番外編 「女子会②」
※誤字の確認とかしていないので①も②も誤字あったらすみません
ミリィノが合流して改めて乾杯をした。
女子会という名だけあって女性のみが集まれば当然?なのかは分からないが男性のタイプの話になる。
私自身も確かに皆の恋愛事情はとても気になるから
聞きたかったりする。
「私!知っていますよ!」
恋バナが始まるやいなやメアリー女王がいきなり大きな声で言い始める。
「ミリィノさんってアレルさんのことを想っておられるのですよね!」
いきなりぶっ込んできた。
アレルとは関わりが全くと言っていいほど無いので、
ミリィノにそういうことは聞きずらかったからラッキーだ。
「メアリー女王…私とアレルはそのような関係ではありませんよ。
私が守恵者になる前からお世話になっていて、その名残で仲が良いだけです!
決してアレルの事をかっこよくて要領良くて根がとても優しい人だなんて思っておりませんよ!」
言っているようなものでは無いだろうか?
と思ったが変に突っ込むとミリィノに怒られてしまいそうだからスルーしよう。
「そうだったのですね…勘違いしてしまい申し訳ありません。」
「いえいえ!」
「メアリー女王!任せてください」
メアリー女王に耳打ちをするスタシア。
何を言ったのだろうか。
「ミリィノちゃん!なら、アレルさんが女の人と楽しそうに歩いていたらどうする?
それも手を繋いで!」
いやいや、流石にそんな分かりやすい動揺誘う言葉…
ミリィノには効かないでしょ…。
チラッとミリィノの方を見るとお酒を持つ手がブルブルと震えて、飲もうとしても上手く飲めていなかった。
(えー、分かりやすっ)
「あ、あ、あ、アレルに、に、そ、そのような人が…い、いるのですか????
答えてくださいスタシアさん!早く!!どこの女ですか!」
怖い怖い…
スタシアの両肩をがっしり掴んで前後に揺らしてる…。
スタシアの頭取れちゃうよ。
「もしも!もしもの話だよ!ミリィノちゃん!!」
「へ?も、もしもですか?実際には見ていないんですね?」
「うん。アレルさんに女の子影なんて見たことないよ」
「よ、良かった…。あ、いや、別に他意は無いですよ!?
アレルも命の危険があるような仕事なわけで!
お付き合いしている女性がいたら大変じゃないですか?」
「ミリィノ様…誰も何も言っておりませんよ…」
「うぅ…忘れてください…」
(可愛いなこの人)
「そ、そんなこと言うならスタシアさんだってディシさんとどうなのですか!
進展はあるんですか?」
私はその言葉にお酒を飲む手を止める。
そうだ…普通に仲が良いから忘れていたがスタシアだってディシさんの事好きなんだ。
私よりもお互いのことを知っていて長い付き合い。
羨ましいし嫉妬もしてしまうけど、同時にお似合いとも思ってしまう。
「最近は…あんまり2人で話せてないかも。
で、でもね…この前ザブレーサ行く途中の村で夜に二人で話した時にね…//
その…頬に、キスを!してみたの!」
「「え?」」
メアリー女王以外の皆が同じ反応をしている。
「す、す、す、スタシア様…?ほ、頬にキス…ですか?」
「う、うん!すっごく緊張したけど頑張ったの!」
「実はアドバイス出したのは私なんです。
凄く恥ずかしがってベッドに顔埋めてましたね!」
「め、メアリー女王起きてらっしゃったんですか!?」
「はい!見逃す訳がありません!」
本格的に勝てる気がしなくなってきた…。
スタシアみたいに可愛くて元気な子がこんなに好き好きアピールしているのに落ちない男性なんて居ないもんね。
「でもね、ディシくん全く平然としてたの。
やっぱりガード固いよ〜」
「確かに、ディシさんはなんやかんやで1番ガードが硬そうですもんね」
「お聞きしてよろしいのか分からないのですが…
メアリー女王は意中のお相手はおられますか?」
スタシアが最も気になることを聞いてくれた。
メアリー女王の恋愛事情はすごく気になる。
婚約者などの話は聞いたことがないけどいるのだろうか。
「そのような殿方はおりませんね…。
今はユーランシーの事に集中したいのもありますけど、この方が良いっていうのがいまいち分からなくて…」
「貴族の方々から婚姻の申し出は来ないのですか?」
「来ないですね…あまり慕われていないのでしょうか…」
メアリー女王が悲しい顔をしている…可愛い。
というかそんなことがあるのだろうか?
貴族の方々から婚姻の申し出が無いなんてこと絶対にありえないと思うのだけど。
「あ、あのぉ…申し出が来ないのには少し理由がありまして…」
アンレグが何かを知っている様子だ。
とても話しづらそう。
「理由ですか…?」
「はい…実はそれアビス様のせいかもしれないです。」
「アビス師匠が?なんで?」
「アビス様が我々守恵者直属兵に時々命令をするのですが
メアリー女王宛の婚姻の申し出を全て断れという命令でして…。」
あーー、なるほどぉ。アビス師匠流石に過保護すぎじゃないか?
「アビスさんがそのような命令を?」
「はい、てっきりメアリー女王ご本人からの命令なのかとばかり…」
「アビス師匠…どれだけメアリー女王のこと心配なのやらですね」
「アビスさんがそのような事を…確かに結局はお断りを入れるので結果オーライですね!」
お優しい…天使…綺麗。
「ヨーセルさんとアンレグさんもお聞きしても宜しいですか?」
「私は殿方と喋る機会が少なくて想いを寄せられそうな相手はいませんね…」
「私は…」
ディシのことは好きだ。
でも、スタシアを前にして 私もディシのこと好き なんて言えたものでは無い。
ここは私もアンレグと同じように…
「ヨーセルさんでしたらスタシアさんと同じくディシさんに好意を寄せておりますよ」
「ちょっ、ミリィノさんっ!」
嘘…まさかのミリィノにバラされてしまった。
そういえば前にそんな類のことを相談した気がする。
「そうなんですね!ヨーセルさんもディシさんの事が好きなのは意外です!」
「確かに、そのような素振りは見せていませんでしたからね」
メアリー女王とアンレグの反応は普通だ。
問題はスタシアなんだけど…
「ヨーセル…」
「は、はい…」
「お互い頑張ろうね!」
「え?」
「さすがはヨーセルだね!ディシくんを好きになるなんて良い目してる!」
「えっと…ムカついたりしないの?私が実はディシさんのことが好きって言っても」
「なんでムカつくのさ!人を好きになることに罪なんて無い!
ディシくんは良い人だからなおさらディシくんを好きになるのにムカつくも何も無いよ!
でも、譲る気は無いからね!」
私はスタシアという女性をちゃんと理解していなかった。
この子は他人の考えや思いを決して否定も避難もせずに尊重してくれる優しい子。
(私って最低だな…。でも、そうだよね、ミリィノさんがバラしたのもそういう意図があってだよね。
引くことなんて許されない。
私は騎士団としてどんな勝負も正面から勝たなければいけない!)
「私も!負けるつもりは無いよ!」
「うん!受けて立つよ!」
「どうしてバラしたのですか?」
「私は、ヨーセルに幸せになって欲しいんです。
悔いなんて残して欲しくない。
ここで引いてしまったらヨーセルは後悔してしまうと思ったんです。
だから、正々堂々と戦って欲しい。
あ!ですが私はどちらの味方って訳では無いですよ!
どちらとも応援していますし!
でも、もちろんヨーセルに助けを求められれば必ず助けますよ」
「ミリィノさんらしいですね!私はそんなミリィノさんが大好きですよ」
「メアリー女王にそう言われてしまうとなんだか本気になってしまいそうです」
「ミリィノさんには既に本命の方がおられますから本気になってはダメですよ?」
「で、ですから違いますって!//」
「なになに〜ミリィノちゃん!メアリー女王と何話してるの〜?」
「あ、スタシアさん!私今お酒持ってるから飛びついたらこぼしちゃ、あー、!こぼれちゃった!」
「今拭くものお持ちして参ります!」
「スタシアさん眠そうですね!私の膝の上で寝ますか?」
「サレーちゃんと同じ扱いになってません!?」
なんだか…すごく平和だなぁ。
こんな日常が続けば良いのに。
「ヨーセル〜!拭くの手伝って〜」
「も〜、スタシア気をつけてよね!」
「ヨーセルまで怒らないでよ〜!」
「なんかめっちゃ静かに感じるな」
「女性陣いないからだろ。」
「ならなぜ俺がここにいる」
「ナルバン、最近奥さんと子供と過ごしてて一緒に飲めてなかっただろ」
「団長を気安く呼ぶな。ただでさえ忙しい方なのに」
「良いだろ、俺とのサシ飲みよりかは」
「それはそうだな」
「肯定すんなよ」
「…ここの店悪くないな」
「だろ?」
「ちゃっかり楽しんでますね、ナルバン団長」
「まぁ、せっかく来たからな」
ディシ、アレル、ナルバンの男3人は華の無い空間で酒を飲むのであった…。
読んで頂きありがとうございます!
時系列的にはヨーセルがメルバル総戦の長い睡眠から起きた後ですね。
もしかしたら時系列が合わないって事があるかもしれないです。
その時は優しく笑ってください




