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家飲み?

「は?」


なんか家に帰ったら宴会をしておるんだが。

何、この軽快なギターサウンド、誰か説明プリーズ。



ジャルリロラン♪


「「凄え!!生HOTOMIだ!感激!」」パチパチパチ


お兄ぃと藤崎さんが盛り上がってる、ん、この高そうな酒瓶のせいだな。うわ、度数高いな、2本も空けたのか。

また、お兄ぃが知らんおっさんを連れて来ている、中山さんで懲りてないのか、酔った勢いで押し倒されたり、犯されても知らんぞ。ん、あれ?今、生HOTOMIって。


「お姉ちゃん、ただいま。で、この人って…もしかして」


「おう、おかえり春夏、HOTOMIさんだぞ。あ、HOTOMIさん、妹の春夏です、どうです可愛いでしょ!」


おっさんが立ち上がってペコリと頭を下げる、うおっ、背ぇ高!この顔知ってる本物のHOTOMIだ。


「どうも初めまして、HOTOMIです。ギタリストをやってます、お姉さんの言う通り妹さんも可愛いですね」


「知ってます。そしてお姉ちゃんがお世話になってます」


「ハハハ、春夏でもHOTOMIさんの前だと緊張するのなギャハハ」


「当たり前だろ内海、世界のHOTOMIさんだぞ!世界のぉ!」バンバン


痛いなぁ藤崎馴れ馴れしいぞ、酔っ払い二人に絡まれそうになるところを、丸山さんに引っ張られる。


「おかえりなさ~い、春夏ちゃ~ん♪」チュ~


うわっ、丸山さんも出来上がってるのか!


いつから飲んでんだこいつら、これは応援呼んだ方がいいな。




ジャカジャ、ジャカジャ、ギャギャ、ジャン♪キロキロキロ


「凄いなUTUMI、俺が弾くリフ完璧にコピー出来てるよ、じゃあこれは」


ジャジャジャ、ジャン♪ジャガジャガ、ジャン♪

ジャジャジャ、ジャン♪ジャガジャガ、ジャン♪


「おぉ~、良いね、グーッドだよUTUMI」パチパチパチ


いつの間にかギター演奏会が始まっている、お兄ぃもHOTOMIさんも上手いから聴いてても雑音にはならないのが幸いだね。せっかくだからあれ弾いてくんないかな、えっと、ラッスンゴレライだかスリラーだか有名なやつ。

で、藤崎さんはなんで泣いてるの?ああ、生演奏に感動してるのね。


ま、お隣は昼夜逆転のお仕事の人だし、このアパート結構防音効いてるからアンプの音量小さくしとけば良いよね。

しかし二人ともずっとギター持ってんな、子供の抱き枕か、持ってないとぐずるのか。


ピンポ~ン♪


「お姉様!陽子が来ましたよ、わぁ〜随分楽しそうですね。わっ、本当に本物のHOTOMIさんだ」


本当に呼べばすぐ来るようになったなコイツ。呼んどいてアレだけど大丈夫か。


ジャガジャガ、ジャン♪


兄がギターを弾きながら思い出したように陽子に話しかける。


「そう言えば今日、陽子ちゃんのお父さんからCMのお仕事もらったんだよ」


「そうなんですか、お姉様も出演するんですか!でしたら好きなだけぼったくって良いですよ!」


この話にHOTOMIさんが食いつく、あれ?そう言えばこの人何しに来てるんだ。

大体、家飲みに呼ぶような間柄じゃないぞ。


「へぇ、UTUMIの会社、CMなんかも作ってるんだ、それにUTUMIちゃんが出るの?」


「なんかワイン会社のCMでイメージ通りだとか言われちゃって」


「ふ~ん、じゃあBGMは俺が作ってやるよ、60秒あればいいよね?」


「「うええーーっ、そんなHOTOMIさんに払えるような予算はないですよ!」」


また藤崎と声被ってる。仲良いな。

でもこの人に頼んだら1秒いったいいくらになるんだ、想像がつかないぞ。


「いいよ友情作曲って事で無料ただで、その代わり今度俺のアルバムでUTUMIが一緒にギター弾いて歌ってよ」


「へっ、そんな事で。でも私なんかで良いんですか?」


大きく頷くHOTOMIさん、やっぱ金持ちは考え方がどこかズレてるわ~。

お兄ぃなんかただのギター好きのアマチュアだぞ、それのどこに価値を見出してんのよ。



「そう言えばUTUMIは何でストラトキャスターなの?」


「テレキャスはどうも音がパキパキし過ぎてる感じがして、ストラトの方がしっくり来るんですよ、後ジミヘン好きなんです」


「ハハ、やっぱり、白のストラト使ってる人は大抵がそうだよ、でもテレキャスの方が音がハッキリしていてロック向きだと思うけどな」


そう言いながらHOTOMIさんは自分のギターを鳴らした。


バキバキギャルラン?


うん、違いがわからん。


「いや〜、今日の飲み会は賑やかで楽しいなぁ、最近は家で一人で飲むことが多くてね」


世界的ギタリストって言っても家じゃ結構寂しいおっさんなんだな、少しは優しくしてあげるか。



「せっかく長野に来たんだ、明日は天ザルでも食べに行こうか、奢るよ」


「あ、それなら戸隠でも行きます、美味しい店紹介しますよ」


HOTOMIさんの提案にお兄ぃがそんな事をのたまった。


ちょ、私と陽子は明日も学校あるんですけど!コラ、陽子どこに電話してるのよ学校休む気じゃないでしょうね。


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― 新着の感想 ―
世界的でもロンドン住まいでも、普通のアパートに来て、普通に座って普通に喋れて飲める人って素敵ですね。気さくなHOTOMIさん~
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