6 柄池達は追う
柄池と愛川はあの場をロカリアとミスカに任せてフェストスの行方を追っていた。
にゅるじもいっしょにいるが、その行方は道だけしかなかった。
道は草木が生えている、だが、その量はかなり多い。
フェストスを追う時よりも草木の密集が多く、遠くの状況を見るのもやりづらかった。
「さてと、フェストスさんはどこへ行ったのか?」
「この道、今は一本道だし、たどればアジトにつくんじゃないかな?」
「そうだと嬉しいね。流石にそれはないし、そうならないようにあちらさんも工夫しているだろうからね」
後ろをついてくる愛川の声に、それはないだろうと柄池は話す。
今は一本道であるのでそのまま歩けばいいが、途中で分かれ道があれば、どちらに行けばいいか分からなくなる。
「とりあえず、急いだほうは良い感じだね」
「確かに、悩む時が来たらその時はその時だ。という訳で急ぐか」
愛川は移動しつつ、急いだほうがいいと促すと、柄池は同意する。
柄池と愛川は急いで移動した。
「わー着いた!」
「まさかあれから一本道で着くとは……」
愛川はついたことに喜び、柄池は驚きの声を出す。
あれから分かれ道が存在せずに大きな建物へと付いたのだ。
しかも、その建物はオークのアジトと書かれた看板もあって、迷いなくフェストスがここに連れていかれたことが分かった。
「しかも、見張りもいない!」
「すごい入ってくださいって聞こえる。怪しいほどに」
愛川の言う通り入口に見張りもなく、その様子に柄池は怪しさを感じてもいた。
ただ、入るしか選択がないために、柄池は続けてこう言葉を出す。
「この状況では入るしかないしね。ただ、何かある可能性は高いから、慎重に警戒しよう」
「はーい」
警戒しつつの侵入を行うと柄池は話して、愛川も同意する。
それから、柄池達はアジトへと潜入した。
アジトは年季は入ってはいるも、隅々まで綺麗にされていて丁寧に扱われている感じを受ける。
柄池達は通路の端によって、周りを注意深く見つつ慎重に歩いた。
(今のところは無難だけど、思ったより人員がないのか? オークの集団は……)
柄池は心の中で違和感を呟く。
潜入してから時間は短いも、オークの一人も見かけない状況であったからだ。
歩く音は柄池達が慎重に歩く音しか聞こえない状況でもある。
「柄池君、音が聞こえる!」
愛川は小さい声で注意の言葉を出す。
音は柄池にも聞こえ、愛川に引っ張られて二つの像の間へと隠れることとなった。
二つの像は通路の端にあって、愛川と柄池の身長よりも大きく、姿勢を低くすれば何とか隠れることが出来るくらいである。
音は柄池達とは違う足音で、その音は徐々に大きくなっていた。
「あっちの方はどうなってるのか」
「さあな、まずは第一陣で叩くって話だしな」
オークたちの会話が聞こえる、会話から二人だけだろうか。
ともかく、こちらに気づいてはいないようだ。
だが。
「愛川さん、この体勢はどうかと思うんだ……」
柄池は愛川に小声で注意する
なにせ、彼女は柄池に向かい合う形で密着していたのだから。
しかも、彼女の胸は柄池の顔に収まる形だ。
「第一陣といっても、うちはその第一陣が本命だろ? アジトの見張りが俺たちだけなんだから」
「まあな、部下は二人だけしかここに置いてないんだから、本命も本命だよな」
その場での会話からオークたちの情報が垣間見えてきた。
ロカリアの方での戦闘が第一陣なのであろうが、アジトへの戦力はあの二人だけのようであった。
アジトの内情を聞けたことはありがたいが、柄池の方は別の意味で悪い方へと傾く。
「んむっ!?」
「ダメ……見つからないようにしないと」
愛川は見つからないようにと、更に柄池を引き込ませて密着度合いを高める。
彼女は柄池の腰にまで足を絡めて、腰と腰の距離もゼロになっていた。
「ま、俺達が突破されてもな、問題はないだろ」
「だな、俺達はやるべきことやればいいか」
その傍らのオークたちの会話。
その会話は特に不安がる様子もない。
柄池は別の意味で不安だったが、それでも愛川は小声で言い聞かせる。
「こういうときは身を小さくしてでしょ? 離れていちゃ見つかっちゃう」
愛川の言葉に柄池は小声も何も言えないでいた。
柄池は彼女の胸を押し付けられてはなそうにも話せない状態で、さらには腰も密着状態。
愛川への迷惑になっていないか、それが不安だった。
「見張りはちゃんと続けなきゃだな」
「仕事終わりはオレンジジュースで決まりだな」
そう言ってオークたちは以降のが会話が途絶えた。
足音も徐々に遠ざかっていったことから、離れていったことがうかがえる。
愛川は周りの存在を確認して、言葉を声を掛けようとする。
「もう大丈夫だよ、柄池君」
「オークたちも長くとどまらなくてこっちも助かったよ」
「近くにもオークはいない感じだよ」
愛川の胸から解放されて柄池はやっとの言葉を出し、彼女は周りを見てから安全を呟く。
助かったの意味はあの体勢では彼女にも悪いうえに、窒息なんて目に合う可能性もあったということでだ。
「あと、愛川さんも俺を隠そうとしてくれたのは助かるけど、俺も男だってことは忘れないでね」
「あ……は、はーい」
今回の密着について柄池から注意をすると、愛川は目をそらしてから理解を話した。
目をそらした理由に悪かったとの認識があったように見える。
「あの件はさておきで、俺達はフェストスさんを探さなきゃ」
「う、うん。探そ探そ」
柄池が話題の切り替えとしてフェストスのことを口に出して、愛川もそのことに賛同する。
*ミスカのステータスを設定場所に公開します
そこで、少し公開します。
名前:ミスカ・シギレデリ
種族分類:エルフ
職業:魔法使い
性別:女
耐久力:700
魔法力:1,500
称号:えせ外国人
説明:日本語を変に覚えてしまったエルフ。
ちなみにエルフには独自の共用語があるぞ




