翔太 14才の場合②
仲間の雄輔と一緒に登校する。
学校に着くと給食の匂いがしていた。
ナイスタイミング!
教師に見つからないように階段を上り、4時間目が終わったのを見計らって教室に入る。
「あ、翔太と雄輔ぢゃん。おはよう。」
色黒でモアイ像みたいな顔をした筋肉ダルマの女ヤンキー、悠香が擦り寄ってくる。
「また給食だけ食べにきたのぉ?まじウケる!」
うるさいブスだけど女からの人望だけはあるんだよな、こいつ。
「そー。昼メシ食って、昼休みに西村で遊んでから帰るつもり〜」
西村とは俺らがオモチャにしているクラスメイトのキモオタだ。
ブサイクでチビ、太り過ぎてメガネが顔面に食い込んでやがる。
おまけにクサい。
「ギャハハ、だってさぁ〜西村ぁ〜?聞こえたぁ〜?」
「俺、今日はお前のためにオモチャ持ってきたから、楽しもうなぁ西村くぅん」
と悠香と雄輔が西村の席を囲む。
西村は何も言い返さずに俯いて震えている。
相変わらずクサい。
「視界に入るだけで人をイラつかせる奴は罰するべきだろ?」
俺がそう言って西村の頭に触れようとした瞬間、
教室のドアがガラッと開き、担任が入ってきた。
「あ!お前らまたこんな時間に来たのか!!飯食ったら職員室に来い!」
ちっうるせーな
「やーだね」「むーりー」
俺と雄輔が同時に答える。
「ギャハハハハハ!!!」
悠香の下品な笑い声が教室中に響き渡る。
「とりま給食食おうぜ」
そう言って俺達は各々の席に着いた。