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1 早速の戦闘、だけど俺は……

 柄池はどこへ行けばいいかも分からず、ただただ移動をしていた。

 草木が生い茂る道を、訳も分からずに歩む。


 また、移動中に二人は腕輪をしていることにも気づく。

 しかし、特に何の力も持たないことから、この件を後回しにした。

 後回しにした理由は立ち止まって進まなくなるためだ。


 休憩中にはダメもとでスマホに頼ってみる事もやってみた。

 当然とも言えるか、圏外な上にネットの情報も掴めない。

 異なる世界、そこにいる以上はスマホでの通話ルートも役立たず、それはやむを得ないか。


 スマホを動かしている中である出来事があったのだ。


「いきなりとはな……愛川さんは下がっていてね」


 柄池の指示に愛川は後方へ離れる。

 ファンタジー世界ではつきものであろう。


 柄池の前にはスライムとゴブリンが立ちはだかっていた。


「相手はどんな強さか分からないけど一対二、こっちに武器もあるけど、どうしたものか……?」


 柄池は荷物へ視線を向け、状況打破の方法を考える。

 実は戦闘になってもいいように荷物の中に武器はあった。


 だが、これは回数が制限されている上に、あのモンスターに効くかも疑問。

 その武器を使うリスクは大きい。


 スライムは身を大きく見せて、威嚇に入った。


「といっても、あんまりやばいって感じはないな。前の世界でもスライムは実物を見たからな」


 柄池は思ったより緊張がない、それは元の世界でモンスターがいたためだ。

 厳密には現代世界の見えない陰にモンスターのような存在がいたと言える。


 そのため、スライムは初見という訳ではないのだ。

 武器を持っていたのも、元居た世界のモンスターの襲撃のためである。


「ま、油断はできないよね。触って溶かすようなスライムはやばいし、俺は戦いが得意じゃないから……」


 柄池は現状を呟く。

 戦闘が得意でない柄池には頭数が負けている点で劣勢だ。

 実際に元の世界でやったことは友人のサポートが大半を占めていることから、戦闘も得意でない。


 すると、スライムの方から動きがあった。

 スライムは後方へと急いで逃げ出す。

 ゴブリンもその動きに疑問の表情を浮かべた。


「え? 逃げるの!?」


 スライムの選択に柄池は言葉を突っ込む。

 そして、あることに気づいて柄池は口に出そうとする。


「あ、そうか! 必ずしも戦闘って訳ではなかったか! あれ、挨拶の可能性も!」


 柄池は別の可能性に気づいた。

 モンスターが来たからと言って戦闘とは限らない。


 柄池はスライムの方へと移動する。

 ゴブリンも何故か動きがないのは幸いだったか。


「ちょっと待って! 話が出来るかもしれないし!」


 逃げるスライムを柄池は追う。

 その状況で愛川から声がかかる。


「柄池君、もしかしたらゴブリンを食い止められるかもしれないから、私に任せて!」


「ああ、任せた! って、どうやって!?」


「こうすれば絶対に止まるから、ゴブリンも!」


 柄池は愛川に任せると、彼女は脚と手を挙げて止めると話す。

 彼女は何やら変なポーズをとっていた。

 何かの威嚇か分からないが、任せるほかなかった。


 現にゴブリンは愛川の方を見て動きを止めているので、とにかく好機であるのだ。


「えっと、まあとりあえず……ちょっとスライムさん待ってくれ! 戦闘しないなら俺はそれでもいいんだ!」


 柄池は追いつつ話す。

 スライムの逃亡速度は遅く、こちらは余裕で追いつけた。

 柄池はスライムを見下ろす。


「ちょっと話ぐらいは聞いてほしいんだ……っても、スライムって話せるのか?」


 柄池は疑問を浮かべた。

 口もないスライムに話が出来るかも分からないことに、今ながら気づいて。

 スライムも自身を左右に揺らして戸惑っている様子を表現していた。


 すると、スライムは答えを出した。

 柄池の胴に突進するという答えを。


「あ……」


 柄池は声は出せたが、かわせなかった。

 しかし、ぶつかった衝撃はそれほどなく、スライムはこちらの服を下に滑り落ちる。

 地面に落ちたスライムは左右に激しく動いて、戸惑っていた。


「ごめん、驚かせちゃったかな? 俺は戦うつもりはないんで、道を通してほしいだけなんだよ」


 柄池は戦うつもりはないと話した。

 こちらが戦闘姿勢を見せたからかもしれないが、改めて戦う気はないと伝えるべきと判断する。


 すると、愛川がその様子を見てたのか近づいてきた。


「柄池君、ちょっといいかな?」


「何かな? あれ、スライムに近寄って何を?」


 愛川の横からの言葉に何かと聞き返す。

 近づいた彼女はスライムに静かに触れる。

 その後に目を閉じていた。


「ああ、そっか。柄池君分かったよ」


「何を……ああ、そうか! 愛川さんって触った相手の心情が分かるっけか!」


 分かったという愛川の言葉に、柄池は思い出す。

 彼女は超能力が使えるようで、触れた相手の考えていることや心情が分かるのだ。

 それでスライムの考えていることを探ったようだ。


「このスライムの子。戦うつもりもないし、水が欲しいんだって」


 愛川はそう告げた。

*主人公のステータスを設定場所に公開します

ちなみに、ステータスはUnderTale並みの信頼価値なので、作者と読者で印象が大きくかけ離れる場合もあります

例として主人公のステータスを少し公開します。


名前:柄池闘哉

種族分類:人間


耐久力:700

魔法力:現状、測定不可能


Q:現状、測定不可能ってなに?

A:今は公開できない部分です。三章で明かしますのでお待ちを

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