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8 暗黒騎士、現る

 柄池と愛川は光に包まれたが、すぐさまその光は四散していった。

 四散した後に砂に着地したことを実感する。


「とう! ちゃくっ!」


 愛川は両手を伸ばして、着地を言葉に出す。

 柄池が周囲を見ると、そこは海辺の近くで、周囲は波の動きもある。


 そして、武装した兵が倒れていて、その中にはカイゼルもまたいたのだ。

 戦闘の跡が見て取れる、それも猛者の。

 柄池はカイゼルの元へと駆けよる。


「カイゼルさん! 大丈夫ですか?」


 柄池はカイゼルへと声をかけた。

 息はあることは確認できて、カイゼルは返事をする。


「柄池さん、ですか……あんなことを言った手前で、こんな姿を見せて……申し訳ございません」


「いいんです、そんなことは。それよりも、やられたのって」


「はい。話をしていたあの……」


 謝りはいいと柄池は話して、カイゼルは戦った人物について話す。

 その後に、足音が聞こえてきた。

 自らの鎧がぶつかり合う音も鳴らしてだ。


 歩いてきた人物は禍々しい突起を生やした黒い鎧をまとって、いかにも暗黒という印象を振りまく。

 愛川は黒い騎士から安全に十分な距離をとると、黒い騎士は柄池を見る。


「ほう、ここで救済者か。見ない顔だな」


「お前か……」


「そう、カイゼルを破ったのが、暗黒騎士テイガ、この俺様だ」


 柄池の確認に暗黒騎士のテイガが名乗りつつ、肯定する。

 カイゼルからここで声を掛けられた。


「それと、気を付けてください。奴には私の攻撃がどういう訳か効きません」


「何? じゃあ、こっちの攻撃も効かない可能性が……」


「おそらく……」


 注意を聞いて柄池は攻撃についての確認をすると、カイゼルはおそらくと答える。

 カイゼルを破った敵である以上、只者では無いようだ。


 そこで、羽を生やした水色の球体が柄池に近づく。

 その球体から声が聞こえたのだ。


「あれは、前魔王のダマンサネムの作った鎧ね。何であれを持っているのかしら……」


「エルラ様! ここからでも話を出来たのですか?」


 球体を通じてエルラの声を聴いて、柄池は驚きの言葉を出す。

 前魔王の作った鎧となれば、相当の曲者だろう。


「ええ、水の都市の区域内なら、こうして分身体で話をね。ただ、力の行使はできないけど」


「前魔王作ということは、かなりの厄介なものですね。何か他にも力があるのか……」


「あの鎧はダメージを無効化する力しかないはずよ。その力だけでも厄介だけど」


「どういう攻撃が通るか分かれば、手の打ちようはあるけど……」


「ごめんなさいね。あの鎧といってもどんな攻撃が通るかは様々なのよ。物理だけ無効だったり、魔法だけ無効ってこともあって……」


 柄池は通じる攻撃が分かればと話すも、エルラは何を無効化するかは判明できないと語る。


 ここで、スマホが鳴る。

 柄池が取るとロカリアの声が聞こえてきた。


「柄池さん、よろしいですか?」


「ロカリアさん。何か用があってかい?」


「何やら、暗黒騎士が水の都市にいると聞きまして、連絡をさせてもらいましたわ」


「ちょうどいい。なら、俺とロカリアさんで暗黒騎士と戦えば、勝てるかもしれない」


 ロカリアから連絡した理由を聞いて、柄池は共闘を持ち込む。


「私も暗黒騎士の特殊な力は聞いていますわ。ここは私一人で行きます」


「どうしてだい? 二人の方が勝つ可能性があるはず」


「私もそうしたいですわね。ですが、ただまとまって戦ってもあっさり押し返されるのでは?」


「それもそうだけど……ほんとに任せていいのかい?」


 ロカリアは単独で戦うべき理由を語り、柄池は分かるとも言いつつ、任せることに確認をとる。

 柄池としては彼女だけに任せることが不安でもあった。


「ええ。勝機の道を私が掴んで見せます。そして、あの暗黒騎士から勝ちを掲げて見せますわ」


「分かった、頼んだよ」


 臆することなくロカリアは勝つことを宣言し、柄池は戦闘を頼むことにする。


 柄池はそのまま召喚をすると、スマホから光に包まれてロカリアが出てきた。

 双剣を持った彼女は頷いて、テイガの元へと向かった。

 正直言うと彼を待たせたような気もして、少し悪い気もしていた。


「ほう、王女が勇ましいことで」


「柄池さんの手を煩わせたくはありませんので、こうして私が戦いますわ」


「しかし、これ程の王女に傷を付けることは、俺様も心苦しい」


 ロカリアは戦うことを話して、腕を組みつつテイガは心苦しい心中を語る。

 その後にテイガから提案が来る。


「そこでだ。王女に提案がある」


「何か?」


 テイガの提案に何かと返すロカリア。

 その彼の言葉に柄池は驚くこととなった。


「俺様は三分間攻撃をしない。その間でどうしようもないと判断すれば、白旗を挙げることを許してやる」

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