隠密行動
第25章
カルロスは、そもそも商品さえ手に入れば、宰相の侍医のお供のジェノヴァ滞在は、すぐ切り上げる予定でいました。お互い長居する理由も必要もなかったし、何より、侍医がマリアンヌとわかったので。カルロスなぜ自分がマリアンヌの護衛などに指名されたのか、宰相の真意を測りかねていました。怪しまれないようにように夫婦を装ってジェノヴァ入りした二人でしたが、その晩、宰相が指定した宿に入ってから、カルロスあてに男が訪ねてきました。
マリアンヌが近くにいないことを確認したその男は、帝国の駐ジェノヴァ大使からの使いと名乗り、かなり読み応えのありそうな手紙を渡し、
「至急内容をご確認ください。同行のご婦人には内密にお願いします。」
とだけ告げ、すぐ去っていったのです。手紙の封を開ける間もなく、宿の主人に近所の様子を聞きに行っていたマリアンヌが部屋に戻ってきました。すぐにでも大使からの手紙を読まなければならないカルロスは、何とかマリアンヌに怪しまれずに別室に泊まらせようと、一芝居打つことにします。
「マリアンヌ、今夜の君は、魅力的すぎる」
「どうしたの? カルロス。酔ってる? 晩餐で、ワインを飲みすぎたのかしら?」
「君と一緒の部屋だと、何をするかわからない。だから」
「奥様とずっと別れていた上に、こんな用事に付き合わされて、欲求不満なのは同情するけれど。宿の主人によれば、近くに花街もあるそうよ。この宿を出て前の路地を左に行って・・」
「いや、一人で外出はできない。君のことは護衛はしなければならない。もし君の身に何かあったら宰相殿に申し開きができない。でも同じ部屋にいると、今すぐ君のことを襲ってしまいそうなんだ。」
マリアンヌに呆れられるのは誇りが許さないし、我ながら情けない理由だとも思ったカルロスですが、咄嗟にはそんな言い訳しか思いつかなかったのです。案の定、驚き呆れた表情を見せたマリアンヌですが、すぐに笑って、じゃあ、二人で初めての夫婦喧嘩でもしましょうか?と提案してきました。
「派手にやって、私が宿の主人に別の部屋に泊まらせてくれって懇願してくるわ。信用してもらうために、思いっきりやるわよ。覚悟してね、ご主人様。」
新しい部屋に一人きりになって、はじめてカルロスは大使からの通信を読み始ました。
どうも最近ジェノヴァ共和国が不穏な動きをはじめている。特にヴァティカンと何やら陰謀を企てているのではないかと推測していると、大使が宰相に報告したところ、法王庁内の人間に詳しい人物をそちらに内密に派遣するから協力して調査するようにとの連絡を受けた、とのことでした。そして次のような宰相からの指令が同封されていたのです。
「そなたのことは、大使付きの新任の一等書記官ということにしてある。ちょうどジェノヴァ大司教の主宰する晩餐会が開かれるので、大使とともに出席して欲しい。そこに法王庁高官が何名か出席するはずだ。どういう立場の人間が、誰と懇意にしているかなど、状況を探ってきてほしい。くれぐれも本当の身分が露見されないよう、十分注意するように。」
翌日、マリアンヌの香油の取引に同行したカルロスは、宰相からの指令のことで頭が一杯でした。確かに宰相が私的なおかかえ侍医の護衛だけの任務を命じるなど、どこか妙だと思ってはいたので、昨日の指令が隠密でのジェノヴァ行きの本当の理由だったのだと合点がいったのです。
カルロスとしては早くこの取引を済ませて、駐ジェノヴァ大使のもとに行って、明晩にあるその晩餐会での調査の打ち合わせをしたかったのですが、やけにマリアンヌは慎重でした。そのうち包みを一つ一つ調べだしたので、そのあまりの慎重さに、カルロスは少しイラつきはじめましたが、マリアンヌが相手の商人を脅し始めたときに、やっと気がつきます。荷物の中に毒が? カルロスは思わず剣を抜きます。
「貴様、誰に頼まれた!?」
こういうとき、カルロスはマリアンヌの勘の鋭さと、冷静な態度には敬意を感じられずにはいられませんでした。昔からマリアンヌに、自分にはない能力を垣間見ることがあり、心の中では、彼女にある種の敬意を感じることすらあるのですが、今回は、交渉相手の不審な言動に気がつかなかった自分が少し恥ずかしくなり、わざと大げさな行動に出て、恥ずかしさを誤魔化したのです。
そんなカルロスの行動を尻目に、ヴェネツイア人のマリアンヌは淡々と商談を進め、結局、破格の安値で買い取ってしまいました。
「この商人を問い詰めたところで、黒幕はわからないが、とりあえず大使には報告せねば。」
そう思ったカルロスは、マリアンヌには、この陰謀の調査に行ってくるから、3,4日宿で動かずに待っていてくれと告げ、駐在大使の屋敷へと急いだのでした。
ところで、一体、リッカルドはどこで何をしていたのでしょうか。実は、リッカルドは、フィリップの予測通り、ザルツブルグにいたのです。しかし皇帝陛下にも宰相にも知られたくない隠密行動であったため、秘密が暴露されるのを恐れ、誰とも連絡をとらなかったのでした。彼が何事もなかったかのように、姿を現したのは、ちょうどマリアンヌがジェノヴァから戻ってきたばかりの宰相の屋敷でのことです。
「宰相殿、永きに亘る不在、大変失礼申し上げました。何とか妻の容態が落ち着きまして、実家に戻っております。」
「リッカルド殿。心配しておりましたよ。元首殿も、ご令嬢のことは、さぞご心痛であろう。私も体の弱い息子のことは、心配で、いつでも頭から離れなかった。しかしご紹介いただいたマリアンヌ殿のお陰で、心が軽くなった。本当に感謝している。大使」
「マリアンヌ殿は、わが国でも一、二を争う薬草治療の専門家です。」
「そうそう、お時間があれば、帰りがけにでも彼女のから面白い話を聞けると思うぞ。」
「何でしょう?宰相殿」
「マリアンヌ殿はもう少しで、私の暗殺の片棒を担ぐところだったそうだ。同行してもらったカルロス殿から報告を受けた。犯人を捕まえようと、派手に立ち回ってくれたようだから、もうジェノヴァ駐在の各国大使からの報告で、暗殺未遂事件の噂は、すぐに各国に広まるだろう。」
リッカルドがマリアンヌの調合の作業場を訪問すると、リッカルドは、とても心地よい花の香りに不意をつかれました。
「どうやら、大冒険があったようだね、マリアンヌ殿。秘密の花園にでも行ってきたのかな?」
と、いつも通りの様子で話しかけるリッカルドの姿に、マリアンヌは心からほっとしたのでした。
「そちらこそ。リッカルド殿はどちらを放浪されていらっしゃったのかしら?」
「おやおや、あなたに頼まれた情報を調べにいってきただけだが。」
「あら、あちらでフィリップ殿にお会いにならなかった? 私にまで助けを求めるほど、取り乱してザルツブルグに向かわれたのに。」
「何しろ私は、パドヴァの妻のもとにいることになっていたからね。姿は何度も見かけたが、隠密行動のため、申し訳なかったが、表向きは会わないようにしていた。」
そもそもリッカルドが最初に、ザルツブルグに関心を持ったのは、皇帝の南下政策の理由の1つである塩の流通停滞の問題の根本原因を探りたかったからでした。赴任してからすぐに、リッカルドは宰相が南下政策の推進派の筆頭だとわかったのですが、なぜザルツブルグの岩塩の流通に問題が起きたのかが、わからなかったのです。糸口を探していたとき、マリアンヌから、宰相の前妻のことで何か事件があったのでは、と聞かれ、ザルツブルグ候の長女であったことを思い出し、ピンときました。どうも宰相は、ザルツブルグ大司教およびザルツブルグ候と関係が上手く言ってないのではないか、と。
さらに、皇帝陛下に謁見しようと控えの間で待っていたとき、執務室でこの問題を相談されていたと思われる皇帝陛下と宰相がいらしたのだが、皇帝陛下が声を荒げたのを耳にしてわかったのです。おそらく皇帝陛下は、南下政策の前にまずこの問題を解決すべきだ、と主張されたのだろう。本来交渉に赴くべき宰相でなく、わざわざ皇帝陛下が大司教に会いに行くというのを聞いたとき、リッカルドは確信しました。だから、どうしても情報が欲しかったのです。ザルツブルグには、ヴェネツィア共和国の外交官が常駐していなかったのですが、皇帝陛下がジャンカルロに同行を命じたと聞いていたので、後でジャンカルロに尋ねるつもりでいました。
ところが出発直前になって、ジャンカルロがソフィーの容態が思わしくなく、同行できないと回答してきたので、リッカルドは慌てます。皇帝陛下にも宰相にも知られずに、今、ザルツブルグでの交渉の状況を把握しないと、あとあと大変なことになってしまう。そこで、自分も妻の容態を理由に、暇乞いをして、秘かにザルツブルグに向かったのでした。
「もちろん、せっかくザルツブルグまで足を運んだのだから、マリアンヌ殿、あなたの依頼も忘れませんでしたよ。」
「まあ、忘れずにいてくださったなんて光栄だわ。」
「本当のことを申し上げると、それで、宰相殿とザルツブルグ候、大司教との不仲の原因がわかったのです。」
「宰相殿とザルツブルグ候が? 婿と舅という関係でしたよね。たしか、宰相殿の前妻であるドロテア様は、二人目のお子様をお産みになられてすぐ、産後の肥立ちが悪く、ご実家でお亡くなりになられたとか。」
「いいえ、病死ではなかったのです。」
「まさか、殺されたとか?」
「殺されたのか、自殺だったのか。ただ、当時、ザルツブルグ大司教殿は、ミサを行うのを拒否されたのは確かです。終油の秘蹟も行われたかどうか定かではありません。」
「それでは、やはり自殺?」
「どうでしょう。わかったことをつなぎ合わせると、こうなります。ドロテア殿は、二人目のお子様を妊娠され、産み月近くなると、出産のため、ご実家に戻られた。ご長男のロバート様も連れて。宰相殿は、配下の従者を何人か護衛のために派遣したそうです。で、そのうちの一人と。」
「・・・恋仲になってしまわれたのね。よく聞くお話だけど。」
「二人の関係が、いつから始まったのかまではわかりません。ただ、宰相は気づかれた。密告でもあったのでしょう。で、ドロテア殿は、女の子をご出産になったあと、その相手と手と手を取り合って、逃亡しようとしたらしいのです。」
「まあ、なんて無謀なのかしら。シラを切り通せばよかったのに。」
「あなたならそうしたでしょうね。マリアンヌ。けれどドロテア殿はそうしなかった。そしてザルツブルグ郊外の湖の近くで、隠れているところを宰相に見つかってしまった。そこはザルツブルグ大司教の狩猟の館があって、そこにかくまわれていたらしいのです。」
「ザルツブルグ大司教殿は、不倫の味方をされたのですか?」
「いや、ドロテア殿から、嫉妬した宰相の誤解だと言われたのでしょう。翌日には、宰相に説明するので、大司教殿に仲裁役として同席してくださいと頼んだそうです。大司教殿としては、宰相の誤解を解き、二人の命を助けようとしただけだと思います。ドロテア様の父親であるザルツブルグ候も娘の身の潔白を信じていた。
しかし翌朝、湖畔に、二人の亡骸が見つかった。お互い差し違えたのか、自殺したのかは、わかりません。ザルツブルグ候は、娘の身の潔白を信じていたが、自殺か他殺かはっきりとさせなかった。宰相は妻の不貞を責めながらも、キリスト教徒として葬儀はしてほしかった。大司教としてみれば、不倫疑惑の上に、自殺の可能性もある、と葬儀ミサを執り行うことを拒否したのです。大司教にしてみれば、信用してかくまったのに、裏切られたという思いだったのでしょう。」
「もしかして、リッカルド。」
思わずマリアンヌが口をはさみました。
「幼かったロバート殿は、その晩、湖畔にいて、母が自殺するか殺されるシーンを見てしまったのではないの?」
「私もそう思いました。しばらく精神的なショックで、口がきけなくなっていたという話です。」
マリアンヌが黙ったまま何か考え込んでいる様子なので、リッカルドは続けます。
「この事件から、宰相殿とザルツブルグ候、大司教殿の三者の関係は険悪になってしまったそうです。さらに、ドロテア殿の貞節を信じている父のザルツブルグ候も、娘が殺されたのは実は宰相殿の差し金だったのではと疑い、彼に敵対的な言動を取る様になったと。それが、ザルツブルグで採掘される岩塩の帝国内の流通に影響したというわけです。では、次にあなたの冒険譚をお聞かせいただけますか? マリアンヌ殿」
マリアンヌは、宰相に報告したばかりの話をリッカルドにもう一度話しました。マレーネ様の治療に使うと宰相にお願いした香油を受け取りに、なぜかカルロスとジェノヴァに行くことになったと。カルロスは、まだ表向きは教会軍の指揮官という肩書きだったので、念のため二人で変装し、商人夫婦ということでジェノヴァ入りした。しかし宰相から依頼の荷物を持ってきたというジェノヴァ商人の様子で、何かおかしいと感じた、と。
「リッカルド、私たちヴェネツィア人なら当たり前のことと思うけれど、商品を確認もせずに受け取れないでしょう? だから、すぐ支払いをしようとするカルロスを制止して、中身を確かめさせてもらう、と言ったのです。そうしたら、そのジェノヴァ商人は、俺が扱ったものにケチをつける気か、と脅すのですよ。では結構、いただきません、とわざとはっきり申し上げた途端に、安くするから、すぐ全て引き取ってくれないか、と。怪しいと思ったわ。で、私が強硬に中身を調べているうちに、その商人がそわそわしだしましたの。いくつか瓶の蓋を開けて調べるうちに、匂いで、変だとすぐに気がつきました。」
「商品は香油といったね。特別に調合されたものなのか?」
「ええ、ラヴェンダーなどの香りのよい花を抽出して作った精油です。プロヴァンス地方の特産で、香りをかげば、原料成分はだいたいわかります。どうもおかしい香りが混ざっていたのを感じたので、瓶を1つ1つ確認しました。3分の一くらいの割合で、おかしいものがあったわね。そこで、質が劣化しているのが混じっているといって文句をつけ、値切ろうとしたら、相手は、そんなはずはない、としどろもどろになるのですもの。で、このオイルがおかしいのがわからないの、とそのうちの1つのビンを相手の鼻先に近づけたら、相手は冷や汗をかきだして。」
「なるほど、毒入りだったというわけか。」
「飲まなくても、匂いをかいだり、直接肌に塗れば、毒は体内に吸収されるものです。ですから、どう?あなたの腕に塗って確かめる?って迫ったのです。」
「ふふふ、さすがマリアンヌ殿」
「さすがにそこでカルロス殿も気がついて、剣をつきつけて、白状しろ、誰に頼まれたのか?って」
「陰謀の黒幕はわかったのか」
「いいえ、結局彼も雇われただけで、依頼主が誰なのか、その商人は知りませんでした。頼まれただけだと。けれどカルロス殿がかなり脅して、その商人の元締めを探り出そうとしましたけれど。結局カルロス殿も自分の顔を知っていそうな階級の人物に行き着く前に、捜索をあきらましたわ。何しろ彼は、今のところ、まだ教会軍の総指揮官というお立場なのでしょう? どこに彼の顔を見知った人がいるかわからなかったので。」
「確かなことは、宰相の命を狙っている人間がジェノヴァの権力の中枢内にいるということだな。」
「宰相殿はすでに気づいておられるはずですわ。」
今度はリッカルドが黙り込んでしまったので、今度はマリアンヌが続けます。
「それで、宰相殿とザルツブルグ候、大司教との関係は改善されたのでしょうか?」
その問いには答えず、リッカルドは急に話題を変えました。
「マリアンヌ殿、宰相殿のご子息の治療は、まだしばらくかかるのですか?」
「体力の回復とともに、精神的なダメージも軽減されてきたように見受けます。むしろ、マレーネ様の精神状態のほうが気がかりになってまいりました。このたび苦労して手に入れたオイルの効果で、一昨晩からは深い睡眠をとることができるようになられましたが、それでも心配です。」
「すると、あなたの当初のお役目は、だいたい果たされたということですね。」
「マレーネ様は、新たに妊娠されるのが難しいお体だということは、早いうちに宰相殿にご納得いただいておりますし。」
「マリアンヌ殿、実は、あなたの後見役を続けることができなくなりそうなのです。」
「帰国命令が出たのですか?」
「近いうちに出るかもしれません。今回は帰国したら、しばらくの間、自由のきかない身になりそうです。」
リッカルドはそれ以上説明しませんでしたが、マリアンヌはヴェネツィア女だけに、彼が言わんとしていることが理解できたので、こう答えました。
「私も自分の商売の都合もつきましたし、そろそろヴェネツィアに帰る準備を始めますわ。そのときは、ジャンカルロ殿のところに寄って、事情を説明することにいたします。」
「感謝するマリアンヌ殿。最後のお願いだ。ジャンカルロ殿を通じて、フィリップに伝えておきたいことがある。じっくり聞いてほしい。」
「その前に、リッカルド、ひとつお聞きしてよいかしら? なぜあなたは、親族でもないジャンカルロやフィリップたちに、そんなに尽くそうとするの?」
「それがわからないと、もう協力はしたくないと?」
「いえ、純粋になぜなのかしらと。ヴェネツィア人であるあなたが、理想論や感情論だけで動くはずはないとわかっているわ。」
「では、ヴェネツィア人であるあなたには、これだけ言えば理解してもらえるかな。私のような外交官の主な仕事は、火種と火消しだ。そして一度つけた火種が、30年近く、くすぶり続けることもある。火種より火消しのほうが難しいものなのだ。一度点けた火は、ときに思いもよらないほうへ燃え広がって、手に負えなくなってしまうこともあるからね。」
マリアンヌは同郷人との、こういう腹の探り合いのような、秘密の情報を探り出すような会話が実は大好きでした。特にリッカルドとの会話は知的興奮が覚えながらも、将来もしかして火種になりそうなジェノヴァでの”あのこと”は秘密にしておくことにしたのでした。
「わかったわ、リッカルド。ジャンカルロ経由のフィリップへの伝言をどうぞ」
リッカルドが宰相の執務室を出て行った後、その部屋に呼び出されたのはカルロスでした。
「改めてジェノヴァ行き、ご苦労だった。感謝する。」
「宰相殿、いろいろ不手際お詫び申し上げます。おそらくジェノヴァ駐在大使殿より、すでにご報告が入っているかと存じますが。」
「不手際? 私の暗殺事件の黒幕を突き止められなかったことか? そんなこと気にしてはいない。だいたい予想はしていた。今回の毒殺未遂事件は、ちょっとした脅しだろう。とにかく今一番の懸念は法王庁の動きだ。今日は特に晩餐会のときの模様など、じっくり聞かせてほしい。」




