所属者
「..え、何処ここ」
目を覚まし部屋を見渡すがカーテンで仕切られて外が見れなかった。
自分の服装も変わっており病院などで着る服を着ていた。
腹部を触ると包帯が巻かれておりある程度治療はされているようだった。
「起きたー?」
モゾモゾと動いていると1人の少年がこちらに入ってきた。
見たことのある少年だという事はわかるのだが顔を見て悩んでいると、
「ああ、色んなことあったからね。僕の名前はメト、貴方の名前は?」
「カナリだ、君って..あれ、大丈夫なのか!?」
「大丈夫大丈夫、落ち着いて?ね?」
「五月蝿いわね..メト何かしたの?」
「えっと..」
「ああ、私はマイ。この子の見守り役とても言っておこうかしら」
「あの..ここは?それと、俺の住んでた町はどうなったんですか?」
「ここは、僕達の所属している反抗軍の本部だよ。貴方の町は..「誰1人生きていなかったわ、貴方を除いてね」..濁そうとしたのに」
「そっか..誰も..」
「気を落とさないで、まだ捜索は続けられているから。しばらくここで休んでて起きたって報告してくるから」
「..ああ」
カナリを残し2人は部屋を出ていったようだ。
言われた通りしばらく休もうとしたらカーテンが開けられ1人の青年が近付いてきた。
「おい、お前」
「え、あ、何でしょう..」
「まだ傷は痛むか」
「痛くはないですけど」
「よし、行くぞ」
「は?え?えええ!?」
着替えもせずに突如現れた青年に部屋から連れ出された。
抵抗しても無駄だと思い大人しく青年に連れて行かれると大きなエレベーターに乗り青年はB5Fを押した。
「..地下ですか」
「ああ、そうだ。すまない申し遅れた俺の名はネナシだ」
「自分の名前は..「知っているから大丈夫だ」そ、そうですか」
「今から皆の集まる場所に行く、着いてきてくれ」
「は、はい」
そして、上の表示がB5Fになり扉が開いた。
そこには数百人以上の人達が集まって、こちらを見つめながら小声で何か言っているようだった。
「俺..なんかしましたっけ」
「ああ、なんかしたぞ。まだ先だ」
「したんですか..俺」
ネナシは集団に向かって歩いて行くと全員が道を開けていく。
カナリは不思議がりながらもついていくと一つの扉があった。
「さあ、入れ」
言われるがまま、入って行くとそこには先程の2人とそれとは別に8人の人達が立っていた。
「ようこそ、カナリ君。ここは反抗軍と言われる場所でね、怪物相手にドンパチやってる人間側の組織さ。僕はここの責任者のトヲリ、よろしくね」
「カナリです..え?よろしく?」
差し出された手に反射するように握手をして少し違和感を感じた。
よろしく、とはどんな意味なのか。何故ここに連れてこられたのか。
「トヲリさん..でいいですよね?」
「うん、それでいいよ」
「よろしく..とは?」
「君を少し検査したらね、ちょっと僕達に必要な人間だって事がわかったんだ」
「はあ..」
「だから、怪物達が許せないなら協力して貰えないかなって思ってね」
「俺が..ですか」
「まあいきなりとは言わないよ、1日ゆっくり考えてくれ」
「わかりました..」
「ネナシ君、彼を部屋に」
「わかりました」