01話 最終回
初めて小説を書きました。
初めてなので何かと読みにくい所があるかと思いますが、自分が出来ることを精一杯がんばったので生暖かい目で見てください。
やぁ。
俺の名前は髙橋 祐樹。
今、俺は雪山で遭難してる最中だ。
…… そこのお前。
そう画面の前のお前、お前が言いたいことはわかる。
「なんでお前いきなり遭難しているんだよ!」
きっと俺もそっち側だったらそう思うはずだ。
というわけで俺がどうして遭難しているかを説明する。
たしかあれは今から何時間前か忘れたが、まあいい。
だって、何時間前なのかなんて些細なことだから。
じゃあまずは俺が飛行機に乗ったところから話すか。
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俺は空港でヨーロッパ行きの飛行機に乗った。
俺にとって飛行機に乗ることは珍しくない。
俺は観光地巡りが好きで何度も旅行に行っている。
少しでも多くの場所へ行くためにLCCに乗ったり生活費を抑えたりしていた。
だから飛行機に乗るのは慣れていた。
乗ってからしばらく待つと、飛行機は飛び立った。
気のせいか、今回の離陸は少し揺れが強かった。
だけどLCCではよくあることなので気にしなかった。
しばらくすると、飛行機の揺れは普段通りに落ち着いた。
俺は現地についてからすぐに観光地を回れるように少しの間眠った。
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しばらく寝ていると、突然吐き気を感じて目が覚めた。
幸い俺の座っている座席は通路側の座席だ。
俺はシートベルトの警告が付いてないのを確認すると、機体後方のトイレへ向かった。
トイレへ着くと吐き気はさらに酷くなり、しばらくこもった。
吐き気がある程度収まると、俺はトイレから出た。
そして自分の席に向かって歩いていると、通路にある段差に躓いた。
その時ぼーっとしていた俺は、そのまま床に倒れてしまった。
「いてっ、何でこんなところに段差があるんだよ」
俺は小さな声でそう言いながら、起き上がろうとした。
すると次の瞬間。
\ バ ー ン /
もの凄い轟音とともに俺の体は床へ叩きつけられた。
俺は思わず目をつぶり頭を腕で守った。
少したってからゆっくり目を開けると、あたりはグチャグチャになっていた。
ひっくり返った座席、落ちてきた荷物棚、床から飛び出した鉄骨。
そういうのが散乱し、機内は荒れていた。
俺は一瞬、何が起きたのか理解できなかった。
しかしこの状況は乗っていた飛行機が墜落したからだとわかった。
こういう時、本当は添乗員の指示で機外に脱出するのだと知っていた。
しかしいくら待っても機内放送が聞こえなかったので自分の判断で脱出することにした。
墜落した衝撃で頭が痛い中、出口へ向かうと、扉が外れていてそこから冷たい風が入ってきていた。
そこから身を乗り出して外を見ると、あたりは一面真っ白な真冬の雪山のようだった。
見渡す限りたくさんの雪でおおわれていて、とてもじゃないが今着ている服装では凍えてしまう。
しかし機内に残るよりはマシだと思い外に出ることにした。
緊急脱出スライドが見当たらなかったのでそのまま飛び降りると、飛行機の主翼が折れているのが見えた。
折れた断面からは遠くからでもわかるくらい大量の液体が漏れていた。
灯油のような鼻に付く臭いで危険な状態だと感じた俺は、急いで走って離れた。
そばにあった小高い丘を超えると、飛行機から大きな音が聞こえた。
\ ド カ ー ン /
飛行機は大爆発し、破片が宙を舞うのが丘の向こう側からでも見えた。
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というわけで今、俺は雪山で遭難している。
おい、画面の前のお前、なんか言いたそうだな。
なになに?「よく生き残ったな」って?
はっはっは、本当にそうだ。
これぞまさしく『九死に一生を得る』だな。
日頃の行いが良かったのかな?
…… やっぱり駄目だ。
今の状況を物語っぽくして、気を紛らわそうとしても無理だ。
こんな絶望的な状況では、いくら現実逃避しても不安を紛らわすことができない。
まあこんな否定的なことを考えても仕方がないし、今は生き残るためのことをしよう。
どこで聞いたかは忘れたけど遭難したら山を山を登った方が良いって聞いた。
だから今はずっと山を登ってる。
ただ普通の長袖長ズボンだから、どんどん体が冷える。
寒い……。
真冬日に半袖短パンで外に出るくらい寒い。
実際にやったことはないけど。
とりあえず、この強い風をしのげるところに行こう。
あたりを見渡すと近くに大きな岩があった。
この岩なら風を遮って、寒さをしのげるかもしれない。
岩のそばに腰を下ろして山の下の方を見ると、乗ってきた飛行機が見えた。
飛行機からはまだ煙が出ている。
遠くにいるせいでよく見えないけど、おそらく救助は来ていない。
4月も終わる頃なのに雪が積もるくらいの場所だから遅れてるのだろう。
とにかく今はここで救助が来るのを待つのが良いだろう。
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しばらく待っていると急に体が暑くなってきた。
嘘だろ?
ここは雪山なんだから明らかにおかしい。
あ、そういえば凍死する直前に寒いのに暑く感じる現象があったはず。
確か矛盾脱衣だっけ?
まあ名前なんかどうでもいい。
俺は体を温めるために立って足踏みを始めた。
飛行機の方を見たが、救助はまだ来ていない。
俺は死にたくないので必死に足踏みをした。
すると足元の雪が崩れ、俺は下へ滑り落ちた。
なんとかならないかともがいたが雪山はそんな甘くない。
雪山は1度滑り出したらぶつかるまで止まらない。
落ちる先を見てみると谷があった。
谷に落ちたら今度こそジ・エンド。
ダメだとわかっていたが俺は必死にもがいた。
しかし止まることができず、そのまま谷へ落ちた。
谷の下には雪が積もっていた。
その雪のおかげで俺は一命を取り留めた。
しかし谷は深く自力では到底登れそうにない。
俺は体のだんだん感覚がなくなり頭も回らなくなっていた。
自分に活を入れるため大声で言った。
「くそっまだ何かできるはずだ。頑張るんだ俺」
だが大声を出すことに意味が無いことは分かっていた。
大声を出した後、やっとの思いで立ち上がった。
そして壁に手をつきながら出口を求めてよろよろと歩き出した。
ふらふらと歩いていると、すぐ谷の端についてしまった。
「うそだろ……。」
うすうす気づいていたが、端についても登れそうにない。
だけど、登らないと救助が来ても助からない。
俺は決心してやっとの思いで谷を登り始めた。
しかし既に体力をかなり消耗していた俺は、1~2m登ると力尽きて下に落ちてしまった。
幸い雪のおかげで落下の衝撃はほぼ感じなかった。
けれど俺には、立ち上がる力さえ残っていなかった。
「死に……たく……ない……。」
俺はやっとの思いでつぶやいた。
もちろん誰も聞いていないことはわかっていた。
だがこれが俺にできる最後の抵抗であった。
そして俺は意識が遠のき、長い眠りについた。
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私の名前はアリア。
研究所の助手をしている。
この山はエベレスト。
世界で一番高い山。
私は今、研究のために古代人の遺体を探している。
ここを理由は、年中冷たくて腐らないから。
実際この近くで青銅器時代のミイラが見つかったらしい。
だけどなかなか見つからない。
簡単に見つからないのは仕方がない。
だって本当にあるかも分からないから。
今まで文献から見つかる可能性が高い場所を探してきた。
だけど古代人は今までほぼ見つかっていない。
たとえ見つかったとしても状態が悪くて研究には使えなかった。
なのでこれまで1体しか研究に使える遺体は見つかっていない。
日が沈んできてるし、もう少し探したら博士の所に戻ろう。
いつ監視が来るかわからないし。
とりあえず最後にこの辺を掘ってみる。
特に理由はないけど。
私はスコップで雪を掘った。
すると雪ではない何かを見つけた。
布のような材質。
もしかしてこれは人?
私はそれを傷つけないように掘り出した。
やっぱりそう。
しかも服装からして古代人で間違いない。
見た感じ状態も良さそう。
これなら研究に使える。
そう思いながら私は古代人を研究所へ持っていく準備を始めた。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
実はこの先の話は大体考えてあったのですが導入の部分、つまり今回の話を考えるのが大変でした。
なぜ大変だったのかは、この先の話につなげるためにとある条件があったのですがその条件を満たす物についてあまり知らなかったんですよね。
この話も自分の知識不足可から何かと違和感があると思いますが所詮素人のお遊びだと割り切ってもらえたら幸いです。
出来ればアドバイスがあった方がうれしいですが…おそらくこの後の話はこの話と時代設定が全く違うので、できれば次の話からアドバイスを言ってもらえた方がうれしいです。
\ ボ ナ ー ン /