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11話 悪役令嬢は指導する(1)

長くなる為、途中で切っていますので少し短くなってしまいましたが、お楽しみ頂けると幸いです。

「お、おい。本当にこんな所まで来て大丈夫なのか…?」


 そう言ってセドリックは辺りを見渡した。そこは一面が草木に囲まれている。


「大丈夫ですわ。奥に入らない限りこの辺りは魔物も滅多に出ませんし、もし何かあってもわたくしが何とかしますわ」


 アイリス達は公爵家の庭園と繋がる森の中にいた。


「何とかって…」

「嫌ならば、他の方に頼んで下さい」

「…別に嫌とは言ってない」


 そう言ったセドリックは額に冷や汗を滲ませている。


 明らかに嫌って顔してますわ、お兄様。

 まあ、確かにお兄様と言ってもまだ、六歳ですもの。森は怖いですわね。

 でも、仕方ないのですわ。わたくしは、魔力を制御出来ないと言う事になってしまいましたもの。庭なんかで魔法を教えればお父様や使用人達に嘘がバレますわ。



 さてと――


 アイリスの手の平から気にも留まらない程僅かな光が漏れた。


 防音魔法、魔力感知遮断、気配感知遮断、…これで大丈夫かしら。

 プライレス家の使用人って、何だか尋常じゃなく強いのよ。こうでもしなければ直ぐに見つかってしまいますわ。

 それに、何時も誰かしら使用人達がわたくしの近くを付いて回っているのよね。

 今日だって撒くのに思いの外時間が掛かりましたし…。わたくし、付いて回られる位信用無いのかしら…。


 ……まあ、いいですわ。今はお兄様ですもの。


 アイリスはセドリックに向き直った。


  「お兄様。魔法をお教えする前に約束して頂きたい事がありますわ」


 不安げに辺りをキョロキョロと見回していたセドリックはアイリスに目を向けた。


「…何だ?」

「お兄様には、此処での事を全て秘密にして頂きたいのですわ」

「…それぐらい別に構わないが、何故わざわざ?」

「……………。


 お兄様と二人だけの秘密にしたいのですわ!」


 そう言ったアイリスは誤魔化す様にへらっと微妙に引き攣った笑顔を作った。


 ……。


 …咄嗟に気持ちの悪い事を言ってしまいましたわ…!

 でも、お父様に魔石のネックレスまで頂いたのに今更嘘だったなんてバレれたら色々怖いですもの!!


 セドリックが拍子抜けた顔でアイリスを見たが、アイリスは素知らぬ顔でストレッチを始めた。少しの間唖然としていたセドリックもアイリスに続きストレッチを始めた。


 ストレッチを終えたアイリスはセドリックに向き直った。


「それでは始めましょう。お兄様」




 _______________



 ボフンッ。



「「……………」」


「…お兄様。もう一度やって頂いても…?」

「………分かった」


 セドリックは両腕を前に真っ直ぐと伸ばすと、開いた手の平に力を込めた。


「…ぐぬぬぬっ」



 ボフンッ。


 セドリックの手の平からは爆発音と共に黒い煙が押し出されてきた。


「……下級魔法の中でも簡単な『火球』を不発させるなんて…お兄様、ある意味天才ですわ」

「…なっ!う、うるさいぞ!!」


 アイリスは思わずと言った様にセドリックの自尊心を逆撫でする様な言葉を漏らした。そんなアイリスの言葉にセドリックは赤面しながら声を荒らげた。


 …『火球』が不発する所なんて初めて目の当たりにしましたわ。びっくりしてつい、心の声が漏れてしまったじゃない。


 失言したと思ったアイリスは直ぐに話題を変える。


「そう言えば、お兄様は六歳ですからもう“魔力測定”に行かれたのですよね。結果はどうだったのですか?」



 前世のお兄様であれば、“A”だったはずですわ。

閲覧ありがとうございます!


最近、忙しくて中々小説を書く時間がなく、更新が定期的に出来なくなります。

ですが、これからもまったりと続いていきますので、お暇な時にでも読んで頂けると嬉しいです!

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