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昔は彼女の家に電話して親が出ると気まずかった。

春夏達がちょうど帰宅した頃、一人の少年がマンションのエレベーターに乗り込む、そして3階のボタンを押した。

エレベーターの表示が2F、3Fと変わって行くのを見ながら、少年は独り言を呟く。


春夏はるかの奴、俺に何も言わずにいきなり休むなんて風邪でもひいたのか?ラインも既読付かねえし、何やってんだよ」


一応お見舞い用にコンビニでポカリとゼリーは買って来た、これでも彼氏だ、文句を言いつつも心配でしょうがなかったのだ。これで病気じゃなかったら気まずいかもしれない。


玄関前、まだお兄さんは会社から帰って来てないよなと緊張しながら、チャイムに手を伸ばす。


ピンポー~ン







ガチャ


「は~い♪ あれ、竜太君」


は…………誰?

部屋は合ってるよな?303だし間違いない。髪の長い美人のお姉さんがブカブカのタンクトップにくわえタバコで出て来た、えっ、ノーブラ!!


「…………あ、え、は、初めまして、あ、春夏はるかさんはご、ご在宅でしょうか!」


「ああ久しぶり、いるよ~。春夏ぁ、竜太君だぞ!」


「ちょ、お兄ぃ、馬鹿!!」


「あっ!そうか」


「????」




リビングで私の彼氏である竜太と向かい合って座る、昨日もこんなシュチュエーションあったな。

兄は当事者のくせに台所の机で美味しそうにカツ丼を食べている、空腹には勝てなかったらしい。


「うわっ、体が女になったせいかカツ丼の量が凄え多く感じるな、大盛りは失敗だったな」


うるせえよ、馬鹿兄!黙って食ってろ。

それと私の冷やし中華は冷蔵庫に入れとけよ、ぬるいのはヤダぞ。


「え~っと、あの人はお前のお兄さんでいいんだよな?」


「昨日からは姉になったけどね」



春夏の向かいで座る竜太少年は考える、お兄さんとは先月駅前でばったり会ってる、その時はまだ男だった、男前だったしこんな美人のお姉さんじゃなかった。


「女装趣味?」


「正真正銘、本物の女よ、こうなった以上話すけど、突然女になる病気なんだって」


「そうそう、トランスフォーマー病だっけ、チン子も無くなっちゃった」


「トランス・セックス病よ!月岡先生も説明してくれたでしょ、あとその容姿でちんこ言うな!!」



冗談?いや春夏はそんな冗談を言うような女じゃない、じゃあ本当にそんな病気があるのか。マジで。

俺はお兄さん?の方をもう一度見る。


「ブーーーーーーーッ!!」


「あ、コラ!お兄ぃ、胸はだけて見えちゃってる!!」


「あぁ、悪りぃ悪りぃ、まだ女の自覚が薄くてなぁ、悪いな龍太君、お粗末さま」



ドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキドキ


「は、初めておっぱい見た!大きくて先っちょピンクだった!!」


「なに私のお兄ぃの胸見て興奮してるのよ、変態!」


「いやアレはおっぱいだろ!初めて生で見たんだ、男なら仕方ねえだろ」


「ちゃんと見るか~?」



「黙れ、馬鹿兄」


私の彼氏の性癖歪めるなよ。まだ、キスだってしてないだからね。







お兄さんがスエットに着替えて戻って来ると麦茶を出してくれる、どう見ても女だな。

じぃ~っと見てしまう。


「お〜っと、竜太君、彼女の前で浮気は良くないぞ!でもちょっとだけ触ってみるか?」


「え、良いんすか!!」


「死ね」


ダンッ!!


春夏が一気飲みした麦茶のコップを叩きつけるように机に置く。


「「ヒィッ」」




ギロリと二人を睨みつけると大人しくなった、全くこれだから男って生き物は。


「とにかく、今日はその馬鹿兄のせいで病院に行って来たのよ、とても学校には行ってらんなかったの」


「それは大変だったな、そりゃ病院じゃ電話も出れないわけだ」


「えっ」


竜太の言葉で思い出したようにスマホを確認する、今日の私本当に余裕がなかったんだなぁ。


「あ、ごめん、今日病院行ってたから機内モードにしてた、うわ〜陽子達からもいっぱいライン入ってる!」


「お兄さんがお姉さんになっちまったらしょうがねえよ、で、明日は学校来れるのか?」


どうしようか考えていると、お兄ぃが口を開く。


「春夏行ってこいよ、俺も明日は会社や役所に行かなきゃならないし、親父の所は週末で良いだろ」


「えっ、お兄ぃ、明日会社行くの?大丈夫」


「あぁ。丸ちゃん先輩ならちゃんと説明すれば大丈夫だと思う、藤崎の奴はわからんが」


「……そう、じゃあ私も明日は学校行くね」



「あ、春夏、学校ではお兄さんの事は内緒にしたほうが良いよな」


ここで竜太がそう問いかけて来る。どうしよっか、別にわざわざ学校で言いふらすような事でもないよね。


「そうだね、とりあえずもう少し様子を見てから決めるわ、一応私の保護者になってるしね」



思い出したようにお兄ぃがポンと手を叩く。


「じゃあ、陽子ちゃんが会社に来ても俺は知らんぷりしてれば良いか」


「あぁ、陽子とお兄ぃって!!」









「お兄さんお兄さん、ちんこ無くなる感覚ってどうなんですか?」


「結構めんどいぞ、当然だが立ちション出来ないし、尿道短いからかオシッコも我慢しずらい」


「あ、そうなんですね」


「触ってみる、本当に無いんだぞ」


「良いんですか!!」


そぉ〜っと、兄の股間に手を伸ばそうとする竜太。


「コラ、そこのバカ二人、いい加減にしろや」

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