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4 問題なんてなかった

 柄池は悩んでいた、雷の都市ではランドステイの姿は大丈夫かと。

 とりあえず、ライオロスにそのことを聞いてみるかとも考えてもいて、思考を巡らせてもいた。


「意外と何とかなるもんだね」


 愛川は呟く。

 しかし、その柄池の持つ悩みも瞬時に解決してしまった。

 相談する前に。


「まさか馬に変わるとは思わなかったよ、このランドステイが」


 柄池は変な笑いと驚きを交ぜて話す。

 あの後にランドステイは急に馬へと変わったのだ。

 今の状況、柄池は歩きながら、愛川はランドステイであった馬に乗って、それぞれ雷の都市へ移動していた。


「そうそう、なんでもめぬえもんは私たちと会う前までこんなことはできなかっためって言っているよ」


「まるで能力が覚醒した感じだね、ホント主人公みたい」


「ホントにすごいよ、めぬえもん」


 柄池も話しながら移動して、愛川は馬となったランドステイに乗りながら移動して語る。


「まあとりあえず、これでこのランドステイも問題なく、雷の都市へ行けるわけだ」


「柄池君、もう仲間だしめぬえもんって名前があるんだから呼んであげてね」


「っと、そうだった。これからもよろしく、めぬえもん」


「本人もめぬえもんって名前が気に入っているよ」


 柄池は改めて挨拶をして、愛川はめぬえもんを撫でつつ話す。

 ただ、ランドステイは馬になったばかりで慣れないことから、乗せるのは一人だけにしている。

 慣れてくれば、柄池も乗せられるかもしれないとのこと。


 めぬえもんからすればいきなり馬になって、馬の役割を果たせと言われても厳しい要件だろう。

 柄池としても無理に二人乗りをするほどでもないので、愛川だけを乗せてもらえればことは足りる。


 ここでライオロスは柄池に声をかける。


「このままなら休みはそれほど挟まずに行けそうですかな?」


「そうだね。歩くのに疲れたらめぬえもんに乗って休んでもよさそうだし、めぬえもんも休みたいときは遠慮なく言ってくれよ?」


 道中の予定の話をライオロスから聞き、柄池はそれに対して肯定をする。

 めぬえもんも柄池の声に理解を示すかのように声を出す。

 こうしてめぬえもんという名のランドステイが味方に加わって、柄池一行は雷の都市へと向かう。




 移動をしていき、時刻は夕方。

 柄池達は雷の都市へとたどり着いたのだ。


「ついたー!」


「予定より早めの到着だったね。めぬえもんのおかげだ」


「だって、めぬえもん。よしよし」


 移動しながら柄池は話し、めぬえもんに乗った愛川はめぬえもんを撫でる。

 実際に彼がいなければもっと遅くの到着であったろう。

 ちなみにめぬえもんの性別はオスだという話だ。


「ここが雷の都市か」


「雷っていうから紫がイメージカラーかと思ったけど、そうでもないかんじね」


 柄池が見渡しながら話し、愛川は色について話す。

 見たところは色鮮やかな綺麗な都市で、固いようなイメージもない。

 かと言えば都市のシンボルとして紫の色が上がっているわけではない。


 ここで、近くの男性が柄池の前に現れる。

 男性は武器や鎧を纏って、兵士だと言わないでもわかる外見であった。

 それも、雷の都市に所属する兵士。


「それは雷の如きの早さでこの町を都市へとのし上げたからですよ。そこから雷の都市と呼ばれます」


「あ、それは御親切に教えてくれて、ありがとうございます。そういうことですか」


 兵士の解説に柄池は頭を下げる。


「ロカリア王女様がここまでのし上げてくれましたからね。今まで無名な町でしたが、これも王女様のおかげです」


「そりゃ凄い王女様だ。まあ、そんなすごい人には直接会うことなんてことはない」


「いえ、救済者様。ロカリア王女様はお待ちです、あなた方を」


「……え? 本当に」


 兵士経由のまさかの王女の招待、それに柄池は驚く。

 あちらから急に会いたいと言われることは思いもしなかった。


 それほど有名になることはしていないのにいろいろと過程が飛んでいる気もする。

 戸惑いは柄池にあった。


「その腕輪を付けていらっしゃることは救済者様でしょう。ロカリア王女様の元へとお連れするよう言われましたので、御同行頂ければと思いますが」


「まあ、断る理由もないし、行くか。宿もとれてないうえに食料もいただけると嬉しいから」


「長旅になるでしょうから、そちらも王女様は考えております」


「じゃあ行こうと思うけど、愛川さんはいいよね?」


 兵士からの提案に柄池は愛川にも行くことに問題ないか尋ねる。


「え? ま、まあいいと思うよ」


「それとこちらの馬も私どもの宿舎で面倒を見ますので、それでもいいでしょうか?」


 愛川も驚きと戸惑いの様子を見せて、兵士はめぬえもんも面倒を見ると話す。

 馬である彼の面倒を見てくれることはありがたかった。


「めぬえもんも断る理由はないか」


「では私の元へついてきてください。馬の方は同僚が誘導いたします」


「ああ、お願いします」


 兵士の願いを柄池は受け入れた。


 こうして、ロカリア王女の元へと行くこととなる。

*めぬえもんのステータスを設定場所に公開します


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