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私は聖女じゃない?じゃあいったい、何ですか?  作者: 花月夜れん
第一章・光の精霊の国

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43話・いたい

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「昨日のアレが予言の魔物じゃなかったの?」


 ライトが小さく頷くと話を続けた。


「アレは予言の魔物のほんの一部だ。本体は、カナの結界の外にいる」


 アレで一部なの……。


「この前のカナに憑いた魔獣の欠片のせいで結界に綻びが生じたんだろう」


 この前の魔獣って、カナちゃんが目覚めなかった時にいた、あの一つ目の蛇?


「そこからアレが侵入した。予言の魔物本体はまだ身体を隠して結界の外から様子を伺っているんだろう」

「卵って何?!」

「孵ればカナの中から精神を喰らいつくす魔獣になるだろう。あの卵は魔力を吸って成長する。魔力の低いカナは、時間がかかるだろうが……」

「魔法でどうにか、できないの?」


 ライトはゆっくりと首を横にふる。


「光の浄化魔法では、完全に消すことはできない。あの魔獣が残ってしまったように。予言の魔物は光と同じ力を持っている。相反する精霊の力が必要だ」

「相反する?」

「闇の精霊との契約だ」

「闇の精霊と契約すれば、カナちゃんを助けられるの?」


 今度は縦に首をふる。

 助ける方法はあるのね。


「縛られているカナはこの国から動けない。自由のあるリサなら闇の精霊のところに行けるだろう……?」


 ーーー


 部屋に急いで戻ってきました。が、間に合いませんでしたー!!

 アリスが必死に私を起こそうとしています。

 やめて、私はここにいるの! あーっ!


「「リサ戻る?」」


 戻ります!戻るからはやく何とかして!!


「「はーい」」


 ミニライト達二人がほっぺの横にきて、


 ちゅ

 ちゅ

 同じところにキスをした。

 戻る時もキス!? じゃあ、もしかしてあの時も……!?

 再び爆弾を落とされたがそれどころじゃない。


「アリスちゃん!! 私、起きてます! 起きてます!」


 急いで私は主張する。

 耳もしっぽも垂れて呼び続けていたアリスの動きが一瞬止まり、痛いほど抱きしめられた。


「よかった!」


 息がっ、息が出来ません!!

 ぷはっと、なんとか顔を出して息をする。


「ごめんなさい。ちょっとお出かけしてました」


 ぐにっと、両頬を引っ張られる。

 あの、これじゃあしゃべれません。


「ひゃんとふぇつふぇいふふのへほっふぇたのヴぃのヴぃふるのをやふぇふぇふだふぁい」


 ぱっと放された。


「で、どこに行ってたのかな?」


 私はまた、あのゴゴゴゴ怒りの炎のアリスと対峙することになった。ただ、その中に心配してくれた気持ちも感じて、ほっぺたはいたかったけど、ほんの少し嬉しかった。ほんの少しね!

ここまでお読みいただきありがとうございます。

また次回もお会いできるように頑張ります。


では次回の更新もよろしくお願いします。

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