モノローグ
この宇宙はどこまで広がっているのだろうか。
きっと普通の人間には知る由もないだろう。それでも知りたいと思いながらも無自覚に諦めている人も多いはずだ。
答えはもっと身近にあることも知らずに.....
「──って昨日読んだ本に書いてあったんだよ。俺心に響いちゃって夜も眠れなくってさ!」
「正人はいつもいつもすぐに影響されちゃってまったく困ったもんね。大体どこでそんな本見つけたのよ?」
「見つけた場所なんて関係ない。重要なのはこの本の素晴らしささ。遥香だってそう思うだろ?」
「はいはい。そうですねー。まったく天文部なんだから少しぐらい星を観なさいよね」
自分は適当に頷いてみせた。
「こんな日々が毎日続けばいいのになぁ...」
「そんなの無理に決まってるでしょ。幸せが続くことなんてありえない...。それに、もう私達は何度も経験してるじゃない」
「そうだな...。毎日幸せだといつかはそれは幸せじゃなくなってしまう。人は常に上を目指しているからね」
いい事を言ったなぁと思い少し自慢げに笑ってみせた。
完璧にスルーされてしまったが...
「とにかく、正人も気をつけることね。いつ誰が襲ってくるかもわからないんだし」
「ああ。わかってる。」
遥香は忠告はしといたからと1人で帰ってしまった。
心配なら一緒に帰ってくれてもいいのに...
──その日の帰り道。僕の人生を一変させるであろう物語が幕を開ける...