ノフィナの怒り
「うおおおぉ!!」
ノフィナはヘルに鋭い一閃を放つ。
しかししかし、ヘルはヒラリと躱しノフィナに蹴りを入れる。
「がふん!!」
ノフィナは壁に打ち付けられた。
「ノフィナちゃん!」
「ノフィナちゃん…!きゃあ!!!」
シャムはノフィナを救い出そうと駆け寄るがヘルは自身の周りに電流を帯びた膜を張り、シャムは膜に触れた途端引力が反発するように弾き飛ばされた。
「お主はそこで見物しておれ!」
ヘルはシャムにそう言い放った。
「くっそぉ!闘気を衝撃波に変えて貴方をぶっ飛ばす!!!」
ノフィナは青い闘気を突きかざした両手に集め、集まった所でヘルに飛ばす。
青い衝撃波がヘルに襲うがヘルは片手でそれを弾いてしまった。
「くくくお前のちっぽけな闘気など儂の凄まじいまでの恨みと比べたら蟻んこも同然!!」
「きゃあっ!!」
ヘルは体中に渦巻く黒いオーラを突風にしてノフィナを弾く。
「くうっ!貴方なんか!貴方なんか!!」
ノフィナはありったけの魔法をヘルにぶつける。
ズドズドズドズド!!!
魔法の弾が矢継ぎ早にヘルめがけて放たれる。
「ははは!効かぬ効かぬ効かぬ!!!」
しかししかし、ヘルはいとも簡単にこれらを弾いてしまう。
チュドンチュドンチュドン!!!
弾かれた魔法は至る所にぶつかり爆発を起こす。
「きゃあっ!」
シャムにも飛んで来て、シャムは身をかがめた。
「!!シャム、大丈夫!?」
ノフィナはシャムに駆け寄ろうとする。
「隙あり!」
そこでヘルはノフィナを転倒させる。
「ふふふ、お前の弱点はその甘さだ!」
「くうっ!私を舐めないでくださいっ!!」
ノフィナは更に更に激しいオーラを沸き立たせる。
ノフィナの周囲が淡い青の光を放ち、そこから風が舞い上がる。
「フフフ中々のオーラだ、では儂の本気のオーラを特別に見せてやろう!」
ヘルはオーラを溜め出した。
「な、何?何?」
シャムは異様な恐怖心に陥る。
そしてそして、ポルターガイストが起こり、周囲の壊れた家具、食器等が浮き出す。
「な、何?どうなっているの??」
ノフィナもたじろぐ。
ガシャンガシャン!!
そしてそして、その食器は周り、誰も触れていないのにも関わらず周囲に放り投げられる。
「うわああああぁ!!!」
「ハリケーンだー!!!」
住人達はハリケーンに巻き込まれ、食器や家具と共に空中に放り投げられた。
ビキビキィ!!!
更にヘルの周囲の床が抉り取られる。
完全にまで黒いオーラが溜まった所でヘルは手を前に突きかざす。
「くくく儂のオーラの前に恐怖するが良い!!」
グワアアアアァ!!!
そして手にかき集めた黒いオーラが放たれる。
そのオーラは人の呻き声のように音を発していて、それがシャムやノフィナに戦慄を覚えさせた。
そしてヘルの放ったオーラによる衝撃波はノフィナに炸裂。
「がはっ!」
ノフィナは吹き飛ばされ壁に打ち付けられた。
「くっ!まだまだ…!」
ノフィナはよろつきながらも強気な目線をヘルに向けて立ち上がる。
「ほお?あれだけやられてもまだ立ち上がるとは…そしてそして、冥土の土産に儂の秘密を教えてやろう、ガーランド城を滅ぼしたのはな、この儂なのじゃよ!!」
「なんですって…!?貴方は…貴方は許せない!!!」
ゴゴオオオオオォォ…!!
ノフィナの体は一層の青い気体が渦巻き、それは突風となって周囲を吹かせる。
ノフィナの眼光は真夜中の獣の目のようにギラギラした光を帯びる。
髪が靡き、服が暴れる。
「うわああぁ!!」
そして住人は体が浮かび上がり、何処かへ飛ばされる。
「きゃっ!なんて闘気なの…」
シャムも体が浮いてしまい、柱に捕まって飛ばされまいとしがみ付く。
「ふふふ、ここまで怒りに燃えて貰わんとつまらん、さあかかって来い!!」
ヘルは挑発する。
「喰らいなさい!私の怒りの裁きを!!!」
ズドドドドドドドドドォンドォン!!
ノフィナは更にありったけの闘気による弾幕をヘルに浴びせた。
ブオオォォォォォ…。
ゴオゴオと風の音と共に煙が舞い上がる。
「やっつけた…?」
あれだけ浴びせればヘルも耐えられないだろう。
シャムは一瞬表情が綻んだ。
「ふふふ、まだ続きがあると言うのにせっかちな小娘だ」
「「!!!」」
全くの無傷で絶句するノフィナ達。
「嘘…どうなってるの…?」
「ノフィナちゃんの会心の弾幕が…」
ヘルの憎しみの闘気は黒い鎧となって彼自身を包む。
ヘルは黒い甲冑姿となり、時々発する稲妻に照らされる時のみ老人の姿が映し出された。
「そしてそして、逆に儂はな、お前によって家族を滅ぼされたのだ!!」
ビカーン!!
オーラによる稲妻が降り注がれ、ヘルの不気味な表情が半分だけ白く光る。
「私は貴方の家族なんて殺した覚えなんて無い!それどころか誰一人殺した事なんかない!いい加減な事言わないで!!」
ノフィナは涙を溜めて抵抗の言葉を放つ。
「ふっ、自覚が無いとは恐ろしいものよ…」
ヘルは低く枯れた声を漏らし過去を語りだした。




