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(一 空)

(にのまえ) 空)


 ボクが、ちょっとだけ、自分を偽ってるから、桜の不安定さに気付くのは早かったと思う。

 でも、相手は女の子だからどう立ち回ればいいのかわからなかったけど。


 うーん。

 とか考えてたら、桃香が桜をおもちゃにし出した。

 桜はどう考えても勝てない桃香につっかかっていっては玉砕していた。


 ついでにボクもおもちゃにしているうちに、桜がボクをありのまま受け入れてくれることに気が付いた。


 なんでか、ボクは笑ったりすると馬鹿にされることが多い。別に普通だと思うんだけど、普段表情筋を動かさないからかもしれない。馬鹿にされるだけじゃなく珍しくされたりするのも嫌だった。


 そんな中、桜だけは笑わずにボクに向き合ってくれた。


 だからこそ、キリヲの告白を運命の一言で切り捨てた桜が信じられなかった。


 人の痛みがわかる桜が、どうして、こんな残酷なことを言うんだろう。


 しかもボクら全員が、ボクら全員の『好き』が運命の神様のいたずらだなんて。


 桃香に抱きしめられ、本気で泣き出した桜にボクができることは何もない。


 何も。


 ぎしりと心の奥が痛んだ。


 シン先輩たちとドアに隠れて聞いた話は、ここが漫画の世界だってこと。

 それから、ここにいるボクら全員とエッチなことをしないといけないと言うこと。


 ばん、と先輩がドアを開いた。ボクも一気になだれ込む。


「桜、駄目だ! そんなの駄目だ!」


 桜の望まない関係を持つぐらいなら、こんな世界はいらない。

 桃香の言うとおりだ!


 ボクも今が一番楽しい!


 今、無くなっても何一つ後悔がないぐらいに!

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