ノフィナコロナにかかる!?
ノフィナの机の上には落書きやカッターで賠償しろ!とか暴力女!とかいっぱい書かれていて、しかも花が飾られていた。
周りにはノフィナの表情を見てクスクスと笑ったり、そんなノフィナに憐れみは負けるもののスルーする生徒達。
ノフィナはなんで私が…と言う思いだったが抵抗する気力が沸かない。
ノフィナは花を元に戻し、再び机に戻るが机の中も異様な事態になっているのに気付くのに時間はかからなかった。
なんと机の中は使った後のティッシュが山積みに重ねられていた。
そしてノフィナは冷や汗をドバドバ流し戦慄する。
生徒達の冷たい視線はそのまま止むことがなかった。
ーーー
「やっと終わった…」
ノフィナは一仕事を終え昼食を取ることにする。
「今日はご馳走だよよかったね!」
「うんっ!」
最近友達となったシャムと一緒に食べる訳だがその昼食に味が無いようにノフィナには感じられた。
(あれ?これ味がしない……)
ジューシーな筈のお肉に味がしなかった。
しかしシャムは「ん〜♪これおいひ〜い♪」と嬉しそうに食べている。
「どうしたのノフィナ食べないの?」
心配そうにシャムが聞いてくる。
「う、ううん?なんでもない…」
言えなかった…味がしないと言ったらコロナにかかっているのではないかと疑われる。
ふとくしゃみ、咳が出ただけでもコロナと騒がれるご時世。
下手な事は言えないし、出来なくなっていた。
もし私がコロナにかかっていると知られたらここも集団感染とかでしばらく営業出来なくなる。
ノフィナは一気に不安がよぎった。
もし新しい就職先を見つけようにもコロナに一度罹患して、しかも周りを感染させてしまった罪人として、その就職先も見つけられないまま路頭に迷ってしまう。
大方の盗賊ややくざは元々は立派な従業員であったり学生だった。
しかしコロナに罹患し、身元を特定されたせいで路頭に迷い、盗賊に身を落とすしか無くなった者達の集まりだ。
(ひょっとして私もそうなる?
嫌だ嫌だそんなの絶対嫌だし!!)
『どうしたのノフィナ?』
「ワイマ…」
ワイマが心配した様子でノフィナの顔を覗き込む。
「ワイマは良いなコロナの心配しなくて済むし」
『いやオイラだってコロナは怖い、でもノフィナがいるからへっちゃらだい!』
ワイマはこう笑うがノフィンが横槍を入れて来る。
ノフィンとはノフィナの体に取り憑いている寄生虫だ。
同化しているも同然なのでノフィナが味覚異常なのもノフィンには誤魔化しようが無かった。
『言わなくて良いのか?誰にも言わないと事態はますます悪化するぞ?』
「そんな……でも……」
グリグリ…。
「ひゃん!」
何も言えないでいるノフィナにノフィンは体を踊らせてノフィナをグリグリしだした。
「ノフィナさん…まさか…」
ノフィナの反応にワイマが何かを察する。
「うん、ごめんね私……」
ノフィナが本当の事を言おうとするのを待たずにワイマがこう憶測して来た。
「妊娠しちゃったとか!??」
ズコーッ!
ノフィナはワイマのボケに思わずずっこけた。
ーーー
結局、ノフィナは診察を受ける事にした。
そんな中、(本当にコロナにかかってしまったら…)など不安が尽きない。
そして検査員がフェイスガードの上にマスクと言う重装備ぶり。
まあ感染は怖いしそれくらいの装備は必要かも知れない。
そしてより顕著なのは検査員の表情が険悪で、物言いも少しぶっきらぼうだ。
暗に「来んなよここに」と言ってる感じだ。
ノフィナも好き好んでこんな所に来ていないし皆一緒だろう。
(こうしている間にも自分はコロナにかかっているのかも知れない!?もしコロナにかかったのだとしたら…!)
ノフィナはこうしている間にも色々と不安な思いを抱えていた。
きっと皆同じような思いなのだろう。
しかししかし、コロナをインフルエンザ等と同一視していたらこんな騒ぎにはならなかった筈だ。
実際医療崩壊も起きていて、コロナの感染者ばかりを優先に敷き詰められ、他の病気にかかっていたり、事故などで怪我をした患者も後回しにされるケースが相次いでいる。
コロナ予防に手を洗い、消毒は滅茶苦茶やってきた。
それでも身を汚す仕事には変わらないのでかかっていてもおかしくない。
しかしそれを甘んじて受け入れる程の度量は今のノフィナには持ち合わせていなかった。
いやこれからそれを甘んじて受け入れなければならない程の波乱が起こるとも知らずに。
そしてそして、その検査のやり方がまさに拷問であった。
熱を測るのならまだ良い方で、第二段階で鼻の奥まで検査棒を突っ込むやり方があるのだ。
それがまた痛い。
ノフィナ的にはノフィンから拷問まがいのことをされてるので慣れていたが慣れていない人とかは大変だろうとは想像に難くなかった。
「うえ〜ん!うえ〜ん!」
検査を終えた後の子供がギャーギャー泣き喚いていたが、その気持ちはよくわかる。
そしてそして、結果がわかるまでの間、とある施設に入れられて周囲との交流を遮断される事になる。
ずっと一人の時間を過ごす。つまりはワイマとも別々の所に入れられるのだ。
ノフィナは何日もの孤独な時間を過ごし、また奴隷にされそうになった時の、あの黒い感情がグルグルしだした。
(誰よ人類皆兄弟なんて言ったのは!あぁ嫌だ嫌だみんなくそったれよ!対面や面子を気にして外面はニコニコして綺麗事言って!ふざけないでよねガルル〜!!)
ノフィナの暗黒面が目に見える気体となって、それは不気味な程の黒い煙が沸き立って、光が灯ってもなお、ノフィナのいるそこは僅かに暗くなっていた。
ノフィンは言った。
『ノフィナ、正気に戻って、僕は味方だから…』
「ああうるさいうるさいうるさいっ!黙ってて黙ってて!!いざと言う時役に立たない癖にガルル〜!!!」
暗黒面だらけのノフィナは散々ひどい事をノフィンに言いまくった。
グリグリグリ……。
「ああ………!」
『なんでわかってくれないかな?僕は君の為にいっぱいサポートしてきたんだよ?それなのに役立たず?ふざけないでよねこっちこそガルル〜だよ!』
ノフィンの心は抉られ、ノフィンはノフィナの体を抉りだす。
ノフィナもノフィナだがノフィンもノフィンだ。
あのチイと喧嘩するほどだからろくでなしなのは利他共に認めるべき。
「ご、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」
グリグリにノフィナはのたうち周り平謝りする。
その様子を見ていたある小さな影。
それはあまりにもノフィナが心配でやって来たそう、誰かであった。
ノフィンの拷問を見かねて少年は叫んだ。
『ノフィンさん!ノフィナさんをこれ以上いじめないでください!!』
「……ワイマ!!」
ワイマであった。ワイマはノフィナ同様に隔離部屋に入れられていたがノフィナが心配でたまらなくなり、急いでやってきたのだ。




