるじかんですよー」
みまわりのおとなのこえがする。ゆずとはねぶくろにくるまりなおし、めをとじた。
きせきてきにぬけだしたのがバレてませんでした!
そして、カレーおいしそうでした!
さくしゃもカレーがたべたくなっちゃった!
キャンプもいきたいなぁ!