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【感謝!8万pv!】双子の出涸らしの方と言われたわたしが、技能牧場(スキルファーム)を使って最強のテイマーになるまで。  作者: いとう縁凛


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075 ルコより修繕依頼


 スカディで冒険者の等級をシルバー級に上げたわたしは、ビリアから東の街ゴルハトを拠点として活動していました。

 ゴルハトの冒険者ギルドのクエストボードに貼られていた、シルバー級が受注できる全ての討伐クエストを終えています。

 たった一日で十件ほどのクエストを消化してしまったため、漆黒の旋風という呼び名がついてしまいました。

 二つ名がつくほどの活躍は、それだけで目立ちます。ですがそれは化け物としての扱いではなく、どちらかといえば羨望の方だと思っていますが、どうでしょうか。


 討伐クエストを受注し、討伐の証明を冒険者証に残し、報酬をいただきました。

 十件のクエストを終えたため、わたしの手元には合計で金貨五枚あります。

 一人で活動するにはさらなる報酬を得なければいけません。イザヤ様のように、魔法鞄もほしいですし。


「ルコにて、次元の裂け目が発生。修繕依頼が出ると思います。動ける冒険者の方は、すぐに向かって下さい」


 今夜の宿はどうしましょうかと考えていると、ギルド職員の方からお話がありました。

 修繕依頼。以前のときは、まだまだステータス値が低く、あまり貢献できませんでした。

 今回は、有り余る力を存分に発揮できるでしょう。


 わたしはすぐに、ルコへ向けて出発します。

 漆黒の旋風が向かうようだ、とどなたかが囁くようなお声がしました。

 ですが気にせず、ゴルハトの街から出てすぐに血流を操作します。

 背後で歓声が上がったような気がしましたが、すでにそのお声は遠く。

 血流の操作と<敏捷性、200万>のおかげで、通常であれば馬車でも半月近くかかる距離を半日で移動できました。


 ルコの門外には、怪我人が多くいらっしゃいます。

 お一人ずつ<治癒>をかけたかったですが、今のわたしは<攻撃力、200万>。人格を変えてしまうでしょうし、何よりも効率が悪いです。

 怪我人の中には冒険者と見られる方々もいて、水属性を持つ魔法職の方々はその治療に追われています。


 ……一つ、試してみましょうか。


 わたしの高すぎる攻撃力値でも治療が可能かどうか、思いついたことをやってみます。

 わたしは地面に手をつき、地面に向かって<治癒>をかけました。

 予想の通りになれば、地面に接している方すべてにほどよい<治癒>がかかるはず。


 ……ダメでしょう、か?


 任意の相手の<治癒>を行うスキルですが、やはりしっかりと面と向かわないとダメでしょうか。

 そう、考えていたとき。

 年の瀬が迫る乾燥した大地に、まるで夏のような青々とした草がパッと生えました。

 それとほぼ同時に、怪我をされていた方々が治ったと喜ぶ声が聞こえます。

 人格に関しては判断できませんが、確認する術はありません。変わっていないと願いましょう。


 なぜ急に怪我が治ったのか、何が起きたのか。そんな「混乱」からいち早く立ち直った方が、草のことに気がつきました。そして、その延長上にいるわたしにも。

 ここで話題になってはいけないと思い、すぐにその場を離れます。

 血流を操作する前に動いてしまいましたので、うっかりしてララゴの方まで進んでしまいました。

 ですが、これでちょうど良いと思います。

 ルコの門前では人が消えたと噂されているかもしれませんが、次元の裂け目が発生している状況ではそれも些末なことでしょう。


 次元の裂け目は、どんな状況でしょうか。

 可能ならばまた駆けつけて狂乱状態にある魔獣方を討伐したいです。

 問題は、ルコはわたしのことを知る方々がたくさんいらっしゃるということでしょうか。

 前回の次元の裂け目が発生した時期は、十月の下旬。それから一月以上経過しているものの、通常ではあり得ないようなステータスの上がり方をしています。

 わたしがテイマーだと知っている方も多くいますが、テイマーが桁外れのステータスになるということは、まだ知られてはいけないと思います。

 もし、万が一にも、わたしと関わった方々がテイマーの情報のために命の危機にさらされたら。

 知らなければ、助かる命もあると思います。


 騒ぎを起こす魔獣を全て討伐したいと思いますが、目立ってはいけません。

 黒のローブは、昼間は目立ちます。夜に行動しましょう。

 空いた時間は、何をしましょうか。

 そう思ったとき、以前冒険者ギルドの食堂で働かれている女将コノル様が仰っていたことを思い出しました。


――一度発生すると、各所で魔獣が発生しやすくなる。街道にも現れている――


 次元の裂け目の発生は、何かしらの魔獣発生の引き金になるのでしょう。

 コノル様のお言葉を思い出し、わたしは日が暮れるまで湧いてくる魔獣の討伐をすることにしました。

 可能であればテイムもしたいですが、どこで誰が見ているかわかりません。討伐を優先としましょう。


 わたしはイルとゴルの力、<気配探知>を使ってみました。

 二体分の<気配探知>だからか、その範囲は広いようです。頭の中にアラバス王国全土の地図が広がり、魔獣の位置がわかります。

 魔獣は、赤い丸のようなもので表現されているようです。

 そして頭の中に広がる地図の右上に、<172>と数字が出ています。この数字は、何を示すのでしょうか。


「魔の森とメタン湿地とスカディは、これが普通なのでしょうか」


 今も冒険者の方々が戦っていると思われるルコの赤い丸は、次元の裂け目が発生理由でしょう。他にもいくつか転々と赤丸が着いているところがあります。

 これが、次元の裂け目が発生したことによる二次被害でしょう。

 しかしそれ以外で大量に赤い丸がある場所は、なぜ発生しているのでしょうか。

 メタン湿地やスカディの魔獣方は、一度わたしが全討伐しました。それにも関わらず、討伐したときと同じくらいの数が湧いているような気がします。


「あっ」


 魔の森、メタン湿地、スカディの魔獣発生理由を考えていると、急に気配を探知できなくなりました。

 慌てて技能牧場の画面を開き、確認します。


「そうでした。<気配探知>は回数ではなく持続時間でしたね。えーと、<気配探知>は風属性の<スキルⅡ>ですから……」


 ステータス画面で確認すると、<スキルⅡ>は<172>。その秒数だけ使えるということになります。

<スキルⅡ>の持ち時間を使い切ってしまったので、その項目の文字は薄いグレーのような色になっていました。


 わたしは探知が切れる前に見ていた魔獣が発生している各所へできる限り赴き、討伐します。

 全てを覚えていたわけではないので、まだ不安は残りますが、ルコへ繋がる街道沿いの魔獣は討伐したはずです。

 間接的ではありますが、ルコの復興を手伝えたでしょう。





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