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8 王女と侮るなかれ

 ロカリアは落下するレグトスを横に避けると、今度はこちらから突きの攻撃を仕掛けた。

 相手はそれを腹の防具で受け止めると、レグトス自身が今度は後方にはねていく。

 その光景にミスカは警戒と疑問の言葉を出そうとしていた。


「な、何をするつもりなんだです……」


 攻撃をしてこなかったレグトスに、ミスカは離れたところで身を隠したまま疑問を呟く。


 レグトスが後方にはねて着地したかと思えば、今度もまた後方にはねていく。

 しかし、今回は後ろの木にぶつかってロカリアの方向とは別の方へと跳ねる。

 方向はミスカの方。


「ほあぁー!!」


 向かってくるレグトスに美人に似使わぬ言葉を上げて、ミスカは身を縮こまらせた。

 軌道からして彼女に当てるものではなかったが、彼女に当たらなくて良かった。


 レグトスはミスカの近くの木に当たって再びロカリアとは別の方向へと向かう。

 移動は徐々に早くなっているようだ。


「勢いがついてきたからよ。今度はこれを見せてやるよ」


 そういったレグトスは縦に回転してくる。

 更にはロカリアの周囲を木にぶつかりつつ跳ねていき、移動速度を徐々に上げていく。

 あちらの移動は何とか目で追えるくらい。


 そして、ついにレグトスがロカリアの横へと向かってきたのだ。

 避けるのにも間に合いそうにない。


「くぅっ!」


 ロカリアは声を出してレグトスの突進を剣で受流す。

 正面から受け止めるのは一苦労だとの判断でだが、結果、こちらも弾かれて後方にやや下がる。

 レグトスは突進方向を変えられただけで、勢いは変わらずだ。


「どうだい? この動き」


「こうも動き回られますと困りますわね」


 どうだと放つレグトスの動き、それについて行けないロカリアは苦言を放った。

 現在もこちらの周囲を回っている状況で、目で追うだけなのが困り処である。

 そこで周囲を回っていた相手はロカリアの正面へと突撃をしていく。


 だが、ただの突撃ではなかった。


「消えた……?」


 向かってきたレグトスが視界から消えて、ロカリアは驚く。

 いや、消滅したというよりも急に視界から出た、そう判断して上を向く。


 相手は回転しながら宙を飛んでいた、こちらへの向かう勢いは殺さず。

 その巨体はすでにこちらの周囲に大きな影を落とすくらいまで接近していた。


「これでは避けられねえだろ!」


 レグトスからの避けられないとの言葉。

 確かに上を取られた状態での距離では避けることも受け流すことも無理だ。


「これは避けられないですわね」


 ロカリアは確かにと言葉を出す。

 レグトスの巨体が秒もかからずに接触しそうであった。

 続けて言葉を出したのはロカリアだ。


「ただ、私としては攻撃してくる向きが予想できる方が都合がいいですわ」


 そうロカリアは呟く。


 直後になったのは金属音。

 状況を一瞬呑み込めなかったかようでレグトスは疑問を浮かべていた

 その後に状況は呑み込めたようだが。


「嘘……だろ? 完全に防がれたのか、俺の攻撃を……?」


 レグトスは予想外を話す。


 なにせ、レグトスはロカリアに剣を交差させて挟まれた状態で攻撃を受け止められていたのだ。


「厄介なのは速度でしたわ。攻撃の向きさえ予想出来れば、後は私の力で対処可能ですわよ」


「う、嘘だろ……王女たった一人にこんな力があるなんて……」


「では次の手へと移りますわ」


 驚くレグトスをしり目にロカリアは言葉と共に上に跳躍した。

 跳躍した後、こちらは相手の体を剣で挟んだまま下ろす。


「そのまま、たたきつける気か!? だが、俺の体はそれくらいケツたたき以下の痛みだ! 母ちゃんのケツたたきに比べれば、天と地獄の差だ!」


「叩きつけるだけではありませんわよ。身を任せて、知りなさい」


 降下するレグトスの言葉に、身をもって次の攻撃を知らせるとロカリアは宣言する。

 その言葉と共に自身の手が紫色に光る。

 相手には見えないが、手はモンスターの手へと変わっている。


 剣に電気を纏わせるために。

 光った手から電気が放出され始めた。

 人間の体では電気を出せないが、モンスターの姿へと一部でも出せれば、こうして人間の姿でも電気を使うことはできる。


「手に電気が纏ってる、だと?」


「受けなさい! 私の技を!」


 レグトスの驚きの最中にロカリアは地面へと相手の体を向ける。

 重力の勢いにも乗せて、相手の体を地面に叩き落した。


 そして、上空から電気が相手の体に落ちた。

 空気が破裂するかの音があたりに響く。


雷獣(ガルム)落砕(フォールブレイク)!」


 ロカリアから技を告げられて、レグトスは声無く倒れた。

 攻撃の命中を確認して、ロカリアは剣で地面を弾き、宙を舞ってから着地を決める。


「おお、流石王女です!」


「これで撃破、というところですわね」


 ミスカからの流石の言葉を聞き、ロカリアは言葉と共に軽く剣を一振りする。

 叩きつけられるくらい大したダメージ出ないというのであるから、これくらいで死ぬことはないはずである。

 この場は片付いたが、まだ柄池の方は片付いていない。


「では、急ぎますわよ。柄池さんに加勢せねばなりませんわ」


 ロカリアは話すとともに急いでその場を駆けた。

 言葉の後に頷いたミスカもついて行くのである。

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