人間形成
「敦子ちゃんはどれが食べたい?」「敦子のジュースの方が少し多い」「敦子ちゃんはワガママ言わないいい子だね」
………別に何も興味ないだけだけど。
「なんで敦子ばっか誉められるわけ?内孫でもないくせに」
「敦子ちゃんは沢山習い事してるもの将来期待しないとね」
………煩い煩い煩い煩い煩い煩い煩い煩い
張り合うか、やっかみしかできないの?
本を読んでも、会話をしても理解できない貴女達がオカシイの
なんだかんだ幼稚園も卒園し、いざ小学校
敦子は友達を作る方法を知らなかった
要らなかったから、ガヤガヤ集団で同じ意見じゃなきゃならない
そんな連中と好きでもない鉄棒で、遊ぶより独り空想に耽っていた方がいい。
しかし、親と言うものは人目を気にする
「自分正義!娘に友達を作ってやった」
なんて、お気楽極楽なお考えなのだろう。
そこから彼女の「いいなり人形」が出来上がった。
全てのスケジュールから友達選びまで、徹底した管理
私は、それが「当たり前」だと思っていた
そんな敦子11歳
ワガママを言ってみる「吹奏楽部に入りたいんだ」
案の定、彼女は「勉強に支障が出る」と、渋ったが周りの従兄弟達が援護してくれたから、通うことが許され
生まれて初めて[フルート]を手にした、敦子またに天にも昇る気持ち。
ここで閑話~敦子攻撃性に目覚める~
夏休み祖父の家で、せっせとパートの音だしをしてた敦子
そこに彼女襲来
「なんでおんなじ所ばっか弾いてんの?それしか出来ないってこと」とな
敦子の中で何が切れた
気がついたら、従兄弟に羽交い締めにされながら、涙を流してフルートを彼女に振り上げていた
そんな夏の思い出