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フリージア王国備忘録<第一部>  作者: 天壱
怨恨王女と祝勝会
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657.騎士隊長は望まれる。


「やっぱりカラム隊長は騎士の装いがお似合いですね。」


細くたおやかな白い手が、私を掴む。

晴れた日の雲のように柔らかな笑みは光を帯びていた。前奏を聞き、組み合い、その時を待ちながら私は改めて自分の立場に目が眩む。

深紅に包まれ、薔薇のような美しさと蕾のような愛らしさを重ね合わせるその女性は間違いなく、我々騎士団が追い求め続けた王女だった。

そんな御方に装いを一番に誉められれば、少なからず熱も上がる。


「……恐縮です。」

爵子ではなく、騎士としてプライド様の手を取れたことがこの上なく喜ばしい。

この装いが良いと言われたただそれだけで、自分でも驚くほど胸が動悸した。目の前で嬉しそうに笑むその御姿は人の枠を超えているとも思えてしまう。以前に手を取って頂けた時よりも遥かに指先から痺れるような感覚にまで襲われた。着慣れた団服の所為か、それとも騎士達に囲まれている所為か、……長い悪夢を抜けた後の所為なのかはわからない。

前奏が終わり、共に曲に流れ出せばふわりと深紅の髪先が視界の端に揺れた。その鮮やかな赤に、改めてプライド様と踊っているのだと思い知る。ステップを踏み、緩やかに騎士達の前を回りながら通り過ぎればその度にプライド様へ見惚れるような溜息の音がした。


「ティアラ様の王妹確立もおめでとうございます。……新たなフリージア王国の幕開けを嬉しく思います。」

妹君であるティアラ様の王妹確立。

歴代で初めての試みでもある。しかし、少なくとも騎士団でそれを否定的に見る者はいなかった。

奪還戦ではアネモネ王国から援軍を呼び、更には予知能力を開花させたティアラ様はフリージア王国の民が認める〝王〟の一人だった。

通達が届いてから、特に奪還戦当時に離れの塔に立ち会った騎士達も酷く納得した様子だった。私も居合わせた一人としてティアラ様の王配業継承は在るべき姿とも思える。しかし、プライド様の王位継承権確立へ影響を考えても、二人目の予知能力者であるティアラ様の力の公表と継承は簡単なものではなかっただろう。

何より、冷静に考えれば第一王位継承者であるプライド様が最もティアラ様の王位継承権を複雑に思っておかしくない立場でもある。……しかし。


「ありがとうございます…!カラム隊長にそう言って頂けると私も嬉しいです。」


そう言って目の前の御方は陰りのない笑みを浮かべられた。

むしろ照れるような頬の緩みとその表情に、心からティアラ様の権威確立を喜ばれているのだとわかる。そしてそういう御方だったからこそ我々は命を懸けて奪還を望んだ。

本当にどこまでも美しい御方だと思い、目を向ければ……うっかり容易に直視してしまったことを後悔した。鮮やかな赤と紅に包まれ、髪飾りに彩られ、この上なく愛らしい恰好のプライド様を直視し、心臓が破れかけた。

美しいだけではなく愛らしい、などと口が裂けても言えるわけがない。アランとアーサーとのダンス中にいくらか見慣れたつもりだったが、やはり一度意識してしまうと駄目だった。

急激に体温が上昇し、心臓が至近距離にいるプライド様にまで聞こえそうになる。しかも今は騎士達の視線の最中だ、騎士隊長である私が情けない姿を見せるわけにもいかない。

緊張を誤魔化すように「あの」と言えば間が悪くプライド様と声が重なった。失礼いたしましたと返せばプライド様からも同じ言葉が返され、互いに譲り合う。最終的にはプライド様から「私がカラム隊長のお話から聞きたいので!」と半ば強引に主導権を渡された。

弧を描き、そして繋いだ手のままに反対の手を共に広げて見せれば騎士達の歓声が上がった。「流石カラム隊長!」といくつも声を上げられ、やはり公式の場とは違うと思う。

そしてプライド様から先にと促された私は、改まって口を動かす。


「……お手に取って頂き、ありがとうございます。プライド様とこうしてダンスを交わせることを心より嬉しく思います。」


近衛騎士である私達の手を取って下さるであろうと、予想できてはいた。

プライド様という御方がそういう方だということはとうに知っている。本来ならば一人でも多く私達以外の騎士とダンスを交わし、彼らを労いたいに違いない。それでもやはり、我々を優先して下さったのはプライド様からの気遣いでもあるだろう。

私の言葉にプライド様は「こちらこそ」と返すと、指先で撫でるように回した私の背にするりと触れた。それから凛としたあの声で答えて下さる。


「私がカラム隊長達とダンスをしたかっただけですから。むしろ私の方がお礼を言いたいことばかりで……。」

そこまで言うと一度口を噤まれた。

どこか言葉を選ぶように視線を泳がせると、コクンと口の中を飲み込む。そして改まった口調と静かな声を私に視線を向けた。……そう上目で覗くのは今の装いではあまりにも毒だというのに。

思わずその唇が動かされる前に、直視を逃れるように私は喉を反らしてしまう。


「私こそ、……あの時は止めて下さってありがとうございました。今は本当に感謝しています。」

あの時、とその言葉の意味は考えずともわかる。

離れの塔で正気に戻られたプライド様が、一度は自害をされようとした。本当に正気に戻った直後で、混乱も大きかったのだろう。今思ってもあれは自責の念に押し潰される寸前だった。

しかし、最後の最後でそれを引き留めたのはアーサーとステイル様だ。私も、他の騎士達もそして右手を盾にしたアランすらも己が立場からそれ以上のことは躊躇った。何よりも、目の前で恐怖に打ち震えるプライド様に向けるべき言動の全てが浮かばなかった。


「いえ、私ができたのは微々たるものです。むしろ踏みとどまって下さり、感謝しております。」

それに、と。その言葉を言う前に私は飲み込んだ。

あの時、私一人がプライド様の行動に反応できたのは決して私だけの功績ではない。私自身、〝あのこと〟がなければそこまで目はいかなかっただろう。むしろ、その後に自らの意思でプライド様の意思を止めたアランの方が己のみの判断だった。私があの時に動けた理由は


『あの方の犠牲を許すな』


……あの時の言葉を思い出せば、自然と視線が騎士団長と副団長の方へと流れた。

一年前に処分を言い渡された私とアランに、騎士団長が下さった言葉だ。あの時既にプライド様の危うさに騎士団長は気付いておられた。流石は騎士団長だとしかいいようがない。

正気を取り戻し、妙に落ち着き払って居られたプライド様の姿を見て、脳裏にはまるでその時を予見されていたかのように騎士団長の言葉が蘇った。

そしてプライド様の一挙一動に全神経を集中させていた私は、……たとえエゴであろうともそれは許さないと決めていた。




あの日頂いた、〝賞賛〟の証に懸けて。




〝次は守り抜く〟

〝次は擦り傷一つ許しはしない〟と。

己が罪に潰され、泣き伏し小さくなるプライド様に、死なせて差し上げることこそが救いかと考えなかったわけではない。

今でこそこうして笑っておられるが、もし一人でも国内に犠牲者がいれば私は止めたことを後悔したかもしれない。騎士として、目の前で死を願う王女を止める以外の選択肢しかなかったとはいえ、それこそアーサーの右腕のことだけでもこの御方は心を病まれていたかもしれない。

しかし証を与えられたあの日から決めていたことは私にも覆せなかった。たとえ今、死ぬ以上に苦しませることになろうとも、私の一生懸けてでもプライド様を守り続けたいという想いの方が強かった。


プライド様が思い留まって下さり、奪還戦後に初めて部屋に戻った日は扉を閉める間すら惜しかった。既に事態の収集に向けて騎士団の動きも落ち着いてきたせいもあってか、帰路ですら途中から込み上げた。

部屋で扉を何とか閉じ、棒立ちのまま顔を覆えば目の奥から熱が滲み出た。

終わったのだという事実が早くも胸を襲い、戻ってこられたのだと思えば息を出来ぬほどに涙に溺れた。

不出来に引き攣るように口端が引きあがりながら、喉を詰まらせて扉に背を預けた。誰の前でもないと思えば、一瞬で張り詰め切れたものはどうしようもない安堵と歓喜だった。まだ一日も経っていないことを疑問に思うほど、長すぎる時間だった。

今度こそは守り抜けた。その傷を最後の最後に止められた。己で思っていた以上にその事実は私にとって大きかった。

力なく垂らした反対の拳が打ち震えた。やっと息ができるようになり、詰まらせた喉へ正常に酸素を回すように口を動かし、思った言葉を意味もなく紡ぎ続ければその言葉は全て「良かった」の一言だけだった。

気を紛らわすようにプライド様以外の朗報を考えても涙は止まらなかった。アランが死ななかった。騎士に死者はいない。民にも死者はいない。アーサーも完治し、両腕を携え戻ってきた。一度に多くの奇跡に飲まれたあの日のことを私は一生忘れはしないだろう。

「最後にお会いした時にはあんなに酷い醜態を晒したにも関わらず、駆けつけて下さったことも感謝しています。本当にあの時は」


「プライド様。」


おずおずと潜めた声で背を僅かに丸められたプライド様に、私は言葉を重ねる。

無礼とは承知の上で今は止める。私達が聞きたいのは消して懺悔ではないのだから。

止めた私に下唇を小さく噛み、怒られる前のように肩をすぼめ視線を落としたプライド様は口籠られた。少しはっきりとした声で重ねてしまった為怯えさせてしまったか、それとも私が怒っているとでも勘違いされたらしい。

気付かれない程度ではあるが、プライド様のステップが小さく、そして遅れ気味になる。誤解を解くためにも「失礼致しました」と前置いてから、私は改めて語り掛ける。


「気に病まれる気持ちも、そのお優しさも嬉しく思います。ですが、どうかそれよりも……」


ここで、望みを言うのは卑怯だとわかっている。

望みという名の褒美ならば既に願った後だ。ここで私から願うのは図々しいことでしかない。だが、どうしてもプライド様からの謝罪に頷きたくはない。

ラジヤ帝国の被害者であるこの方に罪があったと私が認めたくはなかった。謝罪などよりも私が、私達が望むのは


「……どうか、変わられないで下さい。」


潜めた声は囁くようになだらかな音になった。

私の言葉にプライド様は驚いたように紫色の瞳を丸くされた。ステップが戸惑いがちになられる彼女を観客に気づかれぬようにそっと私からリードし、続ける。


「今回の一件も、我々がプライド様を救出すべきと判断できたのはそれまでのプライド様が居られたからです。これまでプライド様は誰にでも分け隔てなくお優しく、多くを許し、誰にでも手を差し伸べ、救い上げて下さりました。だからこそ、誰もが真実を知り惑いませんでした。」

もし、プライド様がその多くに在る……私が興味を持つことすら拒んだような、騎士にも関心を持たないだけの王族であれば、必ず奪還戦前の真実に騎士は迷いもほころびも生じただろう。それが全くなかったのは、豹変されたのがプライド様だったからだ。


「いつまでもプライド様が今のままでいて下されば、…………また何度でも我々はこの手を伸ばせます。」

いくつでも、貴方の無実を信じられる。

たとえその時に跳ね返されようとも、今のプライド様を取り戻す為ならば何度でも。

七年前、騎士団長と新兵の為に身を投じて救って下さった貴方ならば。

二年前、己が名よりもレオン王子とアネモネ王国の為に立ち上がられた貴方ならば。

一年前、私に再び騎士としての使命と誇りを与えて下さった貴方ならば。



私は己が死すらも笑って受け入れられる。



「我々は騎士として貴方を守り続けます。そして私も、この先も生涯をかけて貴方を守りたいと思っております。……貴方が好きだと仰ってくださった、騎士である私として。」

そう言って笑んでみれば、僅かにプライド様の頬に赤みがさした。同時に、気づいてしまった私も熱が上がりかける。

自分で言っておきながら、少し誤解を生む言い方になってしまってはいないかと我が身を振り返る。しかし、どう考えなおしても今伝えた言葉は偽りない。そして、……誤解を招く意味に取られても実際は大方間違っていない。


『私も、騎士のカラム隊長が大好きです』


前回のダンスで、そうプライド様は仰ってくださった。

貴族としてでもなく、私が誇り続けた騎士としての生き方こそを肯定して下さったあの御言葉は忘れない。

だからこそ騎士としてこの方をこれから先も守り続けていきたい。

私などが他の婚約者候補よりも相応しいとは思わない。だが、もし今回のことでプライド様が自ら立場を無くすようなことがあれば、本気で私はこの立場を活用しようとも思っただろう。

たとえ王女の座を失うことになろうとも、プライド様を一生守り続けられる許可を得られるのならば、今はこの肩書も悪くないと思えてしまう。そして、プライド様が再び第一王位継承者として権威を回復された今は、改めて騎士としてこの方にお仕えし続けたいと思う。私にとってもこれ以上に望ましい関係などありはしない。


「ですから、……もし婚約者候補の件で再検討を希望される時も遠慮なくお申し付け下さい。私がプライド様と在り続ける決意は変わりません。」

放心しかけていた様子のプライド様が、その途端に瞬きを思い出す。

予想外の言葉だったように瞬きを繰り返すプライド様は、リードせずとも自然と元の調子にステップを踏まれた。私の腕の中をくぐり、仰け反る上肢を腰ごと支えてみせれば観客方向から歓声と口笛があがった。視界の隅でアランまでもが口笛を吹く一人に入っている。また私の様子を楽しんでいるらしい。

あの、カラム隊長、それは、とどこか言葉が纏まらない様子のプライド様に、今は促さずダンスへ流す。考えが纏まらないのならば無理して絞り出さずにダンスをしながら考えて下されば良い。

たとえどのように断られようとも、私は傷つきはしない。父や母はある程度嘆くだろうが、私の意思は元々変わらないのだから。

ティアラ様の王配業継承。それに基づけばまた、ティアラ様の婚約者候補は当然のことプライド様の婚約者候補も幾分か条件が変わる可能性もある。そうすればもっとプライド様が望まれる相手が候補者に現れるかもしれない。元々の候補者が外される可能性も大きい。場合によっては全員再選出もあり得るだろう。

曲に流れながら再びフロアの中央へ戻り、終わりが近づく中で最後の締めくくりへ向けて集中する。社交の場でないにしろ、プライド様のダンスだ。手を抜くわけにはいかない。

最後の曲に合わせ、私の手を軸にプライド様を回せば拍手が巻き起こる。再び私の手に戻ったプライド様のステップで立ち位置を交換し、また手をとり回す。最後に曲が止められる締めくくりに合わせて互いに動きを止め、数拍後に示し合わせて同時に観客へと身体ごと向き直った。

深々と手を胸の前に添えて礼をしてみせれば、プライド様もドレスの裾を上げて応えて下さった。

おおおぉぉぉ‼と歓声が上がる中、観客へと挨拶を終えてから再びプライド様へ手を差し伸べる。それに躊躇いなくプライド様はちょこりと細い指先から私の手の平に乗せて下さった。それをグラスよりも丁重に受け取り、共に退場へと歩く。アラン達の元へと向かえば、その途中でプライド様が「カラム隊長」とさっきの続きをか呼びかけてこられた。

私が顔の角度を変えて向け、今度こそ促すように聞き返せば、プライド様は申し訳なさそうに眉を垂らされた。


「ごめんなさい。私からはカラム隊長を外すつもりはありません。」

肩を竦め、困ったように笑うプライド様の言葉は予想をはるかに超えた。

声も出ず、一瞬足が止まりそうになりながら続きを待つ。アラン達の元まで辿り着いてしまった私にはもう時間はなかった。

せめてその真意だけも確認せねばと、この手からプライド様の細い手がすり抜ける前に意を決して言葉を発しようとすれば、先手を今度は奪われる。

「だって」と紡いで笑う笑みは陽の光のように柔らかい。アランやアーサー達もいる前で何を仰られるつもりかと思えばプライド様はおもむろに私に顔を近づけ、




「カラム隊長も、死ぬまで私が一緒に居たいと思えた人だもの。」




あまりにも躊躇いなく、そう私の耳に囁いた。

婚約者候補のことを隠す為に極限まで抑えられた声が、私の耳から鼓膜までを擽り貫いた。肩から全身が一度震え、心臓が細かく刻まれる。相手が私でなくとも、間違いなく発作で倒すことはできるであろうほど殺傷力のある台詞に本気で一瞬気が遠のいた。口元を私の耳に近づけられたプライド様は、それを言ってすぐに身を引くと顔を軽く傾け、笑まれた。


「だけど、もしカラム隊長がお嫌だったら言ってください。ちゃんと希望にはお答えしますから。」

もう言って気まずそうに肩を竦ませて気遣うように私に言い放つ。

嫌なわけがない。その言葉を言おうとしたが既に衝撃で舌が痺れていた。

身体が拘束されたかのように自由が利かない中で、プライド様の指が私の手からとうとうすり抜ける。無意識に引き留めようと握る手に力をこめようとした頭に、痺れた身体の方が勝ってくれた。それでは、と告げるプライド様の笑顔と、手を引かれていく赤色のエリックの背後姿を最後に数秒だけ意識が白に消えていた。

カラム隊長?!おーいカラム。とアーサーとアランの声、そして強制的に私を回収する腕の力ですぐに目は覚めた。顔の火照りを隠すのも諦めてアランの隣に並べば、ニヤリとした笑みで肘で横から突かれた。……今、うっかり素手で反撃をしたら特殊能力を使わない自信がない。


死ぬまで一緒に、と。


いつからそう思ってくださったのかはわからない。

だが、私〝も〟ということは他の候補者達も同じなのだろう。そして私もその一人として数えられたのだとすればもうその一言だけで満たされた。……充分すぎるほどの一生と思えるほどに。

顔を上げ、焦点を合わせながらプライド様とエリックに目を向ければ、満面の笑顔のプライド様と真っ赤に塗りつぶされたエリックが中央へ向かっていた。

多くの騎士達に囲まれ、誰からも心からの笑顔を向けられながら笑うプライド様の横顔に私は自分の胸を団服越しに鷲掴んだ。……他でもないプライド様に、この先も生涯共に居ることを望んで頂けるのであれば。


この先も私のことで泣かせはしない。

この先もあの方の期待に応え、

そして永遠にあの方の笑顔を。

願うだけで足りはしない。この先も必ず貫き通す。


もう既にこの右手も、そして魂も。

…………あの方だけのものなのだから。


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