STORY:02
その日、私 刹那 鏡弥17歳(やけに説明的だな)は、いつもと変わらない日常を満喫していた。
中々広いマンションに1人暮らしをしている私は自由だ。
両親が海外で中小企業の社長をしているからだ。
仕送りもけっこう送ってくれるから、お金には不自由しない。
・・・まあ、親が働いてくれたお金だから必要以上は使わないようにしているけれど。
「あー・・・ヒマだなあ」
呟くと、私の言葉は空気に混じってとけた。
本当にヒマだ、ヒマすぎる。
普通なら学校があるだろうけど、生憎私は高校はやめた。なんだか飽きてしまった。
そもそも私は女子ってなんか苦手なんだ。キャピキャピしてて、噂話が好きで、苦手。
人の噂をして何が楽しいんだと私は思うわけだ。
と少し感傷的になっていると、私の目の前で大きな光が現れた。
・・・なんだコレ!
「うわあぁぁあ何ですかコレ!ドッキリ企画ですか!!」
おおお落ち着け私!とかなんとか言っていると光は消えた。・・・と思ったのもつかの間、私は驚きで声も出なくなった。
「うおッ、なんだよココどこだよおいミヅキ!」
「え、ししし知りませんよそんなの!
あ、ちょっとクレイどさくさに紛れて今私の髪の毛引っこ抜いたでしょう!」
「あー暑苦しいー!ルイーどうしようお兄ちゃんは死にそうです」
「ミヅキ、いい加減にしてよね?
僕そろそろ堪忍袋の緒が切れそうなんだけど。
それと兄さんあんまりうるさくすると刺すよ?」
・・・・・・・・なんですかコレェ!!
見知らぬ男が四人(美形ぞろい!そして1人なんか黒いよ!)がなんか団子状態だんですけど!
とかなんとか考えている頭をそっちのけにとりあえず私は叫んでみた。
「キャァァァァ!変態下郎共が今ここにィ!
誰か助けてェェェ!」
・・・と叫ぶとあら不思議、ヒーロー登場!なんてことになる筈もなく、男四人は目を見開いて私を見てきた。
「ちょ、俺ら変態じゃないんですけどォ!
お姉さん勘違いにも程があるってェ!」
フリーズ状態からいち早く回復した男(多分クレイって呼ばれてた人)が必死になって否定してきたけど、そんなの関係ねえ!(某芸人風)
「黙らんかい変態!っていうかどうやって入ってきた貴様らァァァ!
お前らあの・・・そんなことしたらアレ・・・アレやるぞォ!」
「アレってなんだよお前ェェェ!!」
「くっそう変態のくせにツッコミが早い!合格!」
「何がだよォォォ!」
なんかコイツとは上手くやっていけそうだ!と意味不明なことを考えながら私はあとの3人を見ると、
もの凄くきょとんとした顔でこちらを凝視していた。(まあ当然のことだ)
「・・・で、なんですかあなた達」
「えええ今のやりとりスルーですかスルーですか!」
(多分)クレイとか言う人がギャーギャーと騒いできたから「うぜえ」と言うとその人は「ありえねえ!」と叫んでから黙った。(なんだコイツ)
そして黙ったかと思えば、また口を開いた。
「俺はクレイ、16歳の剣士!」
「私はミヅキ、26歳の魔剣士です」
「オレはレイン18歳の・・・武道家?まあ肉弾戦向き!
ちなみにルイとは兄弟な!」
「・・・君たちもうちょっと用心深くしなよ
はぁ・・・僕はルイ、15歳の魔道士だよ
ていうか兄さんとは義兄弟だよ」
順番にクレイは青っぽい黒の髪の毛に、スカイブルーの瞳
ミヅキはシルバーの鎖骨あたりまである髪の毛に色素の薄いグリーンの瞳
レインは黄色っぽいオレンジの短髪に、うすい茶色の瞳
ルイは長めの漆黒の髪の毛に、真っ赤な瞳だ。
・・・・おかしいだろ!
「やっぱ変態じゃんんんん!!
い、いやあーたすけてー」
「思いっきり棒読みじゃねえか!」
やっぱりナイスツッコミ、クレイくん!!