勇者の体験学習
「フィールドにはモンスターやコロナ警察がわんさか出てくるから気をつけて!」
冒険しながらユグドはノフィナに注意をする。
ボガアアアアアン!!
……とそんな時瓦礫の山からモンスターが現れた。
他の獣には無い、珍しい形のモンスターだった。
「グアオオ!!」
そのモンスターは咆哮を上げながらブレスを吐き出した。
「キャア!」
すかさずゾノミはノフィナの手を引きモンスターのブレスから守る。
「このおっ!」
ユグドは盾で守り剣で応戦。
「魔物よ!退散しなさい!」
ゾノミは詠唱した。
すると稲光がモンスターの頭上に降り注ぎ、モンスターをノックアウトさせた。
「はあぁ怖かった〜…」
ノフィナは腰を抜かした。
「ノフィナには今のは刺激が強過ぎたかな?」
「へ、平気だよ、こんなのへっちゃらなんだから!」
ノフィナは強がった。
「負けず嫌いな子みたいだな」
「うふっそう言うところユグドにそっくりね♪」
夫婦みたいになるユグドとゾノミ。
そしてそして、旅を続けているとユグド達は異様な光景を目にした。
ちょっと小太りの生真面目そうな青年がなんと県外ナンバーの車を止めて文句を言っている。
「貴方様は何のおつもりですか!外出を自粛せよと政府もそう申されているのであります!」
「コヤンクさん!」
ユグドがその青年に声をかける。
「これはこれはユグド様にゾノミ様、自分は今この不届き者に制裁を加えていた所であります!」
そして県外ナンバーの車は凹み運転手と家族は怪我をしていた。
「大変!大丈夫ですか?」
ゾノミが運転手に駆け寄り治療魔法を施す。
すると運転手の怪我はみるみるうちに回復した。
それを見たコヤンクは血相を変える。
「待つであります!この方は政府の言う事も守らず外にお出かけになられたのでありますぞ!何故助けるでありますか!!」
「失礼、でも真面目で真摯だった貴方様までコロナ警察になってしまったなんて嘆かわしいものですね!」
ゾノミは強い目線でコヤンクを睨む。
「よせゾノミ!この人は俺の先輩だ!」
「しかし…!」
それを見たノフィナは只事では無いと察した。
「どうしようどうしよう?」
『落ち着いて、2人のバトルを見てみようよ』
「ノフィンは落ち着き過ぎなのよ!」
一方コヤンクとゾノミの睨み合いは続く。
ユグドとノフィナはどうしようと言った感じだ。
「コロナ警察は一刻も早くコロナを収束させようと日々努力しているであります!それがわからないのならここで引導を渡すであります!」
「ゾノミここは引くんだ!先輩すみません、恋人は正義感が強すぎて…」
「そう言えばユグド君も勇者をやっていてあちこちで冒険しているでありますな、コロナ感染のリスクも考えず、ならば自分の敵であります!」
コヤンクは激しいオーラを噴出させながら構えを取った。
コヤンクの道着が自らのオーラでたなびく。
「上等!!」
ゾノミは詠唱を始めた。
「くそう!コヤンク先輩、悪く思わないでください!」
ユグドもまた剣をコヤンクに突き立てた。
「我らコロナ警察が正しいという事を思いっきりわからせるでありますよ!」
コヤンクは闇に覆われた表情をして立ちはだかった。
その時ノフィナは慌てて喧嘩になりそうなのを止めに入る。
「みんなやめてよ!もう良い大人なんだから…」
「「子供は引っ込んでなさい!「であります!」」
どうやらノフィナの出る幕は無いようだ。
「正義の鉄槌!サイコウェーブ!!」
コヤンクはエスパー技のサイコウェーブを放った。
「うわぁっ!」
ユグドは弾き飛ばされる。
「行きます!ゾノミフレイム!!」
「サイコバリアであります!」
ゾノミが火の玉を放ったのをコヤンクはバリアを張って防ぐ。
「くそう、ユグドブレード!!」
「甘い!一本背負い!!」
ユグドが剣撃を放つがコヤンクはユグドの腕を掴み柔道技を決め込む。
「中々やりますね、しかしここで隙を見せてくれました!マジックチェーン!!」
ゾノミは魔法で鎖を具現化させ、コヤンクを拘束しようとした。
ジャリ…コヤンクは鎖に巻きつかれる。
「これで身動きが取れませんね!」
ゾノミは不敵に笑う。
「ふっ、これで勝ったつもりでありますか?」
「何……キャア!!」
コヤンクはハンマー投げの要領で体を回旋させる。
すると掴んでいたゾノミは一緒に廻りコヤンクが鎖を取りついでにゾノミは向こう側に飛ばされてしまう。
WNIの世界、ここには男も女も無い。
「コヤンクさん…ついに貴方は俺を怒らせました!これで心置きなく本気で戦えるというもの!」
ユグドは激しい緑色のオーラを噴出させて立ち上がった。
「それでこそ勇者であります!しかし正義は我らコロナ警察にあります!」
ユグドとコヤンクは本気でぶつかり合う。
「くっ!中々やるでありますな!」
「まだこんなものじゃありませんよ!」
ドカンドカンドカン!!!
二人は本気でぶつかり合う。
「サイコハウル!!」
「ユグドトルネード!!」
「コヤンクハンマー!!」
「ユグドマグニチュード!!」
中々決着はつかず、二人は互角にやりあう。
一方ノフィナはゾノミを助けに来ていた。
「大丈夫ですか?」
「私は大丈夫…それよりユグドは…?」
「今コヤンクさんと言う人と戦っています!」
そしてそして二人は再び戦場へ。
「巴投げ!!」
「うわあぁ!!」
またもユグドが投げ飛ばされる。
いても立ってもいられなくなったノフィナは二人の間に割って入る。
「二人共良い大人なんだからやめてくださいっ!!」
少女の怒号が最高に轟く。
その時「そうよ!」と別の女性がやって来た。
「ピーチ…」
ピーチはコヤンクの妻である。
「貴方、コロナ警察なんてやめて正気に戻って!!」
ピーチはコヤンクに抱きつき涙を溜めて訴える。
するとコヤンクの頭上から希望の粒子がパラパラと降ってきてコヤンクのコロナ警察の呪縛が解かれる。
「…はっ!自分は何をやっていたのでありますか!」
コヤンクは正気に戻る。
「先輩、おかえりなさい」
「ユグド君、それとゾノミ君、自分は君達にとんでもない事をしていた気がするであります…!」
そしてコヤンク、ピーチとユグド、ゾノミのカップル達は気持ち良く盃を交わしあった。
「大騒動にならなくて良かった…でも勇者の仕事って大変そうだね」
『まあね、僕も勇者だったけどこうしたコロナ警察は洗脳を解くのが大変だったよ!』
そしてそして、ノフィナは勇者見学を無事に終えた。
そしてノフィナが一勇者になると言う事はその時のノフィナにはまだ知るよしも無かった。




