13話・見てしまった?
「僕は、ライト。君の名前は?」
あれ、なんかデジャヴ。後ろに振り返ると、私より少し高い身長の男の人が立っていた。
「莉沙です。はじめまして」
今度は、間違えられないように、「あ」は言わない!
「そう、よろしくね。リサ」
そう言って、笑顔を浮かべライトは近付いてきた。これがまたすごい美形さん。きらきら輝いていて眩しい! 金色のさらさらした髪が肩にかかり、同じく金色の眼がこちらをじっとみている。
城の中にいるならお城関係の人よね? じりじり近寄ってくるけど大丈夫かな……。
「こっちだよ」
「あ、どうも」
身構えていたけれど、拍子抜けするほど彼は普通に案内し始めた。こっちはアリスが連行されていった方向だ。
「はやく来ないとまた置いていかれちゃうよ?」
ライトは歩くのが速いのか、どんどん先に行ってしまう。
私は急いで彼を追いかけた。
「ライトさん、待って!」
そう言うと、ライトの速度が少し落ちた。あら、よく見ると裸足だわ。なんだか着ている衣装は色は違うけれど前に見たアリスの服に似ているような?
「着いたよ」
後ろ姿を追いかけていると、見覚えある部屋のドアにたどり着いた。
ここ、だよね?
そっとドアを開けると見覚えがある、天蓋ベッドがあった。
「ありがとう、ライトさん」
「それじゃあ、またね」
くるりと、後ろを振り返るとそこにライトの姿はなかった。
どこにいったんだろう? お礼言いたかったのに。
まあ、城の中でまた会ったら言おう。そう、決めて部屋の中に入った。
数十分後、アリスがすごい勢いで、ドアをノックしにきた。
「リサちゃん! 置いて行ってごめんね!! 大丈夫だった?」
「大丈夫だよ。だからそんなにドンドンしないの!」
やっと、解放されたのか、うるうる半泣きのアリスがドアの向こうに立っていた。あぁ、なんかしょぼんと小さくなって可愛いなぁ。男の人に使う言葉ではない気がするけれど。
「失礼します」
あら、さっきの片眼鏡さん。
二人が、部屋に入ってきたので、どうしようか思案していると、侍女さん達も一緒に入ってきて、お茶の用意をしてくれた。
同時にテーブルセットも用意されていたので、そちらに座ることにした。
「先程はすみませんでした。まわりを確かめずにリサ様を1人置いていってしまい」
「いえ、大丈夫です」
ライトに案内してもらえたので、助かった。ここ、本当に広くて迷路みたいなんだもの。
「私ソーイと申します。アリス様の執事をしています」
「兼、お友達なんだ!」
「友達だって言うなら、もうちょっと労れってんだ。ったく」
嬉しそうにニコニコとアリスが紹介に加わった。とても仲がいいのかな? アリスが会話に加わるとソーイは急に口調が砕けた。そっちが地なのかな。
「それにしてもよく迷わずにここに戻ってきたよね?」
「迎えをだしたんだが、もう部屋に戻ってきていますと連絡を受けてな」
あぁ、それは、と言おうとしたところで遮られた。
「侍女さん達から聞いたよ。1人で戻れるなんて、記憶力いいんだね」
「え?」
鳥肌がたった。まさか、ライトは幽霊ですかっ?!




