26話 「意外な事実」
私は、貰った食材を持って貸家に帰るとアレルが既に帰っていた。
食事スペースで紅茶を嗜んでいた。
どうやら、既に風呂に入ったらしく騎士団制服ではなく白シャツに柔らかい生地の長ズボンを履いていた。
足を組みながら紅茶を飲む姿…これだけ見れば相当なイケメンだ。
(顔だけは良いんだけどなぁ…)
私はそんなことを考えながら食事スペースにいるアレルの横を無言で通過し、キッチンへと向かい食材を置く。
何を作ろうかなと考えていると、アレルが話しかけてくる。
「明日からの任務の内容を聞いた。
俺とお前で1日ずつ交代でマリオロの外壁を見回る。
その際にマリオロの兵が数人付くというのはトーマスさんが言っていた通りだ。
外壁の見回りでは無い方は、その日によって仕事内容は異なる。
明日、お前から外壁の見回りで始める。
分かったな?」
「了解しました。」
相変わらず当たりが強い口調だなと感じつつも、私はあることを思い出す。
「アレルさんはマザックさんという方をご存知ですか?」
年齢的にアレルは恐らく知らないだろうけど一応聞いてみる。
「知っているがそれがどうした?
それよりなぜお前がマザック元団長のことを知っている?」
いや、知ってるんかい。
年齢的に絶対知らないでしょ…。
ナルバン団長は団長を務めて大体20年近く経つのだから逆算してもアレルがまだ幼い時でしかマザック元団長はいないはずなのに。
「実はそこの通りの食材屋の店主をマザックさんがしていました。
色々お話をして一つ…気になることが」
「なんだ?」
私とアレルの間には緊張感が走る。
というかマザック元団長がいたということに驚かないんだなこの人。
「ディシさんって…おいくつなんですか?」
「詳しい年齢など知らん。だが、50以上なのは確かだ。
それがなんだ?」
「いや…ディシさんはどう見ても20代位の見た目で若く見えるといいますか…なんなら10代にも見えるくらいと言いますか…。」
「あいつは 結命の意思 の力で老いるという現象を操作している。
血の流れ、筋肉の劣化、脳の損傷、その全てを天恵と
結命で操作して今でも若い見た目を保っている。
中身はただのおっさんだ」
いや、言い方…。
でもそっか…ディシってそんなに…。
確かに、見た目に似合わず余裕を前々から感じていた。
そういうことだったんだ。
なぜだか自分より少なくとも30歳以上違うと知っても
ディシに対する恋心が消えない…むしろ余計に好きになってしまった気がする…。
私っておじさん趣味…?
いや、そんなことは無いはず。
(あぁ、多分、ディシさんっていう人自体が好きになってしまっているんだ…。
ディシさんのことをまた一つ知れたから、また好きが重なる。)
「それより、なんだその食材は」
「今日の夕食は私が手作りで作ろうかなと…」
「お前…ミリィノから聞いたぞ。包丁もロクに使えないらしいな。」
「いえ!そんなことは無いです!騎士団員ともあろうものがナイフのひとつも使えないなんてあってはいけないので!」
「ならば、使ってみろ」
「は、はい…」
私は、カボチャを取り出して包丁をそっと通す。
カボチャは硬いらしいから少し力を入れて包丁を通そうとしたら思ったよりも柔らかくて一気に切れてしまってそのまままな板まで真っ二つにしてしまい、
切った時の勢いのせいでカボチャが弾け飛んでしまった。
「す、すみません!”少し”失敗してしまいました!」
「嘘…だろ、、」
私のことを見るアレルの顔が人間を見る目じゃなかった。
確かに、”少し”荒れてしまったけど食べれる分には食べれるし…。
「お前…頼むからもう包丁持たないでくれ」
「え、ですが、この食材は…」
「もういい、俺が作る。お前はミカリエといてやれ…」
おぉ、アレルが優しい…。だがどうして急にこんなに優しくなったのだろうか?
料理を作りたくなったのだろうか…?
そんなことを考えながら私は2階へ行って自分の部屋に入る。
ミカリエはまだぐっすり眠っている。
私は、先程のカボチャ悲惨事件を考える。
流石に、あそこまで弾け飛んでしまうとおかしいことには気づく。
あれはいくらなんでもカボチャが脆すぎる。
前にミリィノの屋敷で料理をした時もピーナッツを割ろうとしてほとんど粉々にしてしまった事があった。
その時ミリィノに 天恵で身体強化していませんか…?
と聞かれたが天恵はおろか、大して力すら入れてなかった。
だから、なぜだかそうなったのか分からず…最終的に食材が脆すぎるという結論に至った。
それ以降、私は包丁…というか料理禁止になっていた。
私はベッドに寄りかかりながら地面に座る。
良く考えればろくに睡眠も取れずにマリオロまで来たから結構眠い…。
(私も…少し…寝、ようかな…)
辺りは黒い空間…どこだろうか。
夢の中?
辺りを見渡しても一面が黒。
すると正面が空間が捻れるように曲がる。
私がそこを注視していると、その歪みは次の瞬間には人影になる。
そして、ゆっくりと歩みを進めながらこちらに近づいて来る。
その黒い人影から逃げようと走ろうとするが体が動かない。
みるみる近づいてくるその人影…ついに私の目の前まで来てスっと手を伸ばしてくる。
私はそこで勢いよく体を起こして目を覚ます…。
ベッドに寄りかかっていたはずが倒れて地面に寝てしまっていた。
体が結構痛い。
既に、外は日が沈みかけておりオレンジ色の明かりが窓から差し込んでいる。
ベッドの上にはミカリエの姿は無かった。
寝ぼけているとドアが開いてミカリエが入ってくる。
「お姉ちゃん…怖い?大丈夫?」
きっと、私はうなされていたのだろう…。
ミカリエの手には濡れた手ぬぐいがあり、きっと私に置いてくれようとしていたのだと思う。
「大丈夫…ありがとうミカリエ。」
「良かった。それと…アレルが、ご飯…できるって」
「分かった。ありがとうミカリエ」
「んーん!気にしないで!」
私は体が痛みながら部屋を出て、階段を降りて食事スペースに向かう。
次の日。
私とアレルは早朝…ほとんどの人がまだ寝ているような時間に目を覚まし、貸家を出る。
ミカリエには昨日の時点で既に仕事があるという説明をしているため大丈夫だろう。
貸家に一人の状態なのは少し心配だが、中心街だから人攫いとかもあるはずない。
ノルザレン城に着き、今日の任務をトーマスと共に確認をする。
私に着いてくる2人のマリオロ兵…
ミューレラという女性とハーバセンチスという男性。
どちらも私より歳上…20代前半らしい。
マリオロの騎士団員条件で20歳を超えていなければいけないため、できるだけ私と近い年齢の人を選んでくれたのだろう。
トーマスは本当に気が利く方だった。
説明を受けて、馬車を使いマリオロから出る門まで行く。
そこには既に若い男性と女性がいた。
2人とも胸の部分には鉄の胸板、各関節を守るように肘、膝と鉄の防具が着けられていた。
腰には剣、服は鉄の装備の下に体にピッタリの白と黒の上下。
「おはようございます。ミューレラさんとハーバセンチスさんですよね」
私は2人に話しかける。
初対面の相手と話すのはここ半年で多く経験したため、慣れっこだ。
「お、来たか!ルシニエ・ヨーセルだよな!
よろしくな!」
「改めて、ミューレラです!よろしくね!ヨーセル!」
「はい、よろしくお願いします」
2人ともどうやら気さくな人らしい。
明るく挨拶をしてくれる。
少しホッとした気持ちになった。
「よし、それじゃ早速任務開始しようぜ!
マリオロの外壁を一周するのは結構時間かかるからな!
出来るだけ早く終わらせよう!」
「了解です」
「ヨーセル!そんな固くならないで大丈夫だよ!」
ミューレラは私の両肩に ポンッ と両手を置きながら言う。
固くならないでと言うが初対面の人がどういう人間か詳しくわかっていない状態で自分をさらけ出すのは危険なためもう少しこのままで行かせてもらう。
門を出て壁沿いを東回りで歩み始める。
やはり、こう見ると壁は高く見えるな…。
建ってから結構経つのだろうか…少し汚れが多いような気もする。
「ヨーセルってユーランシーからだよな?
やっぱりさ、メアリー女王はめちゃくちゃ可愛いのか?」
突然そんな質問をされる。
「可愛いという言葉では言い表せないほどですね…
ユーランシーではあの方は一種の神として崇拝されていますから」
「うげっ、そんなにか…すげぇな。
アウグス王があそこまで他人を褒めるなんて初めて見たからさ。
会ってみたいなぁメアリー女王」
「あんたじゃ無理よ。というか…メアリー女王って実在したんだね。
国王会議の時にメアリー女王に触れようとしただけで護衛の2人に殺されかけるって話知ってる?」
「なんだそれ、こっわ。マジで神のような扱いじゃん!」
なんだろうか…別にそこまで気にするようなことでは無いと思うが、この二人のメアリー女王と守恵者をバカにしたような会話。
とてつもなく不愉快極まりない。
こいつらは何を知っていて 怖い とか言っているんだろうか。
私は会話を無視して歩き続ける。
「ヨーセルってスクリムシリ?ってやつと戦った事はあるんだろ?」
「ありますよ」
「本当にそのスクリムシリってやつは恐ろしいのか?
俺まだ見た事ねーし、なんならマリオロ襲撃も南の連中を始末するための自作自演とかって思ってんだよなぁ」
「南の連中を始末…?」
「あれ、知らないのか?
この国の南の連中はスクリムシリに襲われる前から忌み嫌われてたんだよな。
理由は…なんだっけ?」
「異国の民が多いからでしょ、まったく。
昔にね、他国ので内乱が起こった時に追い詰められた方がねマリオロの南側に避難民として移住してきたの。
その時のマリオロの王は寛大に迎えてくれたのだけれどマリオロの民からしたら突然敗戦した輩が住みつき始めてよく思ってなかったのよ。
それから南の連中はマリオロの民たちから凄く酷い扱いを受けているのよ。」
なるほど…大体が合致した。
ミカリエがどうかは分からないが路地裏にいる貧相な子供たちが何故あそこまでマリオロの人達に忌み嫌われるかが分かった。
だが、私はその理由を聞いて苛立ちが募るだけ。
私だってユーランシーに住んでいた訳では無い。
だが今となっては貧乏な平凡村出身の私をあそこまで受け入れてくれている。
「恐らくだけど…自作自演はないと思うよ」
「どうして言い切れるんだ?」
「スクリムシリは人間が操れるような存在じゃない。
無差別に人を殺して、大切なものを奪っていく悪魔」
敬語が外れてしまったがこの人たちに礼儀なんていらないだろう。
私は真剣にそう言ったつもりだった。
だが…
「あっはっは!ヨーセル顔怖いよぉ!
大丈夫大丈夫!私達だって騎士団だよ?ちゃんと鍛錬は積んでいるからスクリムシリがいくら凶暴だからって一刺しで、 グサッ! って倒しちゃうんだから!」
「そーだぞ!ヨーセル!俺たちを舐めてちゃダメだ!ヨーセルと一緒に来たアレル・ドレイっていう人はユーランシーでもトップレベルで強いんだろ?
俺たちはアレルって人にも負けないぜ!」
こいつら…相当な命知らずだな。
多分だけどこいつらなら私が騎士団に入団する前の状態でも勝てる。
要するにクソザコということ。
もう既にこの人たちと任務するのが嫌になった。
まだ始まって10分も経っていないのに…。
「それにしてもよぉ、スクリムシリがマリオロ襲撃してきてから城壁周りの見回りを任されるなんて酷いもんだぜ。」
「ねー、マリオロ内なら任務サボれたんだけどなぁ」
「2人は…南の人達に嫌悪感はあるの?」
「ん?そりゃそうだろ。俺はマリオロ国民だからな。
ヨーセルみたいな事情がある人は全然構わないが、
負けそうだからマリオロに逃げてきたとかならムカつくよな」
「私は〜どうでもいいかな!困ってても助けないってだけ!
関わろうとは思わないけどね!」
こいつらスクリムシリと同レートだろ。
いや、それ以下の可能性もある。
スクリムシリは本能として人間を襲っているのが殆どだろうけど、こいつらは知性があって会話もできる。
なのにこんなにことを言っているなら同じ人間として恥ずかしい。
2人のストレスの溜まる会話を聞きながらもマリオロの城壁に沿って足を進める。
任務を開始してから3時間くらい経った頃、一旦休憩することになり、私たちは簡易食料を食べることにした。
椅子とかはないためそこら辺の座れそうな石を使う。
すぐそこには森があり、景色は悪い。
(木々がある分、接近に気づくのが遅れるかもしれない…。
注意しないと…)
そう思っていたのに…
私が少し、辺りを見てくると言って森の入口部分の方に向かう。
少し、森の中へと入って見渡す。
やはり…私が住んでいた村と同じ木だ。
見た事のある実だったりが沢山実っている。
(久々に何個か食べたいな。貸家に持って帰ろうかな)
木を登り、木の実を数個取って袋に入れる。
が、ひとつを落としてしまい拾うために降りる。
拾おうとした時、地面に1メートル位の足跡があることに気づいた。
足跡を辿って見ていくとマリオロの方へ続いていた。
しかも、一体だけじゃない。
少なくとも三体はいる。
(こっちの方向…まずい!ミューレラ達の方!)
「ヨーセルどう?」
「ん〜、まぁ、根暗っぽいよな。なんか反応悪いし」
「分かる〜。私たち以上にスクリムシリってやつにビビってるしね」
「まぁ、顔は格別だな!それに胸もでけぇ!」
「ちょ、サイテー」
「あ?しょうがねーだろ、男なんだから」
「また、酔わせて1晩過ごす戦法使う気〜?」
「あったりめーだろ。あんな上玉、この国にいねーよ。
っと、トイレトイレ…立ちションしてく…る」
ハーバセンチスがトイレのために立ち上がると目の前には自分の身長を上回るほどの巨体を持った禍々しい姿をした獣がいた。
その牙は自身が持っている剣と同じくらいの大きさ。
「ひ、ヒィィィ!」
「な、なんなのよこいつら!!ハーバ!早くこっちに!」
「んな事言っても腰が!」
ハーバセンチスは腰が抜けてしまい尻もちを着いたまま目の前の獣に食われそうになる。
だが、目の前の獣が突然空から降ってきた何かに顔を押しつぶされる。
「よ、ヨーセル…?」
「間に合った…」
ヨーセルはスクリムシリの脳天に剣を刺し、その勢いのまま地面で押し潰した。
「2人とも!早く壁の方まで引いて!残りの二体も私が殺る」
「わ、私も!何か!」
「邪魔だから引いてって言ってるの。あなた達じゃ足でまとい」
私は冷たくそう言い放ち、スクリムシリ二体と対面する。
(恐らく、スクリムシリ 予。
調度良い…アビス師匠とスタシアから教わったことを実践する良い機会だ。)
『ヨーセルって、天恵の使い方?のせいなのかは分からないけど天恵の消費が早すぎて多対一の時とかは不利になっちゃいそうだね。
これは、体質の問題っぽいからどうせならそれを利用しちゃえばいいと思うよ!
幸い、威力は天恵の消費と比例してるみたいだし』
(剣に身体強化分の天恵を流し、後は横に真っ直ぐ、そして鋭く振るっ!)
天恵を剣に纏わせ、鋭く振る。
すると、天恵が鋭い三日月のような形をしながらスクリムシリ二体に高速で飛んでいく。
天恵を剣の軌道に乗せることによって実態化したまま飛ぶ斬撃を生み出すことの出来る技。
その威力は消費した天恵に比例する。
私が放った飛ぶ斬撃はスクリムシリの片方の体を真っ二つにした。
もう片方のスクリムシリには当たらず、私に襲いかかろうとしてきた。
「残念…まだ終わりじゃないよ」
私の飛ぶ斬撃が通過したところから5メートルの範囲の地面が抉れるように削れる。
そして、もう片方のスクリムシリは巻き込まれ体の側面から内臓まで削れて臓器が垂れ流しになる。
そして、その場を踏み込んで距離を詰めて頭を切り落とす。
辺りを警戒し、他にスクリムシリがいないことを確認した私は一息つく。
「ふぅ…」
(良かった…上手くいった。
ありがとうスタシア。ありがとうございますアビス師匠)
私は壁際にいるミューレラ達の方に行く。
2人はどうやら私とスクリムシリの戦闘を見ていたらしい。
私よりも倍くらいある大きさのスクリムシリ三体をあっという間に片付けてしまったことが余程衝撃だったのか上手く口が回らない様子だった。
「よ、ヨーセル…あんなに強かったのか…」
「あ、あんな化け物…ひ、1人で…?」
「2人とも怪我は無い?」
「だ、大丈夫…」
「あれがスクリムシリ。強さの基準で言うならば 予。
上から4番目くらい。
あれくらいなら私一人でも倒すことができるけど、これの一個上の強さ。
マリオロを襲撃したスクリムシリは私では倒せない。」
「な、なら、どうやって…」
「そんな時のためにアレルさんがいる。
あの人には私では足元にも及ばないと思う。」
衝撃すぎて、ハーバセンチスはふらっと倒れそうになる。
よほどの恐怖を与えられたようだ。
これで少しはスクリムシリの危険さが分かって貰えたら良いのだが…。
10分ほど落ち着かせてから改めて話すことに。
何やら話したいことがあるらしい。
「すまなかった。」
2人は急に私に土下座をする。
いきなりのその行動に動揺してしまう。
だがその行動の意図を説明してくれる。
「正直、スクリムシリなんて倒すの余裕だと思っていた。
その考えは愚かだった。
ヨーセルが居なきゃ俺たちは死んでいた。
本当にありがとう」
「ヨーセル…ありがとう…」
ハーバセンチスは必死に謝り、ミューレラは泣きながら私に感謝と謝罪を繰り返す。
私は2人の前に行き、片膝をつけて2人の方に手を置く。
「スクリムシリの危険さが分かってくれたなら良かった。
正直、生意気すぎてぶん殴ろうと思ったけど分かってくれたなら良かった!」
私は自信満々に笑顔を作る。
2人にはその笑顔よりもその言葉にビビって、また謝り始める。
「ねぇ、2人とも。良ければさ、今からちゃんとしたお友達になろ?
2人はきっと危機感がなかっただけ。
でもきっと今なら違う。
だから、今から改めてお友達になってくれない?」
2人はお互いに泣きっ面で合わせる。
「良いのか?俺達はヨーセルやアレルさん、ユーランシーもバカにしてしまったのに…」
「それはさっきまでの2人。今は違うでしょ?」
「うん…。私もヨーセルとちゃんとしたお友達になりたい。
良い?」
「うん!」
2人は笑顔を取り戻す。
その笑顔は先程までの不愉快な笑顔でなく純粋な子供のような笑顔。
私達は立ち上がり、任務を再開する。
「あ、でも、メアリー女王を侮辱するような発言は一発アウトね!」
「え、何されるの?」
「首飛ばす」
「「こわぁ…」」
どうしようもないような人間でもヨーセルは見捨てないなんて優しいですね。
読んで頂きありがとうございます!
ヨーセルの口調だったりキャラだったりが思ったのと違うと感じるかもしれませんが、一応説明しておくと…
ヨーセルは 真面目キャラを払拭したい意外とふざけるタイプの人 って感じです。
口が悪いのは感情に正直だからですね。




