一話 始まりの朝
『勇者』
絶望に満ちた人々をまとめ上げ
魔王軍との戦いでは最前線で戦い魔物を一瞬で倒していく。
その姿は平和・希望の言葉そのものであると伝えられてきた
そしてそれに相反するものがいる
『魔王』
魔物たちを統べ、絶望と滅びをもたらすものである
その姿はさながら世界最悪の害悪そのものであると伝えられてきた。
俺はやはりその勇者にあこがれていた。
かっこいい勇者になりたい
世界のためにみんなのためになれるような
そんな、勇者になりたいと思った。
・・・絶対になれないとも知っていたのに。
だから俺は努力した。
せめて、勇者様の役に立ちたい。
せめて、近くの人だけでもいい。助けられるようなひとになりたい。
そう思った。
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「ふぁぁ、ぁもう朝か」
時計を見るとまだ朝の5時前だった
ちょっと早く起きすぎたかな?
まぁ仕方がない
なんてったって今日は待ちに待った勇者召喚の日なのだから!
俺は大変名誉なことに
なんと勇者のパーティーの強化や回復をする“僧侶”の役職に選ばれたのだ!
倍率約五千倍
この倍率を勝ち抜くのは本当に大変だった
まず、することとなると基本となる医療だ
内容は薬草の知識 体の構造 魔法での傷の治療、その正確性の向上させるなどが主なものだ。
あと、どんな状況でも対応できるように武術も身に着ける。
これを毎日十時間だ
時間をきくだけでこの大変さがわかるだろう
この過酷な訓練と勉強を乗り越えて俺は“僧侶”になったのだ!
当たり前だが他の役職もある
遠距離から多彩な魔法で効果的な攻撃を行う“魔導士”
近距離から華麗なる剣技によって敵を圧倒する“騎士”
どこからもトリッキーな攻撃をする“狩猟
この四つが今回の勇者のパーティーの役職である。当然だがまだ多くの役職はある。
回復系は俺しかいないから頑張らないと!
あ、あとなんでまず勇者が召喚される日が決まってるかって話だが
この世界の最も高い山エイバースに陰刻の祭壇に日時計がある。
この日時計の影の長さは年々短くなっていて
もうわかると思うがこの日時計の影がなくなったときに勇者が召喚されるのだ。
短くなる長さは毎年全く一緒なので、日にちは計算すればわかる
そして、時間のほうは影は正午にしか短くならないので、
朝や夜に召喚されることはない。
本当にうまくできているものだ。
って俺誰に説明してるんだ・・・
楽しみすぎて舞い上がってるんだ。
きっとそうだ。
さて準備は昨日のうちにしたし
朝飯は手軽に済ませたが
まだ朝5時過ぎ
教会に行くまで時間かなりある
「暇だしここらを散歩でもするか」
そして俺は外に足を踏み出した
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「・・ここどこなんだよ」
あたりには、霧が立ち込めり。
まわりがまったくみえなくなっていた。
地面をの感触は町の石造りの道とは違い
土に近い、というか土だった。
目を凝らすと辛うじて木や池?っぽいものが見える。
そして朝早いということもあり誰も周りにはいなかった。
(森、か?)
いやいやいや!町からどうやったら森につくんだよ!
確かに家出てから霧はでてたけどさ
それでも近所そんなところで迷うか?
俺はそこで一つあまり信じたくない仮説を立てた
もしかして、幻覚魔法か?
だとしたらなぜだ?
確かに勇者のパーティーには選ばれたが
人には妬まれないように気配ってきたはず・・
それに勇者のパーティーの発表は当日
つまり今日だ。
俺がパーティー選ばれるのを知っているのはごくわずかだ
その中から俺に幻覚魔法をかける人がいるとは考えにくい。
考えすぎか
ひとまずもう少し辺りを回ってみるか
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「本当にここはどこなんだ?!!!」
辺りを回っても土の感触は変わらないし
霧も薄くならないし
どう目を凝らしても景色が変らない
(やっぱり誰かがかけた幻覚魔法なんじゃないか?!
・・だめだ、だめだ!こんなとこでろ疑心暗鬼になっては! そんなことを考えるより打開策を考えろ)
くそ、だめだ散々考えたが全く考えがつかない
どうする。こんなところで迷ってたら任命式に間に合わない。
それどころか
時間に間に合わなかったらパーティーから外されてしまうかもしれない
ここまで頑張ってやっと勇者のパーティーに選ばれたのに
夢をかなえたと思ったのに・・・
こんなところで?それにそもそもなんで人がいないんだよ?!
俺は何か悪いことをしたのか、、、してないだろ?!
こんなところで、、、、、
なんで、なんでなんで、
(なんでだよ、なんで、なんでなんだ!)
「くそがっ!!!!」
スタッ、スタッ、スタッ
そうして俺が怒号をあげたとき
俺の足音とは違う場所から足音が聞こえた
「やぁ少年!こんなとこでどうしたのだ?」
そこには、黒のドレスに白いフリルのついた服を着ている
ロングヘアの銀髪で可愛げ少女が“目の前”にいた。
どうも作人です。
いかがだったでしょうか?
不定期で投稿していくので、次回がいつになるのかわかりません・・・
なので気長に待っていただけると幸いです