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序章 超能力

 30数年前、人々は突然変異を起こした。

 始めに其と分かったのは皆川みなかわ いおりとゆう齢17の少女だった。

 平日の高校で苛め被害にあっていたらしい証拠の突発的な覚醒により起きた淡い火花は彼女の回りを覆い、触れた同級の苛め実行者に着火し重度の火傷を残した。

 それから全世界的に局所的な感情の起伏による能力の覚醒は多発し今では能力研究も進んで専門の学校も設立されている。

 と同時に多数出現したのが人以外での覚醒生物だ。

 それは千差万別で海の生物だったり陸の生物だったり昆虫だったり、果ては植物の覚醒生物も多数確認されている。

 そうして覚醒した生物に共通し言えるのが子孫繁栄能力の欠如だ。

 覚醒した生物は生殖器と引き換えに特殊な力を得る。

 これは仮説らしいが能力に覚醒した瞬間から同一種族であっても別の生命と認定される故に生殖が行えないと細胞レベルで書き変わるらしい。

 これは科学者の業界じゃ定説らしくて少し前に毎日ニュースで流れた時期もあったらしい。


「なあ春也はるや! なに読んでんだ?」

「見て分からないか?」

「分からないから聞いてるんだぜ?」

「簡単だよ、普通の何処にでもあるライトノベルだ」


 俺は言って本を閉じ表紙を見せてやった。


「あ! コレって糞作品で有名な奴だろ!?」

「世間の評価なんて知らねぇよ、俺的には良い作品なんだから放っといてくれ」

「まあ春也が言うなら良い作品なんだろうけど、それで?」

「ん? なんだ?」

「惚けんなって~! 進路は決めてんだろ?」

「まあな、もう入学は決まってるし後は日を待つだけさ」


 俺はハーレム物にしては変に泥々した部分の多いラノベを机に置くと机の中から1枚のカードを出して見せる。


「ほら、能力者の認定カード。 羨ましいだろ?」

「まあ少しはね、能力者は将来有望だしな。 でも俺は覚醒しなかったしキッパリ諦めて工業系列の有名高に受験したさ」

「受かってたんだっけ?」

「おう! 面接なら自信あるんだよな~」

「じゃあ良かったじゃん、前から言ってたもんな」

「おう! 俺の親父は町工場でエンジンの部品作ってるからな! ソコで俺も働くんだよな!」

「そうか、じゃあ別々の道になっちまうんだな。 でもまあ、何時までだって俺らは友達だr・・・」


 俺が頬をかきながら言い掛けた瞬間、『ズドオォォォォォン!』とゆう何かが落ちるような音が三階にある教室の窓から見える校庭に大きな穴が開く。

 窓際の席だから窓越しに穴からモクモクと上がる砂煙を見つめる。

 そして視線を外すと少し霞んで見える程度の三階建てマンションから黒煙が上がっている。


「どうゆう状況だよ春也?」

「俺にも分からないけど、少なくとも逃げるべきなんだろうな」


 俺は首を回し後ろで慌てふためき教室を我先にと出ていく生徒に目を向けた。


「どうする? 今動いても出れそうにないけど?」

「う~ん、どうしよ? 廊下空いてきたら動こうぜ?」

「おう、俺も同意だ」


 俺は言うと窓に目を向け、そして目を見開いた。

 そこには、窓に飛び移ろうとゆうバッタのような肌かんと顔の人間がいた。

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