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フリージア王国備忘録<第一部>  作者: 天壱
無関心王女と知らない話
465/877

391.宰相は職務に従事し、


「……御風邪ですか。ジルベール宰相。」


淡々とした声で、私に言葉を掛けて下さる御方。

その方は、無のみが彩るその表情で私を眺めた。宰相業務中、滞った仕事の手伝いに来てくれた彼は慣れた様子で私の部屋に積まれた書類を片付けてくださっていた。


「…いえ、少々喉の調子が優れないだけです。」

歳のせいですかね、と返してみせれば返事の代わりに窓の外へ視線を投げられた。言葉を続けようと思えばまた喉が痛み、肺から噎せ返り、咳き込んだ。


「最近は日中の気温差が変わり易いですから。…いっそ、貴方も城に住まわれたら良いのでは。」

その方が往復も楽でしょう、と彼なりに気遣ってくれた言葉に感謝する。確かに、宰相である私は城内に住むことを許されている。己が身を省みるならばそれが正しい。どうせ私に帰るべき家などないのだから。…だが。


「お気遣いありがとうございます。ですが、私は今の暮らしが気に入っておりますので。」

「屋敷どころか家すら持たず下級層に下り続ける生活がですか、ジルベール宰相。」

貴方ほどの方が、と。私の言葉をはっきりと切り捨てる彼の言葉に、一度口を噤む。彼は私を責めている訳でも嘲っている訳でもない。無表情の顔と平坦な彼の声は、ただ疑問を私に投げかけているだけだ。

老い衰えた己が手を眺めながら、私は嗄れた声で彼に言葉を返す。


「…流石ステイル摂政殿。お耳が聡い。」

「何をされているのか迄は知りませんが。…あまり関わられない方が賢明です。貴方が我が国の宰相と手荒な人物にでも知られれば、きっと無事では済まされないでしょう。」

その心配はない。…たかが〝子ども〟が、こんな老人と同一人物だと思える者などいるわけがないのだから。

私が下級層に降りていることを彼に知られているということは、女王も同様ということなのだろうか。そこまで考えるとステイル摂政は「女王は何も知りません。…私も知るのはその噂だけです」と続けて下さった。


「…私はただ、…己が身に相応しい生き方をしているだけです。」

書類をまとめ、目を通し、サインを綴り、判を押す。

今、机に積まれた分の仕事は全てその繰り返しだ。私は必要な書物を机に置き、椅子へと腰掛ける。…この老人の身体では立ったままでい続けることすら、疲労する。

私と別の机で急を要するものを纏めた書類へ順に目を通して下さるステイル様が、佇んだまま私を冷めきった目で眺めた。


「ジルベール宰相、あまり御無理は勧めません。ただでさえ、貴方は王配の公務と宰相業務両方を務めているのですから。」

「お気遣いありがとうございます、ステイル摂政。こうして貴方様のお手を借りることも申し訳ないと思っております。」

彼は摂政だ。その上、女王に手足の如く使われているというのに、こうして空いた時間を見つけては私の元へ業務を手伝いに来て下さる。初めは「女王陛下が直ちに例の案件を片付けよと」と伝言の為に来て下さったが、…気付けば共にこうして摂政、宰相、王配、…そして何もせぬ女王の仕事すら二人でこなす事も増えた。


「別に、貴方の為ではありません。これが私の仕事ですから。それに、……摂政の業務で右も左もわからぬ私に最初に助力下さったのは貴方の方ではありませんか。」

「さて、…なんのことやら。最近は物忘れも酷くなってしまいまして。」

私は、貴方にあんなことをしたのに。と呟く彼へ適当に話を流せば、ステイル様は無表情のままの顔を私に向けられた。

ヴェスト摂政が女王の手により人知れず処刑され、まだ幼かった彼が事実上の摂政を任じられた。幼き女王と幼き摂政。私が彼へできることなど極僅かだった。だが、宰相と王配業務を両立していた私にはもう一つ業務が増えたところでさして変わらない。

確かに当時、マリアがあの部屋で保護されていることに関して女王に命じられるまま調べ上げ密告したのは彼だが…。…訳も分からない摂政業務に溺れて行く幼き彼を捨て置くことなどできるわけもなかった。

ゴホッカハッ、とそこまた咳が込み上げた。背を丸め、抑えるように腹部に力を込めるが、老人の身体ではどうにも堪えきれずに何度も発作のように咳が続く。申し訳ありません、謝罪をすればステイル様からは短い返事のみが返された。


「ジルベール宰相。…こちらの書類にサインをお願いします。」

「畏まりました。……!これは…。」

ステイル様から受け取った書類に、王配代理としてのサインを書く前に中身を改める。

衰えた視力で目を凝らせば、その内容はまだ私も目を通したことのないものだった。そして覚えのある内容でもある。

内容を端から端までさらう内に、また必要書類が増えることだけを理解する。読み終える前にステイル様がその口を開かれた。


「ひと月ほど前の私の誕生祭。その際の献上品を横領した上層部のリストと処分の申し立てです。陛下にもお見せしますが、その前に王配代理と宰相である貴方の許可が必要ですから。」

この御方が、こうして上層部の処分を私に申告するのはよくあることだった。

瞬間移動の特殊能力を持つ彼は多くの上層部の闇を暴き、女王の名の下に粛清した。王族の、国の資源に手をつけるなど重罪でしかない。しかも、今の女王の世では単なる重罰では済まない。死罪か、一族ごとの処分もあり得る。…そして彼はそれを充分に理解した上で何人もの摘発を行なっていた。


「また…これほどの上層部が目先の欲に踊らされるとは。」

「献上品に興味などありませんが、……こうして炙り出しには役立つので助かります。」

そう言った彼は、初めてその口端が笑みで歪んだ。黒色の眼がより深い闇を纏い、黒煙の覇気が渦巻く。

彼が笑みを見せるのは、こうして上層部を摘発し、処分を決める時だけだった。…そう、彼は間違いなく望んで上層部の闇を断罪していた。彼の出生やこれまでの道行きを考えれば、国民の血税で私腹を肥やし続ける上層部を一人でも多く葬りたいと考えるのも当然だろう。

……こうして国の資金に手が伸びてしまうこともまた、今の独裁政治による綻びともいえるのだが。

平民だけではない、上層部を含む上流貴族までもがその資金を枯渇させている。家を守る為、貴族としての矜持を守る為、土地を、人を養う為には資金がいる。本来の独裁政治ならばその穴を突き、そこで意地汚く甘い汁のみを啜る上層部のみが肥え、それ以外が飢えていくのだが、…彼はそれすらも良しとしない。

今の政治の穴を突こうとする愚者は、間違いなく彼によって断罪されていく。結果として、必要以上に私腹を肥やす者は上層部にすら居なくなり、ただひたすらに王族の…女王の懐だけが再現なく膨らみ続けていた。恐らく、彼にとっても最も断罪したいであろう存在の財源だけが確実に守られていく。


「ステイル様、どうぞ御身を御自愛下さい。…貴方様も些か己が身を酷使し過ぎております。」

彼の行う事を止めようとは思わない。

結果として罪もない民が、女王が求める以上の金を毟り取られることも減っている。私としてもそれは望むべきことだ。だが、…まだ若い彼の身を案ぜずにも居られない。

若くして摂政になった彼は、常に身を酷使し、女王の望むままに支え続けている。洗脳か、弱みを握られているのか、別の目的でもあるのか、もしくは隷属の契約でも交わしているのか。従順以上に彼は女王の望むままに働き、更にはこうしてそれ以上のことにすら手を染めている。

こうして老いた目で眺めるだけでも、もともと整っていた彼の顔からは血色を失い、睡眠も足りていないのか目の下もうっすらと黒ずんでいた。眼鏡を押さえて誤魔化そうと私から顔を逸らすが、その疲労は明らかだった。


「……眼鏡、馴染まれましたね。」

無言で隠そうとする彼に、私から話題を変えてみる。

すると、笑みも無くした彼は無表情のまま顔を私の方に向けて下さった。縁を押さえる指の力を緩め、今度は確かめるように指先で摘まれた。


「…ありがとうございます。」

もともとは視力が悪くなかった彼は、摂政業務に携わるようになってから身体より先に視力を衰えさせた。

慣れぬ書類をひたすら追い続ける日々で、若い彼の身体でも体力以外の部分は正直だった。最初は自身の衰えにも気付かなかった様子の彼に、眼鏡を仕立てるように提案したのは私だった。

私もこの姿では視力が僅かに衰えるが、凝らせば済む程度。だが、彼は明らかに書面に顔を近づけ、無表情だった顔の眉間に皺を刻むことも増えてきていた。

眼鏡の仕立て屋を呼び、その場で作らせれば自然と彼の眉間の皺は消えた。何故自身の変化に気づいたのかと彼は私に疑問を抱いていたが、それからは始終眼鏡を身に付けるようになっていた。

書面にサインと判を記し終え、書類を彼に手渡す。受け取った彼は、表情ひとつ動かさずにそれを目で確かめ、私に礼をした。


「では、私は一度こちらを陛下へ提出に行ってきます。…彼らの処分後、またお伺いします。」

今すぐにでも汚れた上層部を処分したいのであろう彼は、その言葉と共に瞬間移動で姿を消した。

誰も居なくなった空間で、まだ何十も残る書類に私は再び手を付ける。目を通し、サインを書き、判を押す。以前はアルバートが行っていた作業をただひたすら淡々と。


「…ッ!…っ、ゴホッ、ゴホゴホッ…ゴホッッ…ァ、…ハァっ…。」

咳が再びこみ上げる。口を押さえ、肩を揺らしながら何度も咳き込む。咳を続け過ぎ、酸素が足りなくなり、空気を浅く必死に吸い上げる。…今朝から僅かに熱もあったのは気づいていたが、どうやら人目がなくなったせいで気が緩んでしまったらしい。

視界が僅かにぼやけ、机に老いた指でしがみつく。いっそ身体をもう一つの年齢に操作すれば、今よりは楽になるかもしれないが…ステイル摂政がいつ戻ってこられるかわからない今、安易にあの姿になるわけにもいかない。


「何より、……罪人の私はこうして苦しみ続ける方が相応しい。」


手は、止めない。たとえ息苦しくとも、目がくらもうとも可能な限り書面を目で追い、震える指でサインを書き、判を押す。

今日中にはこの仕事も終わらせなければ。今夜もきっと飢えた民が私の住処の周辺で待っている。税が払いきれず身を売る決断を下そうとする少女がいる。己が子を、…人身売買に拐われ打ち拉がれる母親がいる。家族の為に自分の手を汚さねばと罪に手を今にも染めようとする父親がいる。飢えて泥水を啜りながら食料を求める老人や幼子がいる。彼らに少しでも金を、食事を今夜も届けなければ。


「……私は、…生き続けなければ、…償い続けなければ…ならないのだから。」


乱れる息と共に、自身へ言い聞かせるように声に出す。

休む暇など、永遠に無い。それが多くの民を不幸にした私の、愛する女性ただ一人すら救えなかった私の…唯一できる贖罪なのだから。





……







「……風邪か。ジルベール。」


低音の感情を抑えるような声で、ステイル様が私に言葉を掛ける。

少し熱に浮かされて頭がぼやけていたが、ステイル様の声で意識が戻る。すぐに顔を上げ、顔色を窺えば明らかに疑うような不機嫌そうな表情がそこにあった。

ヴェスト摂政から時間を頂き、ステイル様は王配業務を私から学ぶ為に手伝いも兼ね、私の部屋に訪れていた。

私の仕事書類を片手間に整理しながら、その漆黒の瞳には怒りすら滲んでいた。


「…いえ、少々喉の調子が優れないだけです。」

「その割に舌だけは相も変わらず回るようだな。」

いつも通りの容赦ない言葉が瞬速で放たれる。嫌味を受け流すように「お陰様で」と笑んでみせれば、鋭い眼差しが真っ直ぐと私に刺すように向けられた。

何か言葉を返そうとすれば、思わずまた喉が痛み、肺から噎せ返り、咳き込んだ。


「喉の痛みだけにしては随分と苦しそうだな?…あといくつの言い訳が出てくるかは見ものだが。」

視線を一度私から手の中の書類へと戻し、必要書類を数枚確認したステイル様は「まだ仕事はこれだけあるぞ」と手の束を私の机に置かれた。


「マリアか、それともステラから貰ったか。」

「いえ、二人は幸いにも全く。…恐らくは気温差に負けたのではないかと。」

最近は日が昇っている間は気温が格段に上がり、夜は僅かに冷える。屋敷に帰る道すがら、夜風に当たり過ぎたのだろう。


「ならばさっさと医者に診てもらえ。お前のことだ、薬師にすらまだ相談もしていないのだろう。」

「軽い風邪、ですから。この程度で城の医者や薬剤師の手を煩わせるのは─…、…!」


…しまった。

気付いて言葉を止めた時には、ステイル様の怒りを混じえた覇気と眼差しが再び私に向けられていた。無言の中に明らかな怒りと、若干の呆れがひしひしと伝わってくる。


「ほぉ…。…成る程、よくわかった。お前如きに城の優秀な人材を使うのは気が引けると、そういうことだな。」

静かな、深海のような声がステイル様の口から紡がれる。どうすべきかと考えながら笑みを作って返してみる。ここは大人しく私が折れるべきだろう。

「失礼致しました。ステイル様との王配業務が終わり次第、すぐに薬師に」


「いやもう良い、諦めた。」


私の言葉を打ち消すように、はっきりとした声で断じるステイル様に反射的に口を噤む。

黙れ、という意味を含んだその声色に思わず笑みが引き攣った。

嫌な予感が額を冷たく伝う。その間にステイル様は時計を確認し、一度だけ私を睨むと瞬間移動で姿を消された。

ステイル様が消え、一瞬だけ気が緩む。その途端に再び肺から咳が何度も続き、背中を丸めて俯き口元を押さえた。……その、時だった。





「ッッそォいうところを‼︎いい加減直せと言っているんだジルベールッ‼︎‼︎」





突然ステイル様の怒声が響き、顔を上げる。視界に捉えた時には「ッどわ⁈」という聞き慣れた声の叫びと共にアーサー殿が私へ投げ飛ばされてきた瞬間だった。

アーサー殿を衝突と同時に受け止め、彼も受け身をとって下さったことで何とか私が壁に背を打ち付けるだけで事なきを得た。


「じっ…ジルベール宰相⁈すすすすスンマセン‼︎けっ…怪我とかないっすか⁈」

着地してすぐに青い顔をしたアーサー殿が慌てて声を上げる。

身体を起こし、壁にもたれかかった私に手を貸して下さる。「本当に!本当にすみません‼︎」と何度も謝って下さる彼の手を握り返しながら、私から笑みで返す。「いえ、アーサー殿にお怪我がなくて幸いでした」と伝えれば倍の声量で「いやジルベール宰相にお怪我あった方が大変ですって‼︎」と叫ばれた。


「声を抑えろアーサー。衛兵に聞かれるだろう。」

冷静なステイル様の声に、アーサー殿が口を絞る。ゴクリと言葉を息と共に飲み込むと、ステイル様へと振り返る。歯を剥き出しに、声を潜めてステイル様を睨んだ。


「ステイルッ!いきなり投げやがって‼︎ジルベール宰相に怪我さしたらどォすんだ⁈」

「風邪よりはマシだ。いっそお前からもジルベールの頭に一発入れろ。」

ッできるわけねぇだろォが!と声を抑えて怒鳴るアーサー殿が、再び私に向き直り本当に痛むところはないか確認する。

本当に何もない。打った背も受け身をとったお陰で大して息も詰まらなかった。むしろ、今は先ほどよりも呼吸がしやすい程だ。………まぁ、当然だろう。


「ジルベール、次は真上から落としてやるぞ。」

アーサーを。と軽い調子でステイル様はアーサー殿の肩に手を置かれた。まだ状況が掴めないのであろうアーサー殿が「だからなんで俺なンだよ⁈」と声を荒らげるが、構わずステイル様は「後で詫びてやる」と告げると再びアーサー殿を消してしまった。恐らく瞬間移動で元の場所に帰されたのだろうと思いながら、私は改めて服の埃を払う。

そうしている間にもステイル様は腕を組み、一歩一歩私に近付かれた。


「お前の身体は我が国、延いては民のものだ。体調管理も仕事のうちなど、アーサーだって知っている。それをお前が疎かにして良い理由は何だ?」

…仰る通りです、と言葉を返せばステイル様の鋭い眼差しが再び私を刺す。


「医者は何の為にいる?薬師は何の為にいる⁇今度彼らの助力を躊躇ったら、俺が何度でもアーサーをお前に叩き込むぞ。」

…アーサー殿。

この世で唯一存在する病を癒す特殊能力者。それをあろうことか私の軽い風邪治療の為に呼び出されてしまったことが恐ろしく不甲斐ない。

数日休めば治る程度のものにあの御方の力を使うなど、無駄遣い以外の何物でもない。

口を閉じ、沈黙で応えながらステイル様に頭を下げれば「マリアやステラに風邪を伝染したらどうする」と更に追撃を受けてしまう。

申し訳ありません、と謝罪をすれば、俺に隠しきれると思うなよ?と低い声で凄まれた。…友であるアルバートにも、ここまで頭から説教されるのは最近久しかった。


「全く…。もし父上が風邪を引かれてお前と同じ言い訳をしたらどうするつもりだ。」

「基本的には侍医と薬剤師を彼の部屋まで私が勝手に呼びつけております。彼もなかなか強情ですから。」

私の即答に、一度ステイル様が目を丸くする。「あったのか」と聞かれ、やっと私からも笑みで「年に一度程度です」と返せば今度は深い溜息が返って来た。…そういう反応はやはり王配であるアルバートやヴェスト摂政に似てきている。


「…ならば、俺も勝手にアーサーをお前の頭上に降らせよう。」

「いえ、次からは必ず症状が出次第、速やかに医者と薬剤師の助力を頂きます。」

ステイル様の言葉に再び即答で私が返す。

私の言葉にジトリと湿った視線を向けるステイル様へ「御約束致します」と念を押すように笑んでみせれば、やっとステイル様の肩から力が抜けた。


「……証拠として父上と俺には必ず医者に掛かったという報告と、薬剤師から受け取った薬を見せてもらおうか。お前は嘘をつくのが上手すぎる。」

畏まりました、と言葉を返せばステイル様は再び書類仕事を継続された。

私の机に先程置いた書類を指でトントンと二度叩き、さっさと終わらせろと言葉を使わず指示された。私が書類を受け取り、目を通せばステイル様は見事な手際で他の書類も片付けていく。


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