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天使とサイナス  作者: 七数
2章 【番】
38/57

番外編 「女子会①」

本編とは”あんまり”関係無いです!

「あ、ミリィノちゃんだ!これから任務?」


「はい、そうですね。北の方へ5キロほど」


「あー、遠いね。今日は遅くなりそう?」


「全力で行けば5時間ほどで帰って来れるとは思いますが…

どうしてですか?」


「いや〜せっかくだからお酒飲みたいなぁって!

ヨーセルも起きたことだし!

女子会、的な?」


ホールディングスのメアリー女王の部屋を出たらスタシアに声をかけられそう提案された。

とても素敵な提案だとは思うがメアリー女王がいる部屋の前で話すのはやめた方が良いのではないだろうか。


「ひとまず、場所を変えますか?

ここではメアリー女王の邪魔になってしまいます」


「あ、そうだね!ごめんごめん!」


移動しようとしたら ガチャ っとドアが開き、お団子髪を作っているメアリー女王が出てきた。


「そのお話、聞かせてもらいました!よろしければ私もご一緒させてもらってもよろしいですか?」


「「えっ?」」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「ディシ様、どうかなさいましたか?」


私が仕えているディシ様に呼ばれて部屋に来ていた。

既に昼時。

今日この後にディシ様は任務があるとおっしゃっていた。


「別に大した用ではないよ。スタシアからアンレグ宛に手紙が来ていただけ」


「お手紙…ですか?スタシア様から?」


私はディシから手紙を貰う。

珍しい事もあるものだなぁと思いつつ手紙を開けて中を読む。


『やっほー!アンレグちゃん!ディシ君の直属頑張ってる〜?

早速本題なんだけど、今日ホールディングスで女子だけの飲み会をする事になったの!

良かったらアンレグちゃんにも来て欲しいなぁって!

ちなみに他に来る人は

私、ヨーセル、ミリィノちゃん、私が前に村で助けた女の子も来る!名前はサレーちゃん!弟くんの方も来るかなって思ったけど剣の稽古で忙しいんだって!

それと、アンレグちゃんと”メアリー女王”!』


ん?見間違えてしまった。メアリー女王と書かれていた気がしたがきっと疲れているのだろう。

なんだか目がぼやけている気もするし。


もう一度手紙に目を向ける。


『それと、アンレグちゃんと”メアリー女王”!』


「エェッ!?!?」


思わず声を上げてしまう。

なぜメアリー女王が!?いくら女子会といえど豪華すぎはしないだろうか。

私レベルがこの女子会に混ざって良いのだろうか?

幸いなことにヨーセルもいる。

ヨーセルより立場は高いが、普通に仲の良い友達みたいに接している。


「どうした?セクハラでもされたか?」


さすがに大きな声を出してしまったからディシ様が聞いてくる。


「いえ…スタシア様から飲みのお誘いがありまして、

それはまだいいのですが、メンバーにメアリー女王がいまして。」


ディシ様が紅茶を飲もうとしていた手を止める。

そしてカップを置いて立ち上がり、部屋を出てどこかに向かい始める。


「ど、どこに行かれるのですか!?」


「メアリー女王に謝罪してくる。ついにスタシアが粗相をかましたんだよきっと。

俺たちに誘うみたいなノリでメアリー女王のことを誘ってしまったんだ。

メアリー女王はお優しいから断らなかっただけだ。

アビス師匠にバレたらスタシア半殺しにされるぞ」


それは確かにそう。


私はホールディングスに向かうディシ様に着いていく。

メアリー女王の部屋の前でディシ様は深呼吸をした後にノックする。


「どうぞ」


と声が聞こえてきて中に入ると、メアリー女王とスタシアが座っていた。

2人で向かい合って紅茶を飲んでいた。


「あら、ディシさん。こんにちは。これから任務でしたね。

今許可証を…」


「いや、えっと…この状況は?」


「スタシアさんとお話しておりました!」


「それは…そうなのですが。

スタシアが邪魔しているという状況では無いですか?」


「滅相もありません!お話し相手として楽しませてもらっておりますよ!」


「そうだよ!ディシくん!いくら私でもメアリー女王に迷惑はかけないもん!」


「自覚あるなら日頃から気をつけろよ…。

それと、女子会?の件なのですが」


「もしかしてディシさんもご参加を?」


「いえ、そうではなくて…スタシアに無理やり誘われて断れなかったとかではありませんか?」


「もちろんです!なんなら私から参加を希望しました!」


ディシはその言葉を聞いて一気に緊張が抜け落ちたようになる。


「そうでしたか…てっきりスタシアがメアリー女王にご迷惑をおかけしているのかと勘違いしてしまいました。」


「もう!ディシくん酷いよ!アンレグちゃんも大変だね!まったく、」


「お前…まぁ、いいか。ついでに任務行って参ります。

許可証を貰っても良いですか?」


「はい!こちらです!お気を付けて!」


「はい、行ってまいります…」


ディシ様が部屋を出たので私も2人に頭を下げて部屋を出る。


「勘違いで良かったですね」


「ホントだよ…。」


「ディシ様…女子会なのですが」


「ん?」


「参加しても宜しいですか?」


「断るわけないだろ。せっかくなら楽しんできてくれ」


ディシ様ならそう言ってくれると思っていたが改めて言われると心高ぶる。

女性と普段絡まないが為にこういう機会はとても楽しみだ。

というか一応女だということは隠しているつもりなのだけどバレている。


(楽しみだなぁ)


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

まだ起きて数日しか経っていない。

天恵の方は後々で問題無いが、今の一番の問題は体の方だ。

めちゃくちゃ体力減ってる。

体が全体的に重い気がする。


ミリィノ邸の庭の芝で足を広げてストレッチをする。

体の柔らかさは意外と勝負にも直結するから入念にしないと。

体力を戻すために毎朝早く起きて街を走っているがまだ元の体力には戻せていない。

そんな簡単にすぐ結果が出るとは思っていないがしんどすぎて泣きそう。


(こんな時にディシさんの慰めがあったらな…)


「ヨーセル〜!」


驚いて体がビクッとしてしまった。

振り返ると綺麗な白髪の美形が立っていた。


(私服だ…。何気に初めて見たかも。可愛い)


スタシアはオシャレが好きと聞いていたが実は私服のところは見た事がなかった。

スタシアは守恵者に加えて珍しい 意思 を宿っているらしく、そのせいもあって相当忙しいらしい。

休日も少ないのだとか。


「ヨーセル?大丈夫?」


「え、あっ、うん!大丈夫!私服初めて見たなぁって」


「あれ?そうだっけ?へへっ、どう?」


「可愛い!抱きしめたくなる」


「あ!妹扱いしてるでしょ!分かるんだからね!」


「バレちゃった。それで何か用事?」


「あ、そうそう。今日夜にホールディングスで女子会するんだけどヨーセルも参加して欲しいなぁって」


「いいの?」


「もちろん!」


「なら参加しようかな!誰が来るの?」


「私、ヨーセル、アンレグちゃん、任務で遅れるけどミリィノちゃん、サレーちゃん、あとメアリー女王!」


「メアリー女王も来るんだ!すごく楽しみ!」


「でしょ?メアリー女王から参加してもいい?って聞かれたの!即答で はい! って答えちゃった!」


メアリー女王が参加するのはすごく珍しいことだから嬉しい。

サレーちゃんは前にスタシアが神殿と繋がってる村に行った時に助けた女の子だったとディシさんが言っていた。。あまり話したことは無いけどスタシアが凄くなつかれているというのは聞いている。


幼すぎてさすがにお酒は飲まさないだろうけど、

幼いなりに逆に楽しめそうではある。


「そういえば、スタシア今日お休みなの?」


「ふっふっふ、実はそうなの!だから女子会したいなぁって思ってね!」


貴重な休日をみんなと過ごすために使うなんてスタシアらしい。

やっぱり妹ですねこの子。


「それじゃあまた夜、ホールディングスで!」


「うん!またね〜」


スタシアがミリィノ邸を出る。

と同時に入れ替わるようにアビス師匠が屋敷から出てくる。


「ん?今マーレンいたか?」


「はい!今日女子会をホールディングスでやるみたいでそのお誘いを受けました!」


「そうか。メンバーは?」


「私、スタシア、ミリィノさん、サレーちゃん、

アンレグさん、メアリー女王との事です!」


「メアリー女王?」


アビス師匠の顔つきが鋭くなる。

なにかまずいことでも言っただろうか?


「えっと…はい。スタシア曰くメアリー女王自ら参加したいと仰ったらしくて」


「…ルシニエ。お前に任務をやる」


「え?任務ですか?」


「メアリー女王が仮に酔っ払ったら男を10メートル以内に近づけるな。

これは頼みでもなんでもない。

任務という名の命令だ」


「わ、分かりました…。」


なんでこの人、こんな父親みたいなこと言っているのだろうか。

前々から思っていたのだが、メアリー女王に対しての忠誠心が異様に高いのはどうしてなのだろうか。

私ももちろんメアリー女王のことは大好きだが皆がそこまでメアリー女王に心酔する理由はなんなのだろうか。


(それはまた今度考えようかな。とりあえず訓練しないと)


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ルンルンな気分でホールディングスの廊下を歩く。

今日は久々の休日で更にみんなとお酒まで飲めちゃう。

最高の休日。

それにしかもなんとまさかのメアリー女王も今回は参加してくださっているから凄く嬉しい!


両開きドアの前で止まり中をノックすると どうぞ と返事があったため開けて入るとすごい広い部屋だった。

入って右手には お布団 という床に直で引いて寝る寝具が均等に並べてあって、左手にはお酒やおつまみが沢山置いてあった。

それに床の素材も珍しいものだった。

前に街の職人さんに聞いたことがあった。

確か…畳 ?というものだった気がする。

靴を脱がなかったり飲み物をこぼしたりすると傷んでしまうらしい。

靴を脱いで畳の上を歩くと不思議な感覚。

部屋の中心にはメアリー女王、ヨーセル、サレーが木でできた背の低い机を囲って座って談笑していた。


「お待たせして申し訳ありません!」


「いえいえ!お2人と楽しく会話させてもらっていましたから」


「一応、アンレグさんとスタシア来たらお酒飲み始めようかなって思ってるんだけどそれでもいい?」


「うん!もちろん!ミリィノちゃんもいつ戻るか分からないからね!」


と、ドアがノックされる。

メアリー女王が どうぞ と言うとドアが開きアンレグが入ってきた。

すごい可愛らしい格好だった。


「アンレグさん凄く可愛いですね!」


「アンレグちゃんっていつもウィッグだったんだ。」


「はい、髪はあまり切りたくなくて専用に作ってもらっていたんです」


「アンレグさん凄く綺麗です!」


「あ、ありがとうございます!!すみません、このような場に私のような者が…」


「そんなの気にしちゃダメだよ!今日は楽しも?」


「そうですね!私にもタメ語で話してください!」


「流石にそれはアビス師匠とディシくんに殺されちゃいますよ!」


「そうですね、あの御二方はメアリー女王に対して凄く過保護ですからね…」


「慕って貰えるのは嬉しいです!ですが、皆さんともう少しお友達の距離感で接してみたいものですね…」


「どうしてディシさんとアビス師匠はメアリー女王にあそこまで心酔しているの?」


「私もあまり分からないんだよね〜。アビス師匠はなんだかお父さんっぽいっていうかなんというか。

ディシくんは全く分からないや」


「そうですね…アビスさんの理由は分かりますがディシさんは私もあまり分かっていません」


「メアリー女王でも分からないんですね。

昔に何かあったとかなんですかね」


ヨーセルのその一言で皆が少し考えた様子を見せる。


「分からないや!そんなことよりお酒飲も!」


分からない、心当たりのないことを考えても埒が明かないから仕方がないね。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


(やっと終わった…思ったより大変だった…)


今日の任務は資源調査。

北の方にでかい山があり、そこの山にある植物、生き物、鉱石などの資源を調査しに行っていた。

スクリムシリは 予 が三体、 番 が一体いた位だったためそこまで面倒ではなかったが、なんせ山がでかいが為にすごく足が疲れた。


既に飲み会は始まっているだろう。

私はすぐに屋敷に戻り、シャワーを軽く浴びて私服に着替えてホールディングスへと向かう。


事前に教えて貰っていた部屋まで行って コンコン とノックをして部屋の中に入る。

なんというか…何があった?という状況だった。

サレーに膝枕をしながら優しく笑みを浮かべて頭を撫でるメアリー女王。

顔が赤くなりながらもお酒をずっと飲んでいるアンレグ。

ヨーセルに泣きながら抱きつくスタシア。

それを優しく諭すヨーセル。

一言で表すならカオス。


「あ、ミリィノさん!任務お疲れ様です!ご無事で何よりです!」


私はハッとしてメアリー女王に報告をしに行く。

床が畳だから靴を脱いで綺麗に並べてメアリー女王の方まで寄る。

サレーの頭を撫でるメアリー女王の前で膝を着いて今回の件を報告する。



「かしこまりました。今回もお疲れ様です!このような状況ですが労りの言葉をかけさせて頂きます!」


「勿体ないお言葉です。」


「ミリィノちゃん!早く飲も〜!やっと来てくれて嬉しぃ〜よ!」


さっきまで謎に泣いてヨーセルに抱きついていたスタシアが次は私に抱きついてくる。


「スタシアさん…沢山飲みましたね」


「えへへ、飲んじゃった!」


「もう…程々にしないとダメですよ」


私はスタシアの頬っぺを引っ張ったり手のひらで押したりする。

すごくもちもちで心地が良い。


「ほら!ミリィノちゃんも飲も!」


「ミリィノさん、お酒です!おつまみは何か食べますか?」


「ありがとうございます、ヨーセルさん。

ビーンズをいただきます!」


「了解しました!」


私が来たことで改めて乾杯することになる。

サレーは既にメアリー女王の膝で寝てしまっている。

寝顔がとても可愛らしくて癒されるなぁなんて考えていたらメアリー女王が


「小さい子、お好きですか?」


と尋ねてくる。


「はい!とても癒されます!」


「分かります!私もとても大好きなんです!

なんというか、見ていると母性が働いてしまって」


メアリー女王か小さい子を好きなのは前々から知っていた。

だが、最近はその好きがより加速しているような気もする。


「それじゃあ!みんな揃った事だし!改めて

カンパーイ!」



「「カンパーイ!」」

お久しぶりです!

そろそろ3章を書き始めるのでご理解お願いします!


ちなみに女子会②まであります

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