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異世界で家政婦はじめました  作者: kiki
1st Chapter
7/20

Story 06

本日2話連続投稿です。

後書きを書いてみました。こういうのやってみたかったんです。

 王城は私の想像の域を遥かに超えたものだった。

 森を抜けて暫く馬を走らせた後、小高い丘に着くとそこから王城が見えた。

 丘陵に築かれた王城まで続く長い並木道。その先にあるお伽話に出てくるような美しさをもった白亜の城は、たくさんの塔やいくつかの館がそびえ、まるでひとつの都市のようだ。白亜の城の壮大さを目の当りにして、私はヴァン団長に指摘されるまで口を開けて呆けていた。


 遠回りをしながら着いたところは王城の正面ではなく、出入り口など一切見当たらない人気のない場所だった。目の前にそびえ立つのは城壁。その先の見えない城壁は蔦や伸びきった葉で覆われている。

 城門を通ると身分証明書の提示や、通る為の許可を得なければならない。そして城門に来た者は全て記録されるそうだ。ヴァン団長はヴェルフェイム王国の騎士団に所属しているから、当然難なく城門を通る事が出来る。が、一方の私は身分を証明するものが何もなく、城門を通過する事が出来ない。

 討伐任務の最中に保護したと説明したところで、陛下に報告をしていない詳細を話すわけにもいかない上、記録されるのも厄介らしい。

 理由を聞くと「狸じじい共に目を付けられる」だそうだ。良く意味が分からない。


 城門を通らず誰にも知られずに王城の中に入る方法がひとつ。

 それが人気のない所にある、騎士団が使用する魔法城門。そこは騎士でも中隊長以上の肩書を持つ者しか知らない出入り口で、例えば城門で出入りを記録されたくない内密の任務等の時に使用されるそうだ。だから今回のような件で使用するには最適なんだとか。

 魔法城門を使用した際には魔法で全て陛下に知られる為、後日使用目的の報告が義務付られている。なので、悪事を働こうものなら即バレてしまうそうだ。


 魔法城門は砦の地下にあった転移魔法陣の部屋同様、ヴァン団長が手をかざすと空間に魔法陣が現れ、蔦で隠された門が開いた。騎乗したまま中に入り林の中を進むと大きな屋敷が見えてきた。クラシカルな雰囲気を醸し出す黒煉瓦で造られたその屋敷は、お伽話に出てきそうな白亜の王城とは真逆の印象で、暗雲がたちこめる嵐の空に雷が走った背景が連想された。

 そんな不気味な印象の屋敷にヴァン団長は躊躇いもなく入って行く。彼が身に纏う黒い騎士服と黒い屋敷が妙にマッチしていて、見比べていると彼と目が合う。


「ここは特殊部隊の騎士館兼、寮だ」


 そう言いながら厩舎に馬を預けると、ヴァン団長は何故かまた私を抱きかかえた。抗議しようと口を開いたところで視線だけで「黙れ」と言われ、不服ながらも口を噤む。転移魔法陣の件ですでに迷惑を掛けているのだ。私が自ら歩くことでもっと手を煩わせることになるなら、私の羞恥心のバロメーターが振り切ろうとも、ここは大人しく彼に従おう。


 玄関ホールを通り過ぎ、ひとつの部屋に案内された私は硬直した。

 恐らく執務室だろうその部屋のデスクは本と書類が高く積まれ、本ひとつ取るにも神経と体力を使いそうだ。デスクだけではない。広いはずの執務室は、様々なものがごちゃごちゃとあっちこっちに散乱している。良く見てみると、扉から応接(出来る環境ではないが)する為のローテーブルとソファ、デスクまでの導線は綺麗に空いていた。


「相変わらず片付けの出来ない男ね」


 部屋の真ん中で固まっていた私の後ろから声がして振り向くと、呆れ顔のアン先生がいた。


「仕方がないだろう。此処には騎士見習いも家政婦もいないんだ」


「その言い訳、聞き飽きたわ」


 アン先生は鼻で笑うとヴァン団長の横を通り過ぎ、私の名前を呼びながら息ができないほどきつく抱き締められた。力が強いわけではない、主にお胸が原因で息が出来なかった。


「見付かって良かった!!怪我はない?」


「怪我、ない。心配、ごめん」


 漸くお胸から、いや、アン先生から解放されると、彼女に身体のあちこちを確認される。本当に怪我はしてないので、彼女は安心したのか溜息をついた。


「着いて早々、悪いんだけどこれに着替えてくれる?もうすぐ陛下がいらっしゃるのよ」


「すぐ!?」


 しかも、此処に!?


「シュロイズが、ヴァンならニーナちゃんを見付けられるだろうからって先に陛下に報告に行ったのよ。そしたら今からしか時間がとれないそうで……とにかく、着替えと靴を用意したから着替えて!!」


 アン先生の勢いに押されて頷くと、「男はさっさと出て行く!!」とヴァン団長を追い出してしまった。


 今回用意してくれた服はアン先生の服ではなく、彼女の部下である子から拝借したそうだ。柔らかい色合いのシェルピンクで、ウエスト切り替えのふんわりとしたワンピースだった。後ろが編み上げになっていて、キュッと絞るとウエストが細くなった気がする。ワンピースの丈はふくらはぎまであり、靴は焦げ茶色の編み上げブーツを履いた。

 ちなみに下着はコルセットを想像してたのだが、コルセットは貴族が好んで使用するらしく、一般的に普及されているのはビスチェなんだそうだ。ウエストを細く見せバストの補正を強化するビスチェは、前が編み上げになっていてコルセットとは違ってひとりでの着脱が可能だ。パンツはウエストが横開きの紐で結ぶタイプで、形は私の知っているパンツに近かった。紐パンは恥ずかしいが、慣れるしかないだろう。

 薄く化粧を施した後、髪を緩く編み込んで左肩から三つ編みを垂らすと、アン先生は満足そうに笑った。


 着替えが終わって一息つく間もなくノックがされる。

 ただノックの音は部屋の扉ではなく、窓から聞こえてきた。叩かれた窓を二人で見つめ、暫くしてからアン先生が確認しに行く。


「陛下、せめて扉から入って来て下さい」


「今、護衛騎士を撒いてきたんだから、入れて入れてー」


 開けた窓から入ってきたのはプラチナブロンドのふわふわした髪と、宝石のようなエメラルドグリーンの瞳が印象的な男性だった。絵本の中から抜け出してきたかのような見目麗しい王子様、正確にはこの国の最高権力者だが、その男性は私を見付けるとにっこりと微笑んだ。


「初めまして、お嬢さん。ヴァンが攫ってきた花嫁さんっていうのは君かな?」


「違う」


「清々しいほど即答だねー」


 私のことは粗方シュロイズさんから聞いたのか、片言で陛下相手に尊大な物言いでも咎められなかった。

 というか、シュロイズさんは陛下にどう説明したのだろう……嫌な予感しかしない。


 陛下、というから壮年の方を勝手に想像していたのだが、目の前にいる人物はどう見てもまだ年若い青年だ。シュロイズさんよりも年下に見える。

 その陛下は「はいはい、ちょっとお邪魔するよー」と言うと物が散乱しているとっ散らかった床を慣れたように進みソファに座った。


 陛下は温厚だとシュロイズさんが言っていたが、これは温厚というか、自由奔放というか……護衛騎士も撒いて来たと言っていたし、いろいろと大丈夫なのだろうか……


 アン先生はそんな陛下に慣れているのか、いつの間に用意したのかテーブルの物がない空いているスペースにティーセットを置いている。


「冗談はさておき、君が異界人(いかいびと)、で合ってるかな?」


 煌びやかな服にも負けない、美形の笑顔の破壊力がもの凄い。

 優雅に足を組むその姿は、周りの散漫な背景をも霞んで見える。


「新菜・安藤です」


 ワンピースのスカート部分を軽く摘み、背筋は伸ばしたまま膝を軽く折って腰を少しだけ落とす。

 陛下が来る少し前にアン先生から教わった王族への挨拶だった。付け焼刃なのはこの際目を瞑ってほしい。


「ニーナ嬢、顔を上げて」


「はい」


「堅苦しいのは公式の場だけで良いよー。君も座って座って」


 紅茶を飲みながら勧められた向かいのソファに座る。


「ニーナ、こちらのお方が我がヴェルフェイム王国国王、マーヴィス・ウル・ド・ヴェルフェイム様よ」


 私が座るソファの後ろに立っていたアン先生が教えてくれる。

 本当は「初めまして」とか「お初にお目にかかります」とか、ちゃんと挨拶したかったけどこちらの世界の言葉で何と言って良いのか分からず会釈で返した。そんな私にもマーヴィス陛下は嫌な顔ひとつしない。


「さて、時間がないから早速本題なんだけどね」


 膝の上に肘を置き、合わせた手の上に顎を乗せると陛下は急に真顔になった。

 私の今後の処遇が決まるのだ。背筋が自然と伸びる。


「……本当にヴァンに攫われてきたんじゃないよね?」


 バンッ!!


 突如、大きな音を立て扉が開いた。

 扉の向こうにいたのは眉間に皺を寄せ、ソファに座る陛下を睨み付けるヴァン団長。

 背後に鬼が見えるのは私だけだろうか……というか、陛下に対してその目付きは不敬にならないのだろうか。


 オロオロと見守っているのは私だけで、アン先生は「また始まったわ」と面倒臭そうにしている。ヴァン団長の後ろにいたシュロイズさんに至っては私と目が合うなり「ニーナちゃん、元気そうで良かった」と呑気に笑っている。

 ズカズカとソファまで進むと、ヴァン団長は私の隣に腰を下ろした。


「陛下、護衛騎士をいじめるのはお止め下さい。涙目になって探されてましたよ」


「なんだよー。そっちが内密な話があるっていうから、あんまり人がいない方が良いかなぁと思って護衛騎士を撒いてここまで来たのにー」


「護衛の意味が無くなります」


「私に撒かれるなんてまだまだだよねー」


「後できちんとフォロー入れて下さい」


「分かってるよー。あいつら真面目過ぎるからね」


「貴方が不真面目過ぎるんです」


「はーいはい」


「それと……俺を誘拐犯みたいに言うのはやめて下さい」


「えー。だってヴァンって目付き悪いし、子供にいつも泣かれてるし、ご婦人には怯えられるし。32歳なのに縁談も来ないから、いつかどこかから花嫁さん攫ってきそうだなって思ってたんだよねー」


「……俺を何だと思っているんですか」


 ポツリと「どいつもこいつも」と呟いたのは聞こえなかったフリをした。

 どうやらヴァン団長と陛下は仲が良いらしく、私の心配は杞憂だったようだ。


「本題に戻します。今回の件ですが追加報告があります」


「追加?」


「ここにいるニーナですが、()()()()()()()の姿が見え、対話が出来るとの事です」


「例えば?」


「妖精達が彼女の周りにいたのを確認しました。悪戯をされているというよりは、妖精達が彼女に友好的であるように見えました。それと、風の精霊が彼女前に姿を現し、名乗ったそうです」


「……魔力も属性もない、けど、()()()()()()()に好かれる性質ねぇ」


 陛下は暫く思案した後、再び口を開いた。


「最弱にして最強、だねー」


 最弱にして最強?矛盾してないだろうか?

 思っていることが顔に出ていたのか、陛下は私を見ると目尻を下げて困ったような顔をした。


「君には一切治癒魔法が効かないうえに魔力も属性もない。それはこの世界で生きていくには少々難儀だ。致命傷を負っても助ける事が出来ない、そもそも自らを守るべき魔力も属性もない」


 それは理解出来る。

 黎明の森(オロール・フォレ)でヴァン団長に助けてもらわなかったら、今私はここにはいないだろう。恐らく私はこの世界で最も弱い生き物の部類に入ると思う。


「だが、風の精霊は君に気を許した。神話では精霊が気を許した人間は、対等の存在として描写されているんだよ」


「対等?」


「私達人間にとって精霊はね、崇め讃えるべき不可侵の存在で神と同等なんだ。そんな精霊と意思の疎通ができるとなると、私には脅威にしか思えないね」


「待って、陛下ッ。私、危険、ない!!」


「君が精霊に“ちょっとこの国ムカつくから消しちゃってー”って言えば風の精霊は頷いてくれるだろうね。精霊は純粋でいて惨忍だ。国の人間より気を許した君を優先するだろう」


「そんな、しない!!」


「それをどう証明する?」


 それは……と言いかけて言葉に詰まる。

 陛下は言葉での証明を望んでいるのではない。言葉ではいくらでも言えるのだ。自分は無害だと、危険ではないと。でも、危険ではないと理由づける根拠がないのだ。私自身、何故精霊と話が出来るのか分かっていないから。


 見かねてヴァン団長が口を開こうとすると、陛下は手だけで制した。


「私にはこの国の民を守る責務がある。危険分子は早いうちに潰しておきたい」


 エメラルドグリーンの双眸が、すっと細められる。

 間延びした口調は鳴りを潜め、代わりに出た冷たい声音に背筋に冷たいものが走った。そして理解する。目の前の人物が温厚で自由奔放なだけの人ではないということに。


「君が悪人だとは思えないよ。でも、だからと言って、君を野放しにもできない。他国にでも行かれて軍事利用されたら堪ったもんじゃないからね」


「どうすれば、信じる?」


「そこで提案なんだけどねー?」


 元の軽い調子に切り替え、陛下は穏やかに笑う。


「ニーナ嬢、この寮で家政婦やってみない?」


「は?」

「は?」


 間が抜けた声を出したのは、もちろん私。そしてもうひとりはヴァン団長だった。

 どうやら驚いているのは私と彼だけで、シュロイズさんとアン先生は知っていたようだ。


「だって見てよー、この部屋。ここだけじゃないよ、厨房なんて酷い酷い!!家政婦が必要だと思わない?」


「陛下、お戯れがすぎます」


「私は本気だよー?ダグラスが遠征に行ってる1週間で良くこんなに汚くできるよねー」


「同意ですわ、陛下」


「右に同じくです、陛下」


「お前ら黙れ……ダグはもうすぐ帰国します。よって家政婦は必要ありません。彼女はもっと安全なところで保護するべきです」


「ヴァンの言う安全な所って、教会?それとも魔術師団?そんなところにニーナ嬢を預けてみなよ。教会は“アイテールラオス神の化身だ”とでも言って彼女を崇めるだろうし、魔術師団は精霊と話せる稀少な者として彼女に様々な実験を強いるだろうね」


第零隊(だいぜろたい)騎士館寮でなくてもッ……!!」


「私は第零隊騎士館寮(ここ)が一番安全だと思っているよ。なにより、此処にはヴァンがいるじゃないか」


「ッ……俺は、反対です」


「ニーナ嬢にとっても悪い話じゃないんだよー?」


 ヴァン団長にいくら言っても無駄だと判断したのか、陛下の視線が私へと移る。

 本人そっちのけの論争の邪魔をしてはいけないと石と化していた私は、まさか自分にくるとは思っておらず、ビクリと身体を揺らした。


「この寮の家政婦になってくれたら、君には衣食住の保障をしよう。もちろん給金も支払う」


 衣食住に給金。それはこの世界で生きていくうえで、私が喉から手が出る程ほしいものだった。


「ただし、魔力と属性がないこと、精霊と話が出来ることは私が許可した者以外に話さない事」


 それは恐らく、余計な混乱を招かない為だろう。

 先程の陛下の話を聞く限り、私にとってあまり良くない事をする人達もいるようだ。


「この寮は騎士団最強を誇る、魔獣討伐部隊だ。もしどこかから情報が洩れて、君が狙われるようなことが起きても彼等が守ってくれるだろう。私としても君を目の届く所に置いておきたいし、双方にとってプラスだと思わない?」


 つまり、これは監視だ。

 逆に言えば私がこの国にとって危険だと判断されれば、騎士団最強を誇る魔獣討伐部隊が即座に私を切り捨てるだろう。間違ってもそんな危険人物になるつもりも、予定もないけども。でも、自分が危険ではないと証明できない今、監視されるのは致し方ないことだと分かっている。初対面の陛下との信頼関係は皆無なのだ。


「どうする?」


「家政婦、やる」


「おい!?」


「交渉成立だね。差し当たって、今から君はパールホルム公国出身のニーナ・アンドゥーだ。平民で出稼ぎの為、この国に来た異国民ということにしよう。その方が片言だとしても怪しまれないでしょ?」


 了承の意味を込めて頷くが、隣に座っているヴァン団長は苦虫を噛み潰したような顔をしている。


「陛下、賛同致しかねます」


「あぁ!!次の議会に遅れるー!!じゃ、私はこれで失礼するよ」


 懐中時計を見ながらわざとらしく言うと、ヴァン団長を綺麗に無視し、そのまま扉へと向かって行く。扉を開ける手を一旦止めて、陛下は私に振り返った。


「ニーナ嬢。今、証明するものがないのなら、これから作っていけば良い」


「は、はい!!」


「これからの君を楽しみにしているよ」


 ヒラヒラと手を振りながら颯爽と部屋を出て行く。その後を追うように「シュロイズ、この場は頼んだぞ」と言い残してヴァン団長も部屋を出て行った。


 陛下は私に猶予をくれたのだ。

 この国にとって危険ではないと証明する時間を与えてくれた。私の働きぶりで信頼に足る人間なのか、陛下は見極めるつもりなのだろう。


 幸い、私は施設で培った家事能力があり家政婦をすることに抵抗はない。むしろこの散らかった執務室を片付けたいとうずうずしていたぐらいだ。


「さてと、ヴァンにはこの場を頼むって言われたけど、残念ながら陛下に別命を頂いてるのでそっちを優先させまーす」


「何それ、面白そうじゃない」


「アンにも別命もらってるから付いてきて。ニーナちゃん、行くよー」


 シュロイズさんのサファイアのような瞳が楽しげに細められる。


「ニーナちゃんの部屋に案内するよ」


「はい!!」



 こうして私は、異世界で家政婦として働くことが決まった。



*質問コーナー*

Q.ヴァン団長に質問です。片付けが苦手なようですが、整理整頓はしないのですか?出来ないのですか?

A.「団長職が多忙を極める為、片付ける時間が確保出来ない。しかし、どこに何があるのかは把握しているから片付けなくても問題はない」


Q.シュロイズに質問です。副団長なのに執務室を片付けなくても大丈夫なのですか?

A.「あはは、面白い質問だね。副団長の職務内容に“上司の部屋の片づけ”は入ってないよー。それに以前、善意で休暇を丸1日使って片付けてあげたんだけどね、あいつ数時間で元に戻しやがって、それから片付けるのはやめたよ。ヴァンの為に片付けに時間を費やすより、自分のことに時間を費やした方が有意義だと俺はその時悟ったね」


Q.アン先生に質問です。ヴァン団長の執務室は片付けてあげないんですか?

A.「なんで私がヴァンの部屋を片付けなきゃいけないわけ?それに、片付けちゃったらあいつのイジリネタがなくなっちゃうじゃない」


Q.マーヴィス陛下に質問です。ヴァン団長の執務室についてどう思いますか?

A.「普段私は無駄に広くて人が常にいる場所で仕事しているから、たまーにヴァンの執務室に行くんだよねー。え?サボりじゃないよ?私にとっては束の間の休息だね。それにさ、あぁいうごちゃごちゃした場所の中に身体がすっぽり収まる空間に入ると安心しない?え?しない?そっかぁ……あ、ヴァンの為に言っておくけど、物がたくさんあるだけで不衛生な部屋ではないからねー」


総括.ヴァン団長の執務室は皆さんあえて片付けないようです。



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