番外編 「色々な人のちょっと変わった日常」(全員生存版)
現在の関係性のまま、全員生存版です!
ifストーリーとは違いますがこんな日常もあったかも?みたいな感じで見てください!
【ミリィノ】
いつも通り、窓から差す光で目が覚める。
いつも以上に天気が良い日だ。
(少しだけ体動かそうかな)
動きやすい服に着替えてから部屋を出る。
ミリィノ邸には随分とお世話になっている。
普通の騎士団ならば各方角の守恵者が管理している寮に泊まらされる。
結構厳しい決まりが多く、禁止な物も多い。
例えば寮にお酒を持ち込んだりするのも禁止だったり、私服の持ち込める量も決まっている。
食事は寮側が提供した物が基本的であり、外食をする際は騎士団が管理している飯屋のみだったりと本当に厳しい。
私だけズルいと思われるかもしれないが、私の提供される食事も他の騎士団の人達と変わらない。
そもそも私服を全く持っていない私からすればそういう決まりは苦ではなかった。
ちなみに寮はたまに守恵者直々でチェックが入るため、普通にバレる。
守恵者によって当たり外れがあるらしく、ミリィノは結構厳しいとか。
武器庫へ行き、自分用の重めに作られた剣を持ち外へ出る。
簡易訓練施設に入り、軽くストレッチをする。
(天恵の流れ…踏み込み…力の入れ方)
アビス師匠に教わった事を意識しながら、なおかつ力まないように。
強めの素振りにより地面の砂が少しだけ舞う。
(前よりかはだいぶ様になってきたかな…。
でもまだまだミリィノさんやアレルさんには届かない、、)
「ヨーセルさん」
二回目を振りかぶると後ろから声をかけられる。
「ミリィノさん!おはようございます!」
「おはようございます!朝から鍛錬なんて偉いですね!」
「天気が良いので体を動かしたくて!」
「なら一緒にやりますか?私も任務までには時間があるので」
「単独ですか?」
「いえ、今日は団体での任務になりますね。
結構時間はかかりそうですが、まぁ、皆さんの疲れを見ながら私が援護するつもりです!」
恐らくだが良く言っている風に聞こえるが、自分が早く帰りたいから少し疲れる仕事を押し付けて、最終的に自分で片づけるという感じなのだろう。
前から思っていたがこの人意外と不真面目だ。
「ミリィノさんって意外と不真面目ですよね」
「なっ!いきなり酷いですよ!私は至って真面目ですからね?」
「アレルさんも言っていましたよ。
ミリィノは意外とサボる奴だけど必要最低限の事はするから文句が言いずらいって」
「アレルがそんなことを!?はぁ、、ヨーセルさん。
良いですか?アレルは悪い大人ですからあの人の言うことを鵜呑みにしてはいけませんよ?」
「え、で、でも、」
「ダメですからね?」
「分かりました、」
この人、意外とヤバい人だ。
ミリィノは少し拗ねながらも私の隣に立ち、剣を構えて素振りをする。
振り下ろすと同時に地面に少し亀裂が入る。
「あ、私としたことが…少し力の制御を間違えちゃいました。」
(怖、、というか剣筋がすごい綺麗。)
「あ!いたいた!ヨーセル!あ!ミリィノちゃんもいるじゃん!」
「やっほ〜スタシア。どうかしたの?」
「少しミリィノちゃんに用事〜」
「私にですか?スタシアちゃん任務は大丈夫なのですか?」
「ん?もう終わらせてきたよ!」
「もうですか?早朝の任務と聞いていたのですが」
「うん!朝イチに出てパパっと破を二体倒して帰ってきた!」
「パパっと倒せるような存在じゃないですよ…本当に。
それで用事というのは…?」
「あーそうそう!寮チェックなんだけどさ〜、最近禁止されたもの増えたじゃん?
私、その説明された時、任務でいなくて知らないんだよね」
「そうだったのですね。チェック日は今日なんですか?」
「そそ!ミリィノちゃんも今日じゃなかった?」
「そうですね。任務に行く前にチェックしに行こうかなと」
「そーなんだね!あ、というかヨーセル着いてくる?
寮チェックの様子!」
「え?」
「あれ?別にって感じ?寮とかどんな感じか気になってるかなって思って」
「んーん!行っても良いなら行きたい!
けど男性しかいないんでしょ?
いきなり面識ない女が来るのはさすがに気まずいんじゃ、、」
「だーいじょぶ!だーいじょぶ!ヨーセルみたいな可愛い子来たらみんな喜ぶし!」
「よ、喜ばないでしょ私なんかで」
「いーや!喜ぶね!」
「まぁ、、そこまで言うなら着いていこうかな」
「やったぁ!男性しかいない空間に私一人ってなんだか気まずいんだよねぇ」
「そういう理由なのね」
ヨーセルはミリィノに軽くお辞儀をしてからスタシアと共にミリィノ邸の敷地から出ていく。
(お二人共に本当に仲良しですね。
というか最近追加された禁止なものまだ伝えてない気が…。
まぁ、いっか)
ミリィノはまた剣を構える。
その表情には少しだけ笑みが零れていた。
抑えようとしても何故か口角が上がってしまう。
(きっとあの二人が仲良くしているのを見るのが嬉しいのかな。
目指しているものがすぐそこにある気がする。
二人のためにも私が頑張らないと)
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【ディシ】
(今日はいつもよりスクリムシリの出現が少ないとゼレヌスさんは言ってたが…休みの騎士団員がちらほらいるし本当に少ないんだな。)
守恵者用の制服を着て、俺は街をプラプラ歩いていた。
基本的に守恵者は3人が任務、1人が休みという名のユーランシーの護衛なため守恵者同士の休みが被ることは無い。
だが今日みたいなスクリムシリの出現報告が少ない場合は別だ。
いきなり休みになることがある。
だがメアリー女王がずっと働いているがために、こちらとしてもそういう日は有効活用したくなるというものだ。
だから普段はしないユーランシーの見回りをしている。
今日も民に沢山挨拶や声をかけられる。
とても嬉しいことだ。
そんな活気溢れる街中で見覚えのありまくる顔が二つあった。
「あ!ディシくーん!」
「ディシさん、おはようございます!」
「おはよう二人とも。
スタシア、お前は今日任務じゃなかったのか?」
「もう終わったよ?朝イチに出てパパーッと」
「相変わらずだな…」
「ディシくんは何してるの?今日はいきなり休みになったんでしょ?」
「休みずらくてな。ユーランシーの見回りをしてるんだ」
「あー、だから守恵者制服なんだ!」
「二人はこれからどこに行くんだ?」
「私は寮チェック!ヨーセルは道ずれ!」
「言い方」
「お前…前、アレルに言われてただろ。
あんまりヨーセルを連れ回しすぎるなって。
ヨーセルは優しいから断れないんだよ」
「そ、そんなこと!…あるかもしれないです」
「えぇ!よ、ヨーセル!?」
「スタシアは妹みたいで優しくしたくなっちゃうんですよね」
「あー!ヨーセルバカにしてる!
後で胸を揉みまくる刑だ!」
「ディシさんがいる前でそういうこと言わないの!」
「へへ〜んだ!
ほら!早く行くよ〜!」
スタシアはイタズラな笑みを浮かべながら駆け足で寮の方へと向かい始める。
「あ、ちょっと、スタシア!」
ヨーセルもそれに着いていくようにスタシアを追いかける。
だがヨーセルは思い出したかのように立ち止まり、ディシに向けて軽くお辞儀をする。
そしてまたスタシアの後を追う。
(はぁ、仲良いな…まったく。)
俺はまた歩き始める。
正直、スタシアとヨーセルがあんな感じに仲良くしてくれているのは目指している事が近づいていると実感している気がして嬉しいものだ。
(はぁ、早くあの二人が戦場に出なくて良い世の中にしたいよ…)
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【アレル】
(思ったより時間がかかってしまったな…)
夕食時になり、外を歩く人はあまり多くない。
朝からの単独任務で一日中ユーランシー外にいたため、
結構疲れた。
(早く帰って寝るか…)
ホールディングスに着き、メアリー女王の部屋を開けるとミリィノが報告をしている最中だった。
「今回、北国の寮には禁止物の持ち込みをしている者はいませんでした。」
「それは良かったです!ミリィノさんの管理する寮はやはり真面目な方が多いですね!」
「ありがとうございます!」
「アレルさん!お疲れ様です!」
「アレル、いたんだね!」
「お疲れ様です。任務完了の報告に参りました」
「はい!お疲れ様です!朝からこんな時間までの任務を任せてしまってすみません」
「いえ、メアリー女王の頼みとあれば容易いです」
「ありがとうございます!」
「ミリィノ、寮のチェックの報告か?」
「うん!私は今日がチェック日だったからさ!
アレルは?」
「俺はもう済ませてある。」
「アレルさんとミリィノさんの寮はどちらとも優秀な方が多いですね!」
「ありがとうございます」
「それと、打診したいことがあるのですが…」
メアリー女王が恐る恐る俺たちの顔を見ながら聞いてくる。
「寮の持ち込み禁止の物をもう少し緩めにするのって…」
「「ダメです」」
ミリィノとアレルは即答する。
「ですよね…」
「メアリー女王…何度も言いますがあなたはお優しすぎます。
過去のあの事件を忘れたのですか?」
「そうです!厳格に管理しないとあのゴミ屋敷を掃除するのは我々の役目なんです!」
そう、俺とミリィノがここまで厳しく言うのは一年前に遡る。
今より寮のルールが甘かった頃にスタシアが管理する寮で関係ない私欲的なものの持ち込みが大量に行われ、それに加えてスタシアが定期的なチェックを激甘にしていたこともありゴミが大量発生し、
ゴミ屋敷状態になった。
その際に、ナルバン団長とアビス師匠がブチ切れ。
責任は管理を怠った守恵者にあるとなり、
何故か俺とミリィノとディシも片付けに参加することになった。
スタシアが意思で掃除しようとしてもアビス師匠が
これは罰だから甘えずにやれ という指示を出し、全て手作業でやる羽目になった。
まる二日かける事態となり、任務に大きな被害を出し聖者にも迷惑をかけてしまった。
ユーランシー史上一番の意味不明事件となった。
掃除が終わったあとに、メアリー女王がナルバン団長とアビス師匠をなだめていたがそれに加えて俺とミリィノもブチ切れ。
ディシはスタシアのためにずっと頭を下げ続けており
肝心のスタシアは真面目に謝らない始末。
「メアリー女王…こんなことを言うのは本当に嫌なのですが、
あれはメアリー女王とディシがスタシアを甘やかしすぎたせいですからね。
厳しく!お願いしますよ」
「す、すみません…」
「本当です!私はもう二度とあんな経験は嫌ですからね!」
「は、はい…」
俺とミリィノはホールディングスを出る。
すると聞き覚えのある声が二つする。
「ほらほら!早く〜!」
「ちょ、待ってって!」
「あ!ミリィノちゃんとアレルさん!任務報告終わり?」
「ええ、そうですよ。
まぁ、私は寮チェックの報告ですけど」
「お前は何してるんだ?」
「私もヨーセルと今から寮チェックの報告をしに行くところ!」
「今からですか?随分と終わるのが遅かったですね」
「はぁ、はぁ、、それは!スタシアが寮チェック中に持ち込み禁止なテーブルゲームをしてる団員と混ざって遊んだりしていたから!です!
疲れた…」
ヨーセルは肩を上下に揺らしながら息を切らしている。
「ちょっ!!ヨーセル!それ内緒だよ!!一番言っちゃいけない人達の前で…」
「ヨーセルさん。ありがとうございます!あとはこの子は私達の方で引き受けますね!」
「あぁ、ヨーセル。お疲れ様。
こっち来いクソガキ」
「ふ、二人とも落ち着いて?私はただ、みんなとの交流を深めようとね?」
「言い訳ならいくらでも聞いてやる。お前にそんな余裕があればな。」
「ヨーセル!助けて!」
「しっかり怒られてくるんだよ~」
「裏切者!」
俺とミリィノはスタシアを引きずりながらホールディングスへと入る。
メアリー女王の目の前でスタシアを1時間近くミリィノと説教した後、
俺はホールディンクスから出る。
ホールディンクスを囲む城壁に寄りかかりながらヨーセルが座っていた。
「ヨーセル?ずっとそうしていたのか?」
「はい…スタシアが心配で、、」
「そうか、本当に仲が良いな。お前たちは。」
「ほっとけないんです、、スタシアのことが。」
「仲が良くて何よりだ。
スタシアならもうすぐミリィノと出てくると思うぞ。」
するとちょうどミリィノとミリィノにおんぶされたスタシアが出てきた。
「あら、ヨーセルさん。待っていたのですか」
「はい。スタシアは…?」
「寝てしまいましたよ。相当アレルが怖かったのか終わった後に緊張が解けてこの通り。」
「俺からすればお前の方が怖かったけどな」
「なんか言いました?」
「何でもない」
「ミリィノさん、スタシアは私が屋敷まで届けます!」
「良いのですか?」
「はい!ついていったのに止められなかった私にも責任があるので。」
「ならお願いします」
「失礼します!」
ヨーセルはミリィノからスタシアを受け取り、おんぶしてからこちらにお辞儀をする。
そして後ろを向いて歩きだす。
「ヨーセル」
俺はヨーセルを呼び止める。
「気を付けて帰れよ」
「はいっ!ありがとうございます」
俺とミリィノはしばらく去っていく背中を見ていた。
「優しいですね、アレル」
「なんで拗ねてるんだよ」
「別に拗ねてないし…」
「早く二人が安心して暮らせる世界にしたいな。」
「ふふっ」
「なんだよ」
「いえ、アレルのそういうところ大好きだなって!」
「そうか。俺もミリィノのことが好きだよ」
「…え?もう一回言って!」
「言わねーよ。早く帰るぞ」
「言って言って言って!」
「ガキかお前は。」
読んで頂きありがとうございます。




