第5話 結び付く3本の糸
少し長いかもです
昼休みになった。
俺は中学の時は基本クラスの友達と自由に食べて良い、という学校だったのだが、なぜか幼なじみである佳祐と南乃花とずっと一緒のクラスでご飯の時もその3人で食べていたのもあるのか分からないが友達が少なかった。
部活は帰宅部で直ぐに帰ってたからな。
まぁ、そういうこともあり高校では3人じゃなく別の奴とも食べてみたいと思っていたが今回も3人とも同じクラスだったので結果は
「和くん、お昼食べよー?」
「和也、昼食べよーぜ」
こうなった。
「あぁ、2人とも、いいぞー、佳祐後でRINNEで相談した話話すぞ」
「うぃっす、了解」
「えぇ、なになに隠し事ー?私にも教えてよー」
「んー、後で教えるよ、というか南乃花、お前また俺達と一緒にご飯食べてるけど他の女子とかとは食べないのか?」
「なんか和くん達っていつの間にか変なことやってるから監視が必要でしょ?…それに」
「それに?」
「ううん、何でもないよ」
「変なの」
そうやって俺達の平和でほのぼのとした昼食タイムが終わった。クラスで1番早かったが。
「佳祐、行けるか?」
「おー、良いぞー」
「俺、場所分かんねーんだけど」
「え、和也って告られたことないの?」
「は?高校生活始まったばっかりなのになんで告られるんだ?」
「南乃花が大変なのがよく分かる言い返しだな」
「?なんで南乃花が出てくるんだよ」
「本人に聞けば良いじゃんか」
「そうするわ」
めんどくさいから聞く気ないけど。
あ、そう言ったら佳祐のやつ慌ててたけどなんでだろーな。
そうして歩いていると佳祐曰くの告白スポットにやって来た
「確かに人がいないな」
「いつ、誰が来るか分かんないから、あっちな」
「了解」
風が少し吹いてるから寒いな、中に着てこればよかった。
ま、いいか、俺は佳祐に独り言を話すように話しかけた。
「俺さ、魔法使えるようになったんだよね、あの休んだ日から」
「良いことじゃんか、おめっとさん。でもなんで休んだんだ?まさか」
「そう、なんか魔力枯渇したみたいでぶっ倒れた」
「いつも考えなしに行動するなよ」
「その話は後でいいか?まだ話すことがあるんだ、置いとくぞ」
「この話じゃ無かったのか、良いぞー、どんどん話せ」
「お前からしたらだいぶおかしいと思うが最後まで聞いてくれよ」
俺は以前魔法なんて存在していなかった世界からある日こちら側の魔法の使えるようになった日にやって来た事を話した、それからの事もだがな
「──という事だ」
「信じられねーな、その話」
やっぱりダメだったか、流石に
「でもな」
「?」
「俺、お前のこと信じるわ、なんか本気で言ってそうだし。
あとなお前さ、ずっとその事1人で抱え込んでたんだよな?なんでもっと早く相談しなかったんだよ、俺は何度も助けられたし何度も助けた、そんな仲だろ?なんで信じなかったんだよ!」
「俺だって色々悩んだんだよ!どうやって過ごしたら良いのか分からなかったし、今だって変化した世界ではどうなってるのかも分からないんだよ!」
でも
「俺はお前を信じた、だって俺の一番近くにいる親友だろ?」
少し声が震えてしまったが言えた、最後まで
「そっか」
その後は少し気恥しい感じになっていた俺はどうにか平常心でいたと思う、佳祐にとっては分からない、だがなんだか俺達2人の蟠りが解けた気がする。
それから佳祐はこの世界について話してくれた
魔法のことやこの辺りのこと、、以前とほとんど変わっていないがとりあえずメモを取っておいた。
いつも通り色々なことを知っているな、と思いながら色々とメモを取っていると話してる途中呆れたように俺を見てる気がして顔を上げるとやはり呆れた顔があった。
「なんだよ」
「いや、これで気付かねーもんなんだなって思ってよ」
「ん?」
「いや、だってよ俺って客観的に見ても平凡だろ?でもなんでこんなに情報持ってると思う?」
「んー、昔からお前そんな感じじゃなかったか?なんか、いつの間にか情報持って現れてたし」
「昔つってもなぁ、俺はそれ知らねーし。だけどその時より俺の情報正確じゃねーか?」
確かに
前の佳祐だったらガセの情報も俺に伝えてきて散々な目にあった。だがこちらの、変化した後の彼はガセの情報はまだない、なんでだろ
「あぁ、確かに正確になってるよ。何でなんだ?」
「和也これでも分かんねーのか!?あ、変化した世界?だからこうなってるって言えばわかるか?」
「分かった」
「ようやくかよ」
肩の力を抜きホッと一息を付いている佳祐に
「お前のあがり症とかコミュ障が少し治ったんだな、おめでとう」
こう言った、そしたら
「いや、まずコミュ障とかあがり症じゃないし?つか、和也の世界の俺ってどんな奴だったんだよ…」
「ん?そのまんまだぞ、色々とあるが聞くか?」
「精神的にズタボロにされそうだからやめとく」
「ん、了解、じゃあこの世界の話に戻して続けてくれ」
「いや、まだ終わってない」
「え?」
「俺気づいてると思ってたんだけどなぁ、まぁいっか、和也だし。俺さ和也と同じで魔法使えるんだよ」
驚いた、佳祐も使えるなんて
「マジで?」
「マジだわ」
「和也の事信じてるから言うな、誰にも言わないでくれよ、言ってないんだから。
なんか俺の魔法は情報を集めるのに特化してて多分和也の言う変化する前の世界?が関係してると思うんだけどな、あと俺引っかかった話があるんだよな」
「ん?引っかかった話って?」
「林先生の話だよ。あの仮説合ってる感じがする。そんな気がするんだ、なんだか分かんないけど」
佳祐もだったのか
「あぁ、俺も林先生の話した仮説、あってると思ってる。だってよ魔語がなくても俺ベットごと浮いてたんだぜ?」
「お前何やってんだよ!?というかそれで証明されてんじゃんか!あの仮説が合ってるって!」
言われてみればそうだったわ、確かに先生の言っていた仮説は合っていた。だが、それを信じる人は今は少ない
あ、良い事考えた
「な、佳祐」
「ん?」
「部活作らないか?林先生に顧問を頼んで、俺達で」
眉を八の字にさせて困ったような顔でこちらを見る
「本気で言ってるのか?確か部活を作るには顧問と部員4人が必要なんだぞ?あと2人どうするんだよ」
「私がその部活入るからあと1人、だよ?」
急に声がして声のした方を覗くと俺たちを南乃花が見ていた
「南乃花、どこから聞いてた?」
「和くん達が部活作ろうとするところかな?少し待ってたんだけど全く戻ってこないんだから心配したんだよ?」
「南乃花、ごめん」
「南乃ちゃんごめんよー」
「2人が遅くなったり、変なことをするのは慣れてるから大丈夫だよ、あ、あと多少ヘンな噂流れてるみたいだったから帰るとき私もいた方が良いかなーって思っただけだよ」
やっぱりここ告白スポットだったんだなぁ
「いつもごめん、本当にありがとう。
な、佳祐、南乃花にさ、部活内容教えるためには俺達のことも言った方が良いんじゃねーか?」
いつにも増して佳祐は真面目な顔で南乃花に向かって聞いた
「南乃ちゃん、本当に俺達が作る部活に入る?」
「うん、だって2人だとなんか、心配なんだもん。それに楽しそうだしね、後ね、私も2人に秘密にしてたことがあるの」
「ん?彼氏でも出来たのか?」
その場が凍りついたように動かなくなった、なんでだ?
渋い顔で俺の方を見てくる佳祐と少し焦ってる感じのある南乃花がそこにいた。
んー、なんでだろう
「…あちゃー、あの様子からして色んな事に無頓着だと思ったら案の定か、南乃ちゃんこいつ全く気づいてないから大丈夫だぞ?」
少し落ち着いたのか南乃花が言い返した。
「佳祐くんそれ大丈夫って言わないよー」
少し涙目で返した南乃花を見て、 少し可愛いと思ってしまった。
忘れよう。
よし、なんか固まってたのがなくなったな、佳祐、ナイスだ。ん?なんか南乃花が俺の方向いて真剣な顔してるぞ?何話すんだろ。
怒られない、よな?
内心ビクビクしているのが分かったのかかなり優しい声で
「和くん、怒ってないから安心していいよ。後ね、私彼氏なんていないよ?それに秘密にしてたのはね、私、実は魔法が使えるの」
え!南乃花も!?
てことは俺達全員使えるってことなのか、あれ佳祐はあんまり驚いてないな、なんでだろ
「和也、俺がどんな魔法に特化してるのか忘れたのか?」
あ、そっか《情報》に特化しているから南乃花の情報も掴めてたってわけか
「えっ、佳祐くん魔法使えたの!?」
「あ、うん」
あ、南乃花にも言ってなかった事なのか。んじゃあ本当に俺が最初なのかもなと思うとなんだかあったかくなった
「秘密の話ってこの事だったんだねー」
「いんや、俺なんかより和也の方がさらに秘密だぞ?内容は」
「和くんの方?この話の流れ的に魔法が使えそうだけどそれ以外もあるの?」
「あるぞー、んじゃあ俺が話すな、たぶん和也もう1回言えって言っても無理だろうし。実はな──」
ふぅ、話が終わった。これを聞くとなんか疲れるな。
いや、話してない分疲れないんだと思うけど
「…和くん、佳祐くんの言ってたことって本当?」
「ん?ホントだぞ。俺もさっき言ったしな、んでどうする?南乃花は、俺のこと信じるか?信じないとしても無理矢理この部活には入れるがな、あと、この話は他の奴には言わない方が良いと思うぞ」
俺は言った事実を他の奴に広げる気はない。
だっておかしいだろ、普通に考えたら。自分と違う魔法の使えない世界から魔法の使える世界にやってきた幼なじみなんて。
俺のことを信じてくれた佳祐には本当に感謝するが南乃花はまだ分からない、彼女は俺達と違って友人が沢山いるからなぁ。
「私、和くんの事信じてる、昔からずっと。
でも少し待ってほしいかな、ちょっと心の整理が出来ないの、ごめんね」
悲しげな顔で俺を見上げてきた南乃花に俺はなんて話しかけていいのか分からず突っ立っていた、俺は毎回ヘンな事をして南乃花や佳祐に助けられてきたと思う、まだ信じきれていないがな。
だがこちらの世界での俺は違ったのだろうか
「なぁ、佳祐、俺や佳祐や南乃花の家族が全員でキャンプ行ったの分かるか?」
「急にどうしたんだよ、確に昔1回行ったな、それで」
「その答えをさ、3人で言わないか?」
「え?」
「は?」
2人の声がハモる
「なんか言いたい気分なんだ」
「私は良いよ、それ。いつもの和くんっぽくって」
「俺もそう思うからいいぞー、タイミングは?」
「俺がせーのって言ったらで良いか?」
2人とも同時に頷いた。
「いくぞ、せーのっ」
『和くんが川で溺れたの
和也が川で溺れたんだ
俺が川で溺れた』
2人とも俺の方を見てびっくりした顔をしていた
やっぱりか
「俺思ったんだよね、この魔法が使える世界と魔法が使えない世界ってただ魔法がないだけで同じように生活してきてるんだなって。それにさ、昔は2人も魔法使えなかっただろ?だから俺と同じような生活していたんだろーなって」
だから、もう気にしない、前の俺の住んでた場所、だって今の俺の場所はここだから、それに、ここにだって佳祐や南乃花がいるからな。
昔みたいにもう1人じゃない
「珍しく良い話したな」
「佳祐くんに同感だよ」
「なんだよ、それ」
俺達は昼の飯を食べてる時のように和やかに笑った
その後南乃花は、こう言った
「さっきの和くんの話聞いてね、やっぱり和くんだなーって思ったの、だから私も今まで通りに和くんと佳祐くんと話すことにする!それとね、私もやっぱり和くん達と一緒の部活にするよ強制じゃなくて、自分で入る!」
「部活に自分から入ってくれるってことはここでの秘密話を共有しちゃダメだぞ?他のやつに、まぁ、強制でもダメなんだが、本当に良いのか?」
「うん、だって一番の友達は和くんと佳祐くんだもん」
「そっか、ありがとう」
少し間を開けた後南乃花がいきなりこう言った
「ねね、指切りげんまん、しない?」
「急だね」
「急だな」
むくれた南乃花が声を大きくして言った。
「いつも急な2人には言われたくないよ!これからどんな事があっても私たち3人は絶対に裏切らないって約束したいなって、もう1人も信頼出来てまだ部活入ってない子がいいよね」
「俺、1人しか思いつかないんだが」
「和也、珍しく意見が合ったな俺もだ」
「大丈夫、多分私もその人だよ」
後で勧誘しに行ってみようと俺達3人は決めた
『指切りげんまん嘘ついたら針千本飲ーます、指切った!』
こうして俺達三人は結び付いた。




