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ある子猫の回想  作者: 東風
17/24

1歳(冬から春の巻)

予約投稿するのを忘れていました。

ダラダラ感が半端なくなってきましたが、読んであげて下さい。

 秋も終わる11月に入って、マサさんがやっと退院して家に帰ってきてくれました。


 一ヶ月以上入院していた事もありますが、一度は心臓が止まってしまったのですから、お医者さんも体の調子が戻るまで1週間くらいは家でのんびりするようにと言っていたそうです。


 ただ、マサさんは病院では安静にしているように言われて、ほとんどの時間が寝たきりだったので、家に帰ってずっと起きているのが辛そうです。


 折れた胸の骨もまだ治っていないのでゆっくり動かないと大変なようですし、咳をしたり笑ったりするのも痛くて出来ないと言っていました。


 だったら布団で寝ていればいいと思うのですが、布団のある部屋にはテレビもないし、病院のベッドと違ってスイッチ一つで体を起こしてもくれないので本も読めないと言います。


 それに来週から仕事に戻るので、起きている状態になれないと仕事にならないから、がんばって起きているんだそうです。


 僕もマサさんにだっこして貰うのを遠慮して、座っている膝の上で寝ているだけにしています。


 北の国では11月になると風も北から吹く事が多くなって、家の周りの木の葉はすっかり黄色や赤色になって、だんだん散ってきます。


 僕にとって2回目の冬が来るのですが、この寒さでマサさんの具合が悪くならないか心配です。


 アヤお母さんもマサさんのことが心配そうです。


「ほんとうに、もう少しのんびり体を休めた方が良いのにね。又倒れることになったらと思うと心配だわ。」


 アヤお母さんは、この家の人たちの中でもトモさんとマサさんが特に大好きなので、本当に心配しているのだと思います。



 そんなこんなで、あっという間に1週間がたち、マサさんが仕事に出かけるようになりました。


 久しぶりに仕事に行ったマサさんですが、夕方になって帰ってきてみんなと話しているのを聞くと、やっぱり椅子に座ってお仕事をするのもだいぶ辛いということです。


「久しぶりに事務所に行ったけど、パソコンの前で1日座っているのはまだきついな。」


「それはそうでしょう。まだ胸の骨だって治っていないんだし、慣れるまでしばらくかかると思うわよ。」


「それはそうなんだけどね。さすがに現場に入るのは仲間達だけじゃなくお客さんにもに止められているし、パソコンで書類を作る仕事位しかやることがないから結構眠くなるんだよ。」


「病院では眠いときに寝ていられたけど、事務所で寝ているのはまずいでしょ?」


「あははっ!そりゃあそうだよ。でも、元通り仕事が出来るようになるにはまだ当分かかりそうだね。」


 まだまだ、大変なようですが、マサさんも笑っていますから大丈夫でしょう。


「ねえ、アヤお母さん。あんなに大変なのに、なんでマサさんはお仕事に行くのかな?」


「それはね、マサさんはこの家のお父さんだから、この家の人たち全員を食べさせなければならないからよ。その全員の中には私たち猫も入っているのだけれどね。」


「そうか。僕たちもご飯食べさせて貰っているんだもんね。みんなのご飯を食べさせるなんて、本当に大変なんだね。」


 アヤお母さんに教えて貰って、改めてマサさんの大変さが判りました。


 そういえば、マサさんが入院している間、僕のご飯がいつもより美味しくなかったのは、そんなことも理由の一つだったのでしょう。



 ところが、マサさんが仕事に行けるようになって、ようやく普通の毎日が戻ってきたと思ったら、11月の中頃になって、今度はイッちゃんの具合が悪くなりました。


 これまでも、時々胸や喉が痛くなって、いつも行っている遠くの病院で見て貰ったのですが原因が全く判らなかったのです。


 その痛みがひどくなってきたので、マサさんが入院していた病院のお医者さんに相談して、一度検査入院してしっかり見て貰う事になりました。


 そして、1週間の検査の結果、胸や喉には異常がなかったのですが、お腹の中に大きな出来物があることが解りました。


 それほど悪い出来物ではないそうですが、その為に体のあちことが痛くなるのではないかというのです。


 かなり大きくなってしまっているので、手術で取り出すしか方法がないという話ですが、ここで、いつも行く遠くの病院で手術するか、このままこの病院で手術するかが問題になりました。


 相談したお医者さんによりますと、ちょうど、その出来物の手術を専門にしているお医者さんが、来月病院に来る事になっているという事で、それならばとイッちゃんはそのまま入院して、専門のお医者さんが来たら手術してもらう事にしました。


 やっとマサさんが退院したと思ったら、同じ病院にイッちゃんが入院するという事になったのです。


 痛みがひどいので痛み止めの処置を行う必要もあって、2週間近く入院することになったイッちゃんの為に、マサさんは色々持ってお見舞いに行こうとしました。


 でも、入院した病棟がマサさんの入院した病棟と違って管理の厳しいところで、その上女性用の病室ばかりでしたから、マサさんは中に入ることが出来ず、お見舞いは主にノンちゃんやトモさんが行くことになりました。


 特にノンちゃんはイッちゃんに頼まれてパソコンやDVDや本を持って行ったり、マサさんに持って行くように頼まれたお見舞いの物を持って行ったりと、家と病院の間を行ったり来たりして大変なようでした。


 そのまま2週間が過ぎて12月に入ると、専門のお医者さんが病院に来ました。


 早速、そのお医者さんがもう一度イッちゃんの検査をしてくれて、その結果を教えてる為にマサさんが呼ばれました。


 このときだけはマサさんも病棟に入れて貰って説明を受けましたが、やっぱりお腹の中の大きな出来物が有るので、手術で取るしか方法がないということでした。


 ただ、出来物が悪い物か悪くない物かは手術してみないと判らないと言われて、マサさんは心配になったそうです。


 万一、悪い物だったら、手術してもイッちゃんが直るとは限らないからです。


 どちらにしても手術しないとイッちゃんが危ないので、マサさんがすぐに同意して、直ぐに手術が行われることになりました。


 僕は病院に行くことが出来ないので、いつも通り家で寝ていましたが、手術は結構時間がかかったようで、終わるまで長い時間マサさんも待っていたそうです。


 手術が終わった後、お医者さんがイッちゃんのお腹の中から取り出した出来物をマサさんに見せてくれたそうですが、いきなりピンポン球より大きな出来物を見せられたマサさんは少し気持ちが悪くなったといっていました。


 手術は無事に終わり、取り出した出来物を調べた結果、悪い物ではなかったそうで、マサさんもほっとしていました。


 その後、手術後の回復を待って、イッちゃんの入院は12月終わりまで続くのでした。



 やっとイッちゃんが元気になって家に帰ってきたときは、もうクリスマス前日で、ノンちゃんがいそいで作ったケーキや、トモさんが買い込んできたお料理ををみんなで食べてクリスマスを祝うことが出来ました。


 僕たち猫も、沢山ご馳走を食べさせてもらえたし、みんながそろってクリスマスが出来て、とても嬉しい日でした。


 その後は、去年と同じようにマサさんとトモさんががんばって家中を掃除したり、新年のお節料理の準備をしたりして、何とか、家族みんなで除夜の鐘を聞きながら新年を迎える事が出来ました。


 この一年間は春から色々ありましたが、トモさんも入院したり、マサさんやイッちゃんも入院するという滅多にない事が起きて大騒ぎになったので、来年は落ち着いた良い年になりますようにと、マサさん達も僕たちも除夜の鐘を聞きながら願いました。



 年が明けて、1月2日にマサさん達はいつも行っている神社に初詣に行きました。


 雪がちらつく寒い中、今年はみんな元気で暮らせるようにと、神様にお願いしてきたそうです。


 その時に、みんなで僕たち猫のことも、ちゃんとお祈りしてくれたと言っていました。


 病気や怪我をしないようにとお守りも一人ずつ買って、おみくじも引いてきたと言っていましたから、今年はきっといい年になるだろうと思ったものです。



 でも、1月4日になって、急にトモさんの具合が悪くなりました。


 新年早々ですが、この家族はすっかり慣れてしまって、みんな全然慌てません。


 マサさんはすぐにトモさんのかかりつけの病院に連絡をして、トモさんを車に乗せて病院に連れて行きます。


 ノンちゃんは必要な入院道具をそろえて後から病院に追いかけます。


 イッちゃんは3日からお仕事が始まっていましたから、いつもの通りに仕事に行って、ユキくんは我関せずと家に残ってゲームをしています。


 何か、慌てているのは僕たち猫ばかりというこの状況は、他の家でも普通なのでしょうか?

春になる前に話が止まってしまいました。

申し訳ありません。

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