17話・できた!
「どうしてそんな面倒なことしてるの?」
真顔でライトが聞いてくる。こっちは恥ずかしさで爆発寸前なんですが……。
「リサは光の魔法が使いたいの?」
「ん?」
さっきの恥ずかしいポーズのことを聞いてたんじゃないの?
「光の魔法が使いたいなら、僕達の名前を呼んでよ」
???
僕達? 名前を呼ぶ?
「ライトさん?」
「さんはいらないよ。それに命令も一緒にしてくれないと」
ん、命令? キラキラ光ってとかでいいのかな?
「ライトっ!」
さっきは何も起こらなかったのに、今ですか! といわんばかりに私のまわりがキラキラ光りだした。
ちょっと、いやだいぶ眩しい。でも!
「出来たできた! ライトさんありがとう!」
嬉しくて、お礼を言おうと振り返ると、またライトの姿はなかった。
もしかして、ライトは……光の精霊さんだったりするのかしら?でも、あんなにはっきりくっきり見えるし。アリスにも確認してほしかったな。結局、ライトを見たのは私だけになっちゃった。それに、またありがとうを言いそびれてしまった。
うーん、また会えるよね。きっと。そうだ!
まだ、アリスは来ていないから、他に魔法が使えないか試そう!
光がライトなら、火はファイヤーとか風はウィンドとかかしら?
そして、命令をする! と、
「ファイヤー!」
しーーん。
「ウィンド!」
しーーん。
うん、そんな単純じゃなかった!
ーーー
結局あれから、唯一成功したのは水のウォーターだけだった。でも、アリスが作ったのと同じ水球を作れたし、手伝ってくれた水の精霊さん? らしき姿もまた見ることができたから満足満足。
「リサちゃん。お疲れ様。どうだった?」
もうすぐ、お昼になるかなという頃にアリスが戻ってきた。
「あれ、ルードは?」
「なんだか、急に用事ができたみたいで、急いで何処かへいっちゃいました。アリスちゃんにもすいませんって」
「ふーん」
あれ、なんだか、怒ってます?
「私は大丈夫だから行って下さいって言ったんだよ?」
「ボクはリサちゃんをよろしくってお願いしたのになぁ!」
あ、やっぱり怒ってる。ここは、気をそらせるか!
「ねぇ、アリスちゃん! 見てみて! ライトっ!」
キラキラとした光を飛ばす。
「かーらーの、ウォーター!」
水を霧状にだす。光の乱反射で小さな虹を作る。
アリスはとても驚いた顔をしていた。
どーだ! っと、鼻高々に私がふんぞり返るとアリスはとても困った顔をしていた。
「リサちゃん、これは……。ルードに教えてもらって出来たの?」
え、えーっと、それはどういう意味なんでしょう。




