1-1 異世界?いや洞窟だ
目を開けたそこに広がっていたのは、薄暗い場所だった・・・
「どこだここは?地下か?」
壁を触り、地面を触ってみるとここが普通の建物の中じゃない事がわかった。
「壁があって地面が土、洞窟の中っぽいな・・・外に出よう」
暗いが歩けないほどじゃない、ここにとどまっても仕方ないだろう。
一つだけある出口へと向けて歩き出す。
「なにもいないならいいんだが・・・そういう訳にもいかないよな」
芋虫みたいなのが這いずっている。
「でかいな、これが異世界サイズというわけか。今使える物はなんだ?」
少女から渡されたポーチに手を伸ばすと、何が作れるかが頭の中に入ってきた。
・手投げナイフ
・針
「この二種類だけか、あれに針は効果が薄いだろう。ならばここは手投げナイフだ」
ナイフを取り出し投げつけていく。距離が遠いのもあって簡単に倒すことは出来た。
「近くで見ると気持ち悪い、こんなのに迫られたら最悪だな」
芋虫の大きいのがいるのなら、他の昆虫も大きいのがいるという事・・・昆虫に群がられて死ぬとか考えたくない死に方だ。
「ん?なんだ?」
芋虫に触ると、芋虫がポーチの中に吸い込まれていった。
一体どういう事だろうと思い、ポーチを触って確かめてみると・・・
・糸 New
「新しく糸を作り出せるようになったか、どれどれ・・・」
糸を取り出していじってみると、伸び縮みのする糸のようだ。
「なるほど、魔物を吸収して、吸収した魔物に応じた物が使えるようになるわけか。どこが投擲物なのか判断に苦しむところだが・・・役に立つなら問題ないな」
敵は倒せそうなら倒す、複数いれば逃げるというスタンスで動くことにしたのだった。
さらに進んで行くと、階段を見つけた・・・のだが。
「下へと進む階段・・・まぁ俺には進むしかないからな。出口が上か下か分からない今、前へ進むだけだ」
意を決して下への階段を下りていくことにした。
これが出口へと続く道だと信じて・・・・
次は明日の朝7時に投稿です