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Op.6『……オマエそれ「ナランチャ」にも言えるか?』……

「……アンタ他の人には視えないわけ?」


 心配した私がミカンに訊ねる。


 部屋の中にミカンのおっさんを飼ってるなんて、もし友達に知られたら……!


「……!?見えへんみえへん!……ワイ『スタンド』やで?」


 見損なってもらっちゃ困りますなぁ…と、胡座(アグラ)をかいたミカンが腕を組み不快げな顔をする。

 ……不快なのはこっちだ。


「私のスタンドなら、なんで『おじさん』なのよ!?」


 私からの当然の質問に対してこのミカンはカチンと来たようだ。


 眉間の間の黄色い皮に深く皺を刻み、ミカンは一瞬で憤怒の形相となる。


「……オマエそれ『ナランチャ』にも言えるか?

『……なんで飛行機(ひこうき)なんですか?』って?……えぇ!?

『事情』があるんじゃ『事情』がなぁ!!甘ったれんな!!」


 どうやら『形』についての話はこのミカンにとって触れてはならない禁忌(タブー)らしい。


 興奮した様子で、さらにミカンは続けた。


「……ワイかてなっ!ワイかて『ザ・ワールド』に成りたかったで!?

『クレイジー・ダイヤモンド』に成りたかったで!?

……でもムリや。そんなん成れへん!

分かるやろ!?本体(オマエ)には!!

本体(オマエ)がさっきから言うとんのはっ!親が我が子に『……なんであんたブスなの?』って言うとるのと理屈は同じやで!?」


 長いセリフを一気に喋りホンッマかなんなあ…と言いながらミカンは目の端に浮かぶ黄色い果汁のような涙を拭う。大声出すと涙もろいのもおじさん臭い。

 ……というか、『本体』の私が標準語なのに、なんでスタンド(こいつ)はエセ関西弁なんだ?


 いや、それよりも、


「『子』っ!?」

「ああ、子や!オマエがワイの『お母さん』や!」


 床の上に胡座をかいたまま私に向かってずぃっと身を乗り出し、自分の胸に両手を当ててミカンが力説した。

 なんで、初恋もまだなのに『ミカンのおっさん』を生まなきゃならんのだ!?


「違うわ!!」

「違わへん!!オマエがワイの本体(おかあさん)なんや!!『認知』しろや!!」

「ッ…するかボケェ!!

『ミカン』が私のスタンドっ!……いや、ねぇわ!『矢』も刺されてねぇわ!!」

「……ずっとおったんやオマエのそばに!『生まれつきのパターン』やワイは!!」

「……あ!?」

「『……あ!?』って何や!?やんのかコラ!?」

「んだコラ!?ああ、やったらぁ!!」


 ……そしてお互いの顔面を本気で殴り合った私とミカンは、またもお互い同質量のダメージ×2を受けて二人同時にノックアウトして気絶した。


 自分のスタンドと殴り合うものじゃない。


 ミカン(こいつ)が『近距離パワー型』じゃなくて、ホントに良かった……。


 じゃあ何型やねん『ミカン型』か。やかましわ!



………


『自分のスタンド』と、

『殴り合ったらどうなるのか?』。


皆様は考えたことありますでしょうか?


……私はあります。

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