表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Lyle~エイリアン物語~  作者: 霜月 幽
第2部 ミルキーウェイは宇宙船でいっぱい
21/109

序章

序章


 チャーリィと勇が、スクリーンを見つめていた。さっきから身動きもせずに見入っている。

 赤い巨大な恒星と、青い小さな恒星が、互いの周りを複雑な軌道を描いて回っている。お互いの重力が干渉し合った結果、それらは夢のような現象を生じさせていた。

 コロナが両者の間に長く伸び、フレアがデリケートな細長い塔のようにゆらゆらしている。


 ライルには馴染のガルド星系の二重星だった。彼にとっても久しぶりの眺めだ。亜空間から出てこれを目にすると、やはり懐かしいものを感じる。


「ここの惑星の軌道は、しっちゃかめっちゃかだぜ。磁気嵐もすごいだろうな。やれって言うならやるけど、あまり自信は持てないぞ」


 嬉しそうに勇が言う。彼にしてはずいぶん控えめな発言である。


「僕が操縦するよ。それに、ちゃんと管制塔がビーコンで誘導してくれる」


 ライルが当然のように告げた。


 彼等はガルド星系の外縁から数万キロメートルの所にいた。このガルドの二重連星の姿は、探査解析装置の処理映像である。

 地球を発って、二週間後のことだった。



 ライルの指が優雅に動き、船はガルド系の宙域の中に進んでいく。アステロイド帯でじっと蹲るように待機していた彼の船であった。

 彼自ら地球に着陸させ、かつてのジャンプ時の損傷を直した。地球には、短期間で一万二千光年を踏破できる宇宙船は無かったのである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ