とある少年の物語【第一章・第一話】
目が覚めた、僕はどれくらい寝ていたのだろうか。
(ここはどこだ?)
僕は母さんに首を絞められて死んだんじゃないのか?
思い出すと吐き気がしてきた。
まさか実の母親に首を絞められる日がくるとは、
考えただけで気分が悪くなってきた。
(しかしここはどこなんだ?)
ベッドの隣りのカーテンから眩しい光が差してくる、
僕はその光が差してくる方向を見る、
恐らくそこはベランダだろうと思いながら
ベランダに出てそこから見える街?を見下ろした。
(ここは東京?にしては技術が発展しすぎなんじゃないか?
僕はまだ夢でも見ているのだろうか?)
僕の目に映る光景は、どれも見たことはなく、
まるでドラ○もんの世界に来た感じだが、
少なくとも僕のいた街はこうではなかった。
ここはどこなのだろうか?
そんな疑問よりも僕は
外のそれを見て率直に思った事を言ってしまった。
「すげぇ」
思わず声を漏らすほどだった。
てか僕は何処にいるんだ?
声を出した後にその疑問が頭に浮んだが、
わからない事を考えても仕方ないと思い
僕はこの部屋?を見渡した。
「それにしてもここはどこなんだろう?」
部屋の内装からして女性の家だろうか?
そう思い辺りを見渡していると、鏡があった。
「なんだこれ!?」
驚いた、まさか僕がプ○グスーツみたいなのを着てるとは。
それに首には母さんに絞められた時についた
爪の引っ搔き傷のようなものがある。
そういえば目覚める前に一度意識が戻ってきていたはずだ、
そうたしかあの時誰かの声がしたんだ、よく思いだせないけど。
だとすると僕は別世界に来た説が高いのかもしれない。
某な○うの異世界ものでもこんな展開だった気がする。
いやもう考えても結論はでない、
そう思い考えるのを諦めてた瞬間。
「ただいま~」
誰かが帰ってきた、多分僕をこの家に連れて来た人だろう。
ここは僕から声をかけてみるか
「あのーすみません」
「あっ起きたんですね!
でももうちょっと安静にしてないと駄目ですよ!」
陽気な笑顔で言いながら僕は布団まで連れていかれた。
「はい!もうちょっとここで休んでいて下さい」
そう言って彼女は僕を布団に入れ、水やリンゴを置いた。
リンゴの皮をむいてる彼女に僕は気になっていることを聞いた
「あの、このプ○グスーツみたいのは何ですか?」
素朴な疑問だが他のことよりは回答しやすいと思い言ってみた
「プ○グスーツ?それは聞いた事ないけれど、
貴方が着ているのはゼぺニングスーツよ」
(ゼぺニングスーツ?)
初耳だ……それもそうか、
僕はまだこの世界で目覚めたばかりなんだから。
「そのゼぺニングスーツはどういったものなんですか?」
服を着ている感覚はあるがこれを着ている感覚はない
「ゼぺニングスーツはね、
この国には夜がないからある時間になったら
このスーツを着ている人を強制催眠して
時間を調整するために作られたのよ」
なるほど、まぁ宇宙ものによくあるやつだ。
……待てよ?だとするとこの人は
どうやって僕にこれを着せたんだ?
「あの~僕ってどうやってこれ着たんですか?」
そう言うと彼女は頬を赤らめて言った
「すみません!悪気はなかったのですが
道に倒れていてスーツを着てなかったので、
着ていた服を脱がせて医療用ゼぺニングスーツを
着せてしまいました!」
なるほど、ゼぺニングスーツとやらには
色々種類があるのだろう。
だが何故彼女は僕を着替えさせただけで頬を赤くしたんだ?
待てよ?そういえば僕は今パンツを履いているのだろうか?
「もしかして僕のパンツも……その」
「すみません!
そのパンツと言う名前のものかは分かりませんが、
下に着ていたものを脱がしたら……見てしまいました」
それは頬を赤らめて当然だ、
まさか僕の僕を見てしまうとは。
「いいですよ、僕は助けてもらったので」
ひきつった笑顔でそう言う。
勿論僕だって見られたのは恥ずかしい、
だが助けてもらったてまえ見ないで欲しいとも言えない、
それに僕は気を失っていたのだ文句は言えまい。
「そういえばまだ名前を言ってませんでしたね」
急に話題を変えた、だが丁度いい、これ以上はお互いのためだ。
それに彼女の名前は聞いておこうと思っていた。
「そうですね、では僕から、僕の名前は神崎相馬です」
どうだろうか?もしかしたら
ソウマ=カンザキの方が良かっただろうか?
「私の名前はエリ=アルカテイルです、歳は十五です」
特に何も言われないってことは大丈夫ってことだな、
てか一個上かと思ったがまさか同い年だったとは。
「十五歳か、じゃあ僕と同い年だね」
「えっ貴方も十五なの!
てっきり十三歳くらいかと思ったわ」
確かに僕の身長は小さいがエリさんとは変わらないはずだ、
だがまぁこの世界では多分僕の身長は中一位なのだろう。
「はは、後僕の事は相馬でいいよその方が分かり易いだろ?」
まぁここは深掘りさせないでおこう、
とりあえずこれで誤魔化せればいいが
「そう?なら私もエリでいいわよ」
良かったエリさん、じゃなかった、
エリが鈍感でホントに良かった。
「分かった、それじゃあよろしくエリ」
「こちらこそよろしくソウマ君」
まぁうん、仲良くなれてよかった。
なんだろうか、急に眠気が襲ってきた。
(なるほど、ゼぺニングスーツ恐るべし)
色々あって脳が追い付かないが
僕はそう思いながら僕は眠りについた。