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最後の剣  作者: 二口 大点
力と仲間
32/88

~埋伏の刃~

 アイオン達が坑道に入った頃、ウェイド達はジグ山の道を下りながら魔物を捌いていた。坑道から誘い出した魔物はそう数が多くなかったものの、逃げるうちに魔物が遠くまで響く鳴き声で仲間を呼んだらしく、岩壁を登ってきたり下ってきた魔物がウェイド達を追う群れに合流し、その数が増えつつある。


「予想以上に集まってきやがったな」


「ちょっと、アイオンもゴンドルのおじいちゃんもいないのよ? ティラちゃんだっていない。ここにいるのは脳味噌まで筋肉の馬鹿とひょろひょろしい優男、あとは花も恥らう乙女のあたしだけ。どうすんのよこの状況!?」


「誰が優男だ!」


「あんたじゃないわよ!」


「あはは、笑える余裕があるうちは大丈夫さ。でもこれはまずいねえ。このままだと町にこの群れ連れてっちゃうことになるよ」


 ウェイドが逃げつつ相手取るものの、殺到した魔物の勢いを殺せず結局逃げる羽目になっている。道が狭いために思うように動けない魔物の動きが鈍くなっているのが唯一幸いなことだった。


「うーん、相手はこの道でそうそう身動きとれるようなことはないけど、岩壁を登れるってのが困った話だよねえ。そのおかげで折角山道で足止めしようとしても、前が止まると横から来ようとするもんだから質が悪い」


「一体ずつぶった斬るしかねえか?」


 ウェイドが逃げつつ背後を向けば、その背を追っていた魔物が腕を広げて両手の鈎爪を伸ばし、抱きかかえるようにして振りかぶってきた。一度後ろに跳んでそれを空かすと、ウェイドは大上段の構えをしながら前に踏み込み、猿の頭から股先までを叩き斬った。裂いた隙間から鈎爪が突き出てくるが、ウェイドはそれを剣で弾くと、再び逃走に移る。


「ちっ、戦うにもこう客が多いとどうにもな」


「熱烈なもんじゃない。一緒に明け方まで踊ってあげなさいよ」


「引く手数多で羨ましいねえ」


「分けてやるよ。こんな色気のねえ毛むくじゃら共」


 再び逃走をやめて反転し、魔物に挑みかかるウェイド。魔物は息を荒くしながらその太い腕を振り上げる。しかしウェイドの剣がそれが振られる前に魔物の喉元に突き刺さり、魔物は苦しげに呻いた後に絶命した。そのまま前のめりに倒れてきたが、ウェイドは剣を喉から引き抜いて数歩後退し、倒れこむ魔物の下敷きになることを避けた。


 しかし、その魔物の後ろから別の魔物が出てくる。ウェイドはこれも撃破するがさらにその後ろから現れ、何度斬り伏せようと沸いてくる魔物相手にさしものウェイドも疲れたのかまた逃走する。


「だああ、もう! 何匹いんだよ ていうかお前ら、手伝えよ!」


「手伝えるわけないでしょ、こんな狭い道でさ。敵は一体だけど、道幅的に戦うときは二人が限度。それも一直線だけの戦闘ならね。でも避けるために横にずれることだってあるでしょう? この道はそれができないのよ。道幅ギリギリで戦った場合、あたし達はかわさないで敵を倒さなきゃ――」


 ミーシャが何かを見て立ち止まる。ラッセントも同様に立ち止まった。ウェイドは一人その二人を越して立ち止まると、不思議と魔物たちもまたその足を止めた。止まるというよりは、先頭集団がしり込みし、後ろの仲間を塞き止めたというほうが正しい。


 ウェイド達が向かわんとした下り道の先を、戦鎚を手にした巨体が塞いでいる。それは漆黒の毛並みをしており、手足は人間に近い。やや屈んでいるような体勢ではあるものの、その状態で魔物の成体と同等以上である体躯を誇る。なにより目を引くのは猪の頭部で、黒い鬣がモヒカン状に立てられており、湾曲した牙が天に向いている。しっかりと革の鎧や腰巻をしているあたり、見た目に反して知性を感じさせた。


「オーク? それにしては大きいけど」


「ていうか、下級とはいえあれは魔族よ? まさかここのボスってあれのこと!?」


 オークと思しきものは戦鎚を地面に叩きつけると、柄の終わりに手を当てて鼻を鳴らした。


「グフフゥ。人間か? 可愛い女がいるじゃねえか、おいお前この俺様の嫁に貰ってやってもいいぞ!」


 偉そうな重低音の声でミーシャを指差すオークは、笑みを浮かべながらそう言い放った。


「嫌よ! あんたみたいな豚面!」


「グフゥ、生意気で強気な女だな。だが、いい! 気に入ったぞ。お前は俺様の嫁にする!」


「耳聞こえないの? 嫌だって言ってんでしょ!」


「馬鹿おめえ、愛ってのは一瞬で芽吹くもんじゃねえ。俺様とこれから育めばいい!」


「な、なんなのよこの豚? やたらとポジティブなんだけど」


「よかったじゃねえか、嫁の貰い手があって」


「あんなのと結婚するぐらいなら火あぶりになったほうがマシよ」


 ラッセントがそれに笑う。しかしすぐに状況を思い出したのか咳払いをすると周囲を見回した。


「ていうかどうすんだい? 後ろには魔物、前には豚――じゃなくて魔族。逃げ場がないよ」


 背後の魔物達が鈎爪を打ち鳴らして威嚇する。ラッセントがそちらを見遣れば、魔物の視線が自分たちの先に向いているのを見て、その視線を追った。どうやら魔物達は突然現れた侵入者に対して威嚇しているらしい。


「あれ、なんかおかしいなあ。魔物って魔族に従うんじゃないっけ? あの魔物達、明らかに敵を見るような目であのオーク見てない?」


「単にあの豚が弱っちいから、魔族って認識されてねえんじゃねえの?」


「ふーん……」


 ミーシャが悪い笑みを浮かべた。


「ねえ、あなた強いの?」


 猫撫で声のような甘い声でミーシャがオークに呼びかける。鼻息を荒くしながらオークは胸を張る。


「ああん? 強いとも!」


「じゃあ、あの魔物なんか余裕で倒せちゃうの?」


「グハハハハ、当然よ! このグーダラ様にかかればあんな雑魚共一捻りよ!」


「本当かなー? 口だけの男は嫌いよ?」


「グフフ、どこまでも生意気なやつめ! この俺様の実力を見せてやる。惚れ直すと良いわ!」


 グーダラと名乗るオークはラッセントとウェイドを押しのけ、魔物の前に出た。魔物は威嚇するが、グーダラは有無を言う暇もなく戦鎚を振り下ろす。魔物はその一撃で地面と同化し、周囲にその一撃の振動が広がった。


 背後にいた魔物はその一撃で完全にグーダラを敵とみなし、怒りに満ちた声を上げながらグーダラに襲い掛かった。巨体同士がぶつかり合うが、グーダラは微塵も下がることなく前に出て行く。


「なんだぁ? この俺様を舐めているのか?」


 グーダラは戦鎚を魔物の腹に打ち込むと、そのまま力で魔物を奥に押し込める。魔物が詰まっていることなど意に介すこともなく、グーダラは先頭の魔物を通路の奥へ奥へと押し込んでいく。押し出されて岩壁から落ちるものもいたが、壁をよじ登って左右に分かれながら襲い掛かってくる魔物に対しては素手と槌を振るって虫を払うようにして叩き落していく。その様をラッセントは口を開けて見ていた。


「凄い力だ」


「ただの豚じゃなさそうね」


「やりやがる。雑魚じゃねえな、あいつ」


 次第に力の差を感じ始めたのか、魔物が一斉に後退し始めた。しかし、グーダラはそれを逃がす気がないようで、坂道を駆け出してそれを追いまわし始めた。


「待てい。この俺様に楯突いて生きて帰れると思うなよ!」


 凄みを発しながらも、戦闘中はちらちらと後ろのミーシャに目を向けて反応を窺うグーダラに、ミーシャは引きつった笑顔で返した。その隙を突いた魔物に殴られ、情けない声を上げてグーダラはよろめいた。無様を晒したことに激昂したのか、グーダラは先ほど以上の勢いで槌を奮い、魔物を減らしていく。


「ふうむ、ここらが見せ場だな。俺様の本気を見せてやろう!」


 グーダラから威圧的な気が発せられる。重圧感が高まると、魔物達が一斉に怯えたように後ずさる。ウェイドにはこの感覚に覚えがあった。その重圧感はアイオンが発しているものに良く似ていたからだ。


「力よ力! 己の持つ全てを発せ! 隆起し! 奮起し! 眼前の敵を破砕する『怪力』よ! このグーダラの肉体に宿れ!」


 一瞬で弾ける赤い輝きが放たれると、グーダラの全身の筋肉が隆起した。盛り上がった筋肉によって体格が倍近く膨れ上がり、さらなる巨体となった圧倒的な威圧感を放つグーダラが一歩前に出ると、重量からか足音すら重い音を放った。


 魔物が完全に怯えて逃げようとするが、巨躯に見合わない速度でグーダラがそれを追い、戦鎚が振り下ろされる。魔物ごと地面を砕ききり、道の半分がえぐれて瓦礫となって麓の方まで落下していく。散り散りになって逃げようとするのを良しとせず、グーダラは笑いながら一匹一匹を叩き潰していく。


 中には強気にグーダラに挑みかかる魔物もいたが、自慢の鈎爪はグーダラの筋肉に阻まれてかすり傷程度しか付けられない。赤い眼差しが魔物に向くと、グーダラはその魔物の頭を掴みとりそのまま柔いものを扱うように握りつぶして崖下に放り投げた。


 茶と灰色だったはずの道は、グーダラの戦鎚一振りで赤く染まっていく。想像以上の強さと狂気を感じるグーダラの姿を見て、ミーシャ達はその場で固まってしまった。


「あ、あいつ魔術使えたの?」


「大将の魔術に似てる。肉体強化の魔術みたいだけど」


「なんて野郎だ。俺らが手こずった奴らをああも簡単に……!」


 ウェイドの額には汗が伝っており、目は真剣そのものだった。


 本能的に、そして経験としてアイオンの魔術訓練に付き合っていたウェイドは感じ取っていた。グーダラの魔術、『怪力』はアイオンの『覚醒』とは似て非なる魔術であると。『怪力』は己の筋肉を肥大化させて肉体強化するのに対し、アイオンの『覚醒』は自分の筋力を魔力で補助し、人間にせよ魔族にせよ自分の持てる限界以上の力を引き出す魔術である。


 決定的に違うのは、肉体強化を果たす『怪力』は速度も力もその肉体自体の硬さも上がっていることだ。今グーダラの肉体は肉の鎧で覆われている。岩盤をたやすく打ち砕ける力を発揮できる筋肉がどれほどの硬さを秘めているか。素の状態で自分よりも筋力が上である魔物がグーダラに適わなかったのを見たウェイドは、さらに強化されたグーダラを見て、自身の剣が届かないことを察したのだった。


「どうしよう、ここで俺達が逃げたらあいつは大将達と鉢合わせになるよ」


「魔物共が従わなかったところを見れば、野郎はここのボスじゃねえ。つまり、アイオン達は別の奴と戦っているかもしれねえってことだ。まずいな。アイオンの魔術なら対抗できたかもしれねえが、もしも別の魔族と鉢合わせしていたとしたらそんな余力があるとは思えねえ」


「ていうか、あたしらがまずどうすんのよ? あいつ、もう魔物倒し尽くしちゃうわよ!」


「逃げるわけにもいかねえし、かといって戦って勝てるかって言やあ微妙なところだ」


「いやいや、副大将はあれに勝つ気なの?」


「当たり前だ。俺の旅の目的の一つが魔族打倒だぜ。あれぐらい勝てなきゃ、あいつには――村を滅ぼした野郎には勝てねえ」


「無謀もいいところね。勝てっこないわよ。真正面しかない道で、あの化け物とどう戦う気?」


 魔物の悲鳴が響いた。そして重量のある足音がウェイド達の足元まで揺らして近付いてくる。


「グフゥ、どうだ我が嫁。俺様、カッコよかっただろう?」


「え、ああ、うん。凄くたくましくて素敵だったわ」


 言葉を途切れさせながらも、ミーシャが甘い声で褒めるとグーダラは照れ笑いを浮かべる。そうしているうちに隆起した筋肉がしぼみ、魔術を発動させる前の姿に戻った。


「グフフ、さあてと。邪魔な雑魚がいなくなったところで、もう一つ小蝿を払うとするか」


 グーダラが真っ赤に染まった戦鎚を握り、ウェイドとラッセントに目を向ける。ウェイドは剣を抜き、ラッセントは後ずさりながらも剣に手をかけた。緊迫した空気の中で、グーダラとウェイド達の間にミーシャが割り込む。


「お、おいミーシャ?」


「嫁の名はミーシャと言うのか! なんと愛らしい響きだ! だが我が嫁よ、そこをどけい。女はいるが男はいらん」


「駄目よ。あたしを愛してくれるのなら、あたしの家族も愛してくれなきゃ」


「グヒ、家族?」


 ウェイドが口出ししようとしたのを、ミーシャの意図を読み取ったラッセントがウェイドの口を塞いで防ぐ。


「あたしは家庭的な人が好きなの。人間だろうと魔族だろうと家族を大事にしてくれない人は嫌いよ」


 ミーシャが顔を背けると、グーダラは慌てて戦鎚を後ろに隠した。


「グ、グハハ、俺様は家庭的な男だ。その、あれだ。慈悲深いのも俺様の特長でな。お前の家族になど手を出すわけがないだろう。武器を向けたのは冗談だ冗談! 魔族流の冗談でな、流行っているんだ。グハハハハ」


 必死に取り繕った言い訳を続けるグーダラを眺めつつ、ラッセントに小声でミーシャに庇われたことを伝えられたウェイドは状況を飲み込んだ。


「あ、ああ。そうそう、家族ね家族。俺は末っ子な」


「ええと、俺は長兄だよ」


「そうそう! あたしのお兄ちゃんと弟なの! 山登りを楽しんでいたらあの魔物に襲われちゃったのよ。グーダラさんが助けてくれなきゃ今頃死んでたわ。命の恩人よ!」


「そ、そうかそうか。なに、俺様は魔族の中でも慈悲深く、人間だろうと困っているものを見捨てることなど出来ない性分でなあ。これぐらいは当然の行いだ」


 オークだけあって知性はなく、乗せられやすい性格であることを察したミーシャとラッセントが目と目で確認しあう。


「い、いやはやうちの妹もグーダラさんを気に入ったようですね」


「なに言ってるのお兄ちゃんたら」


 照れる振りをするミーシャを見て、グーダラは鼻息を荒くする。


「照れることはないぞ我が嫁よ。全く可愛いやつめ」


「ところで、グーダラさんはこんな山になにをしに来たんですか?」


 グーダラはラッセントの質問に答える気はなさそうな素振りだったが、ミーシャの視線に気付いたのか慌てて笑顔を作った。


「え、ああ。俺様はとある任務を果たしにきたんだ。仕事熱心な性分でな」


 ちらりとミーシャに目を向けてさりげないアピールをしているグーダラを、ウェイドは冷めた目で見つめる。


「ほほう、グーダラさんほどの魔族の任務ともなれば相当大変な任務なのでしょうね」


「グヒヒ、そうとも! アスラデルトの野郎、じゃなくて三人の魔将軍の一人、アスラデルト様直々に俺様を指名しての任務でな。まあお前らは俺様の嫁の家族だから特別に見逃すが、本来人間は敵だ。俺様の任務はある人間を殺すことだ。たかだか十数年しか生きてない若い女で、見た目は可愛いくせして武闘派と名高いアスラデルト軍に属する魔族を何人も殺していやがる化け物みたいなやつらしい」


「そんな大役を、お前みたいな――あ、いや貴方様みたいな方がやられるんでごぜえますか?」


 片言のようなぎこちない言葉を紡ぐウェイドのわき腹をミーシャが肘で小突く。


「俺様は部隊長の一人だからなあ、大役を任されて当然よ!」


 その言葉を聞いてウェイド達の表情が堅くなる。だがミーシャは直ぐに笑みを浮かべなおした。


「えー、凄いわ! さすがね! でもこの山にその女がいるんでしょう? 魔族を一捻りにするほどの人なんて怖いわ!」


「グフフ、安心しろ。この俺様が守ってやるから」


 グーダラが目に力を入れ、良い顔を作ってそう言った直後、山全体を重圧感が包んだ。さしものグーダラも真面目な顔つきになり、道の先に鋭い眼光を放つ。


「これは魔力か? 一つはギルスレイの野郎だが、もう一つは誰だ? 知らん魔力、いや、この魔力の質はまさか……ノヴァ・グランケ様!?」


 ウェイドはその言葉で坑道の中、アイオンが魔術を発動して戦っていると判断した。


「いや、ギルスレイはノヴァ様の部下だ。あの忠誠心の塊みたいな奴が反乱なんか起こすわけがねえ。なら一体こいつはなんだ? まさか、俺様の追う女は魔術を使えるのか?」


 それを聞いたラッセントが小声でウェイドに、大将のことが女として伝わっているのでは、と告げる。しかし、ウェイドはそれはないと否定した。アスラデルトと戦ったことはないし、その配下とも戦ったことがない、とラッセントに返すウェイド。


「ねえ、その女の名前って分かるの?」


 ミーシャがそうグーダラに訊ねる。ウェイドとラッセントがミーシャのほうに視線を動かせば、その顔はなにかの可能性を考え付いたのか、青ざめた顔色だ。グーダラは少し溜めた後、口を開いた。


「その女はセーデという小国に住んでいたって話だ。アスラデルト軍が攻め寄せた時に他国へ逃亡したらしいんだが、その時にそいつを追った連中が死体で見つかってる。部隊長クラスでないにせよ、魔術も使えるやつらが無残にやられていた。たかだか人間に、しかも小娘にだ! 高名な騎士の娘だそうだが、魔族に勝つ理由として納得はいってねえ。


だが魔術が使えるってんなら話は別だ。それなら魔族が小娘に油断して負けたってことで納得できる。その小娘の名前は確か、ティラと言ったな」


 目を見開いたミーシャ。驚愕しているウェイド、笑みを消して真顔になったラッセント。隠せぬ驚きを晒す三人は、全員が山の上に視線を動かした。ただ追うものの言葉が余韻として三人の脳に響き、戦いの中枢にいる彼女の姿が記憶の中から呼び覚まされる。


 追われるもの――ティラ・シャンデリスの微笑む姿が。

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