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プロローグ
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生まれた時から皇子様。
生まれた時から次期皇帝候補。
最初は気にしていなかった。
街に住む平民より、豪華な料理が食べられた。
豪華な服が着られた。
毎日風呂にも入れた。
暖かい寝床があった。
一段と目立つ家があった。
ただ、“次期皇帝候補”という言葉だけは、自分を苦しめた。
街を歩けば、
「皇子様…!」「龍炎様!」「龍炎皇子!!」
平民が口を揃えて、自分の事を“皇子”と呼ぶのだ。
はっきり言って、気分が良かった。
自分より先にこの世に生を受けた者が、自分に向かって頭を下げるのだ。
この瞬間だけは、次期皇帝候補などという言葉を忘れられた。
ある日突然、皇帝にはなりたくない、と思い始めた。
なにがきっかけだったかは、覚えていない。
ただ、ただ、皇帝には死んでもならない、と毎日のように口にしていた。
そして、やってしまった。
国から逃げてしまった。
どうも、萩原です。
邪墓マーラ!凍結期間中にお世話になる小説でございます。