7 博打という名の一本道
デュラハンが剣で攻撃する
が、
剣は柄池の寸のところで止まるのであった。
「剣は止まった、か……」
見据えた柄池は現状整理の言葉を出した。
デュラハンは小刻みに震える。
柄池から続けて言葉を出す。
「良かった、あんたはきっと止めてくれるって信じてたよ」
柄池は安心の言葉を呟いた。
その言葉がきっかけでか、デュラハンは離れていき、頭を抱えて苦しみ始める。
「どうした? 大丈夫か!?」
柄池の心配の言葉。
しばらくもがくようにデュラハンは苦しむとその苦しみも徐々に落ち着き始める。
「はあはあ……」
デュラハンは声と共に息を吐いていた。
「落ち着いたようで、良かった。それに……」
落ち着いたことに柄池は安心を言葉にした。
そして、驚くことはもう一つあった。
「喋った!」
愛川の驚きの言葉。
デュラハンは喋ったのだ。
その後のデュラハンは落ち着きを取り戻した。
落ち着くまでは時間がかかったが、その間にあちらから攻撃してくる様子もなかった。
落ち着いてからは柄池が座って話そうと提案して、今は通路の真ん中でそれぞれ囲んで座っている。
「申し訳ない。お陰で一時的に助かりました」
デュラハンは頭を下げて、謝罪をした。
頭はないが、謝罪の意図は伝わる。
「意識を取り戻したって感じだね。何よりだよ。ところで、確認したいけど、いいかい?」
良かったとの柄池の言葉に加えて、確認をさらに求める。
「はい。なんでしょうか?」
「あなたが、最近現れたと近くの町で騒がれているデュラハンで間違いないと?」
落ち着いたデュラハンに柄池は質問をする。
「はい。間違いありません。私の評判は自身も聞いています」
頷いてデュラハンは肯定した。
それに愛川が言葉で反応しようとする。
「え? 自分でも悪いってわかっているなら、なんとか大人しくできないの? デュラハンさん」
愛川の疑問にデュラハンは黙っていた。
疑問に答えたのは柄池だ。
「怨霊になりかけているからか、自分の意思で制御できないのは。元いた世界でもある話だよね。恨み辛みを残して死んだ生物が怨霊と化して制御できなくなることは」
柄池は推測で話す。
元の世界では柄池はこの世界でいうモンスターに似た存在を相手にしてもいて、こういう状況は理解があった。
戦うのは友人の方で自身はサポートの方がメインだが。
「その通りです。とある事情で、無念を抱いて死んでしまった為、このように制御できない怨霊と」
「やはりね、なら、その無念さえ晴らせば、怨霊としても解放されるはずだ」
「そうですか。では、お願いしたい!」
デュラハンは柄池から出された解放策にすぐさま乗った。
そうと決まれば、聞くことが早速ある。
「じゃあ、その無念を聞きたいんだ。良ければ死んでしまった経緯を聞きたいんだ」
柄池が聞くとデュラハンはすぐには答えなかった。
その間に、愛川は頭の上にはてなを浮かべるかのように首を傾げる。
しかしその後、デュラハンは沈黙を破る。
「その……自分で考えた魔法を唱えたら、頭だけが爆発して……」
デュラハンが話すは、まさかの斜め上の理由。
柄池は何を言えばいいか戸惑う中、愛川が呟く。
「頭だけが、爆発……」
「言葉に出さないでください。こんな死因、誰にも言えないので、自身で考えたオリジナルの呪文がこんなことになるなんて……」
愛川の言葉にデュラハンは丁寧ながらくぎを刺す。
柄池としても小さいころに呪文が唱えるかもと魔法の呪文を考えたこともある。
当然魔法は使えなかったが、このデュラハンのやりたくなった気持ちも理解できた。
空気の切り替えとして柄池から疑問を出した。
「そ、それで……無念なところはあるの?」
「は、はい! 突然の死でしたから無念です。一番の無念はやはりあれです」
「あれ?」
「以前から友人と戦う約束をしていて、それが果たせなく……どれくらい腕が上がったか確認の意味での戦う約束でしたが……」
「それで、友人とは誰ですか?」
「騎士団のカイゼルという者です。今ではどうしているか……?」
「カイゼル……騎士団長の!?」
デュラハンから出るカイゼルの名を聞き、柄池からも驚きと共にその名を出す。
口からするにカイゼルとデュラハンは知り合いなのだろう。
「カイゼルが騎士団長に!? そうか、あいつなら騎士団もうまくやっているだろう」
「これで、怨霊からの解放策も具体化出来てきたな」
デュラハンからも驚きの言葉が出てきて、具体化出来たと柄池は言葉に出した。
方法はカイゼルをこの場に呼んで戦ってもらえればいい。
彼とは仲が親しいようであるため、愛川に任せれば連れてくることは容易なはずだ。
「ですが、この姿ではもしかすると先ほどのように制御できなくなってしまいそうで、そこが問題です……それに肉体もないこの状態では、うまく戦えないはず……」
だがとデュラハンは問題を呟く。
あちらの言うことも理解はできる上に、そこは課題だ。
しかし、解決方法は柄池の頭の中にあった。
「いや、方法はある」
「え? ホントですか?」
柄池の解決法があるという言葉、それに食いつくようにデュラハンが疑問する。
「うまくいくかは分からないが、問題の解決策はある。という訳で、これからの段取りも含めて聞いてほしい」
柄池は皆に要望があると伝えた。
これは賭けであったが、この方法しかないのも事実であった。